黒と金の開かない鍵。
- 2011.05.21 Saturday
- 22:07
18禁愛されすぎADV。高校デビューに失敗したため不登校になってしまった引きこもり主人公は毎日妄想にふけっていたが、ある日夢での不思議な声に誘われ外に飛び出し、髪を切る。こざっぱりとしたことで気分も明るくなり、心機一転、学校に通うようになるのだが……という感じでストーリーは展開していきます。攻略対象は義弟(テストに出る)、初恋だった元同級生、美容師、担任教師の4名。黒い鍵と金色の鍵という二つの鍵パラメータを見つつ攻略していくイメージです。この鍵システムは別にいらないんじゃないか、という気もします。鍵を参考にしていくことで攻略は易しくなりますが、すべてのバッドエンドを回収するためには鍵パラメータが出る前のシナリオからやり直さなければならないことが多いので。
ストーリーは全体的に惹かれ合って→告白されOK→付き合うことになるけど、段々本性が……という流れになっております。どのキャラもそこはかとなく病んでいるか主人公に執着しています。音楽は全体的にしっとり系。
システムはクイックセーブなど一通り必要な物は揃っていますが、エンディングリストがありません。多分エンディングリストにあたるのが各キャラの「鍵」なのですが、この鍵はベストエンドを見た段階で手に入るのでBADエンド回収の参考にはなりません。これが、はっきり言ってかなり不便です。攻略サイトを見つつ「あれ、このエンディング見たっけ?あ、見たわ」とかぶつぶつ一人で呟かねばなりません(経験談)。リスト鑑賞はあるものの、エ/ロシーンの回想しか見られないのも寂しいところ。
全体的に、「あともう少しここを掘り下げてくれたら……」と思うところが目立つシナリオですが義弟に萌えられればプレイする価値ありです。むしろ義弟好きによる義弟好きのための義弟萌えゲームです。義弟万歳。ありがとう義弟、これからもよろしく義弟。個人的に、義弟は人生でNo.1弟キャラに輝きました。我が人生に悔いなし。
ちなみにえろシーンは全体的に薄味で、最萌えの義弟シナリオも気になるポイントはいくつかありますが、そこは義弟への萌えで全部カバー。
シナリオが破綻しているというわけではないのですが、「惜しい」という印象です。「ここにこのイベントがあればな」とか、そんな感じの。あとえろシーンは官能小説を読んでいるかのような単語が散らばったりしてます。
イラストもキレイですが、乙女ゲームなのに主人公がメインの構図が多いので、攻略対象がどうにかなってる姿をじっくりねっとり舐め回すように観察したい方は残念な思いをするかもしれません。
各キャラとも、あまりプレイヤーの精神にクる感じの病み方ではないので、プレイ後にトラウマになるとかそういうことはないと思います。ヤンデレ初心者にオススメ。主人公の奏ちゃんは、学校に通うようになってからは普通の明るい女の子です。性格もかわいいです。思うんですが、黒ストッキングって正義ですよね。以下ネタバレ感想。