プリンス・オブ・ストライド 感想

  • 2017.11.01 Wednesday
  • 00:20
プリンス・オブ・ストライド - PS Vita


こちらはリクエストボックスよりおすすめいただきました。ありがとうございます!

青春疾走アドベンチャー。
6人1チームで街を駆け抜けるエクストリームスポーツ
「ストライド」を主軸にした物語です。

全体的にスタイリッシュな雰囲気で統一されていて、
イラストもさることながら演出が綺麗です。
物語は乙女ゲームでありながらあくまでもストライドが第一。
そのため、仲間と共に青春を駆け抜ける感覚が味わえます。

主人公の奈々ちゃんも「リレーショナー」という重要な立ち位置で、
攻略対象の見せ場を奪わずに仲間として共にストライドに
取り組んでいけるところが好印象でした。
性格も癖がなく、恋愛脳になることもなく、愛嬌もあって可愛い子です。
ストライドのルールはそれほど難しくないのでプレイしていれば分かります。

ストライドがメインだけあって、ストライドにまつわる物語は笑いあり涙ありで、
とても楽しめました。
甘さは控えめですが、割と仲間たちがまめに褒めてくれてちやほやしてくれます。
ただ、それでも優先順位はストライドが一番なので、
奈々ちゃんが過剰に甘やかされることもなく、さじ加減がちょうど良かったです。
主軸のシナリオは緩急があって飽きさせず、システムや音楽も高品質。

惜しむらくは、肝心の競技としてのストライドがテキストや簡単なカットインでしか
見られないところでしょうか。演出によってリレーションの重要さや
走ってる臨場感は感じられますが、この辺りはアニメ向きなのかもしれません。
劇中の描写からして魅力的なスポーツなので、選手たちが走るさまを
点を追いかけるだけでしか見られないのはとても残念でした。

パルクールが好きなので、ダイナミックなアクションが売りのパルクールから
インスパイアされたストライドの魅力をゲーム中で味わいたかったところがあります。
ちなみにパルクールの技が見られる映画だと「アルティメット」とかがおすすめ。
リメイク版の「フルスロットル」もあるよ。

ただ、恋愛物語としてはやや凡庸な印象。
選手がそれぞれストライドに関することなどの悩みを抱えてはいますが、
主軸の物語が生き生きしていて盛り上がるからこそ許されるレベルです。
これは制作陣が「ストライド」を取り巻く物語に力を入れた結果であり、
恋愛はあくまでもおまけの位置づけです。
なにかのノルマのようにお約束な乙女イベントが発生していき、
美麗なスチルはすべて乙女イベントに消費されていくのがもったいない。
最後の「プリンス・オブ・ストライド」につなげていく流れもちょっと蛇足かな、と
思いましたが、乙女ゲームだからと気を遣ったのかもしれません。

裏を返せば、それだけストライドに打ち込む物語の出来が良かったともいえます。
恋愛頼りではなく、ストライドそのものの勝負で物語が作られているところも
好ましく感じました。選手の精神面が試合にダイレクトに反映されたり、
ストライドを通して仲間たちと主人公の成長を感じられ、清々しさがありました。
単純に高校生男子がわちゃわちゃしてるところは可愛い。
ライバル校の選手たちにも個性と魅力的な立ち絵があったのも素晴らしい。
声優も非常に豪華です。

周回がちょっと面倒ですが、制作陣もそれは分かっているのか、
エンディングが回収しやすい配慮はされています。
キャラごとに終盤で試合の展開を変えてくる工夫も良かったです。

難点は、恋愛イベントの他に、主人公の育成ゲーム要素や
ミニゲームのリレーションが演出でしかないこと。
この辺りは、もっとゲーム性を持たせても良かったと思います。
そろそろ難易度選択をつけてほしいのですが、ゲーム性をつければ
否が応にも予算がふくらむわけで、こればかりは大人の事情かもしれません。

以下ネタバレ感想。
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