AMNESIA(アムネシア) イッキ感想

  • 2012.08.31 Friday
  • 23:40
AMNESIA(アムネシア)


イッキルートの感想です。

※9/3追記しました

以下ネタバレ感想。
イッキさん
シンが硬派なら、イッキは軟派キャラとして描かれています。いかにも遊び人系のチャラチャラした男で、終始こいつめんどくせえなと思いながらプレイしました。
あれもこれもそれも、彼の精一杯の強がりだったわけですね。遊び人であることを「体質」としたこともうまいなと思いました。余裕ぶった強がりの裏に隠された「本当の自分を受け入れてくれる人は、実は誰もいないのではないか」というイッキの自信のなさと心の弱さが透けて見えるルートでした。だから主人公から良い反応を返さないと、後半のイッキさんは諦めモードに突入しちゃうという。
でもイッキさんは二人きりのときは終始優しいんですけどね。その優しさがあまりにも手馴れてて、うさんくさすぎて怪しすぎでした。

さて、イッキさんにとって「女の子にモテたい」というのはかなり重要なウェイトを占めるんですよね。
ここから察せられる事実は、イッキさんは、昔はモテなかったってことです。
女の子に相手にされてなかったんですね。だから流れ星に願っちゃうわけだからね。
で、その結果、女の子の嫌な面を見て軽く女性不信になりながらも、大人しくちやほやされてるわけです。そのせいで友達をすべて失くしても。
何でかっていうと彼は本来、自尊心が低いキャラクターだから目の前の好意に縋らずにはいられない。
ミラクルが発生したことによりモテるようになったところで、イッキさん自身が変わってないから自信のある振りしか出来ない。
今のイッキさんが女の子の期待に応えようと努力したのだとしても、「体質」という壁のせいで素直に自分に自信を持てなくなっちゃってる。
うまくいっても「それは体質のおかげなのではないか」とか考えちゃう。
恐らく失敗しても「体質のせい」。イッキさんは、自分の問題を全て環境に責任転嫁しているんですよね。

イッキさんがモテるのは己の実力ではない。だからどうでもいい他人を拒絶する勇気がない。女の子に悪いな、とか考えちゃう。体質のせいで〜とか彼女たちは被害者だから〜とかね。
つまり自分のことも好きになってくれる女の子のことも信じてないんですよね。何故なら、今の状況はすべて体質のせいだと思ってるから。
ここで導き出されるのが、イッキさんの絶望的な自信のなさと強い罪悪感です。
女の子が自分に好意を寄せているのは洗脳のようなものだと思ってるのですね。
実際には主人公のように、意志の力ではねのけられるものであるにも関わらず。
信頼関係が築けなくて若干寂しいけど、きゃあきゃあ騒がれて疲れたりめんどくさかったりもするけど、でも洗脳されている女の子のかりそめの好意にでも寂しいから縋らずにはいられない。刹那的な安らぎが得られればまあいいか、とか諦めちゃうわけです。明確に拒絶しながらも理解しようとしてくれる主人公に出逢うまでは。

結果的に、そんなイッキさんの精神的な弱さと罪悪感をFCに利用されてしまいます。どうせ女の子はイッキさんに好意を抱いてるんだから、最初からもっとはっきり自己主張してればそれで済む話だったんですが、イッキさんは自信ないからそれが出来ない。
モテるようになってもいつまでもモテなかったときのメンタリティのまま。
相手を傷つけて自分が傷つくことに耐えられないためです。ちなみにリカさんもはっきりアプローチできない人なんですが、それは彼女のプライドの高さゆえなんですよね。

彼は気を許せる人が出来ないのは体質のせいだと思っているのですが、その体質でもケントという友達が実際に出来ている。きっかけさえあれば体質関係ねえじゃんとなるわけですよね。実はこの体質になる前から受身で傷つくのが怖いのは変わっていない。
モテたい、と神さまに願って、で、まあ無事に願いが叶っても受動的な本質が変わったわけではないから、やっぱり人間関係がうまくいかない、というからくりが面白かったです。
だから主人公を前にしてもうだうだうだうだ、FCのご機嫌取りもしつつ主人公にも好かれたい。「絶望を受け入れながら」とかかっこよさげなこと言ってるけど実は振られたときの予防線を張っているだけなのです。馬鹿な男ですね。

女の子にモテたい、主人公に立ててもらいたい、誰かに弱い自分を受け止めてほしいけど皆に失望されるのも恐くて強がってしまう複雑な男心。FCから主人公を守るためとはいえ、イッキさんにとっては主人公がまだ落ちてない状態なんですよね。その段階で、覚悟を決めて主人公一人だけのためにその他大勢の女の子からの評判を落としたくないという気持ちは、何となくわかります。まあそこで自分だけを選んでまっすぐ来てもらいたい、というのが複雑な女心なのですが。
「直前までうまくいきそうだったのにキスを拒まれて何なのかと思ったし」とかちょっと笑いました。そら、まさかいきなり記憶喪失に陥ってるとは思わないわな。イッキさんも不安になっちゃったんですよね。元々自尊心が低いからね。
シナリオ的には、自分を受け止めて信頼してくれる恋人が出来たことでイッキさんにその他大勢をはっきり拒絶できる自信が湧き上がるという展開が良かったです。

真相ではあんなにかっこつけて、思い悩んで、精神的に追い詰められながらも自分にはどうしようもないことだからと諦めていたのに、まさにとんだピエロでした。
人生はいかなる制約があろうと自分の力で切り開いてなんぼってことですね。良いシナリオだったと思います。

特にヤケ酒食らって主人公に酔って電話してくるシーンが好きです。ここも声優さんの名演技だと思うんですが、ほんと余裕のない感じが伝わってきました。もう無理、精神的に無理、って感じが萌えました。「相手の一方的な好意が重い」っていうのもね。重いと思っちゃって、それで自己嫌悪するんですよ。「あー俺ろくでもねえわ」みたいな感じで。あんな便利体質持ってるのに女性を完全に物扱いしきれないイッキさんのこのシーン、好きです。もっと金持ちの女引っかけて貢がせたっていいわけですけど、それはしないわけですからね。まあそんなことするとクズすぎて乙女ゲームとして成り立たなくなるのですが。
あとバッドエンドでケントと連れ立っての「海行こう、海」も好き。多分ろくに男友達もいなかったんだろうからケントと仲良しで良かったです。ケントとふざけあってるときのイッキさんが生き生きしすぎて笑った。友達いなかったんだもんね。

あとバッドエンドが好きです。「やるじゃない、神さま」もそれまで優しかったイッキさんがブチギレてて、主人公はすごい可哀想なんだけどうっかり萌えました。ここでイッキが何故ここまで怒ってるのかというと、彼の恐怖の根源である「本当の自分を受け入れてくれる人は、実は誰もいないのではないか」をモロに突いちゃってるからなんです。信頼していないしされていないのはお互い様で、図星だったんですよね。だから取り乱す。自分だって予防線張ってたくせに何だよ、って感じですね。
まあ主人公が不安になるのはごく当然だと思うのですが。だって怪しすぎるだろ。都合良く遊ばれてたんじゃねえかって普通は疑うだろ。ガラスのハートを隠してるくせに察してくれとかね、知らねえよ、という話ですよ。

主人公の設定も良かったです。彼女は心理学専攻なのですが、それがよく活かされてました。人の感情とか心の動きに人一倍興味があって、行動的な子だというのがシナリオで察せられて、何故ああいう行動に出たのかがよく分かりました。
また、何故主人公にイッキの体質が利かなかったのか?ということもすごく納得の出来る設定だったと思います。グッドエンドでは幸せそうで良かったです。ちゃんと「僕がちゃんと気持ちを言ってなかったからだね」と原因を発見しててほっとしました。

※9/3追記

……と思ってたんですけど、アフターストーリーを読んで「あれっちょっと違うな」と思ったので訂正します。私が間違っていましたすみません。
イッキさんは体質のせいで他人の気持ちを考慮しなくても、相手が一方的に合わせてくれるようになっちゃったんですね。だから、「相手が自分の言動にどう感じるのか」という部分に極端に無知になった。単純に分からない。段階を経てモテるようになったわけじゃないから相手の心理が分からないまま何となくモテてるんですね。
主人公がすごくいい子でした。でもあそこで、「じゃあちゃんとやろう」ってなる辺りイッキさんは根が素直な人なんだなぁ……
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