BLACK WOLVES SAGA -Bloody Nightmare-

  • 2012.11.24 Saturday
  • 20:49
BLACK WOLVES SAGA -Bloody Nightmare-


15禁、乙女向けダークゴシックファンタジーADV。看板に偽りなし。
非常に重厚な世界観であり、言うまでもなくドシリアス
15禁要素は暴力描写がほとんどで、キャッキャウフフなエロ展開はありません。
ないったらない。

陰鬱な世界観で残酷描写が多く、狂ったキャラクターが多いです。
甘い展開はほとんどないので乙女ゲームだと思って買うと痛い目を見ます。
この作品は世界観とキャラクターを楽しむもので、恋愛要素は薄いです。
獣人とのいちゃラブ恋愛とかを期待していると泣くことになるので注意してください。
重厚な世界観と残酷さと狂気に満ちたキャラクターを楽しむ作品です。
純粋なハッピーエンドはないと思ったほうが安全です。

本作はPC版であり、双子の猫王子メヨーヨとオージェがメイン。
キャッチコピーは
どこまでも過激に双子と往く「いちばん愛しくて、もっとも哀切な狼狩りの物語」

攻略対象は猫種(キャッシィ)の双子の王子と庭師、兎種(ラビッツ)の執事、
人間種(ヒューマ)の兄貴、狼種(ヴォルフ)の青年三人の合計八名。
ただ、この中でまともにルートが展開されるのは庭師と狼の青年一名のみ。
その他のキャラはいまいち消化不良で、本当の意味でのハッピーエンドはありません。
PSP版の「Last Hope」でハッピーエンドが出るものだと思われます。

シナリオは簡単にまとめると、
伯爵令嬢である主人公が双子猫の王子に魔女疑惑をかけられたことにより
王宮に引っ立てられ、隠されていた陰惨な真実に触れてしまうという感じです。

狼、猫、兎などの獣人と人間が共存するウェブリン王国。
王国では「ゾディバ」と呼ばれる治療薬のない謎の疫病が蔓延している。
その原因とされるのが狼種(ヴォルフ)であり、王国では狼狩りが是とされていた。
主人公は病弱なものの、伯爵令嬢として何不自由ない生活を送っていたが、
第一王子の求婚を度々断っていたことで逆鱗に触れ、魔女疑惑をかけられて
無理やり王宮に連れ去られ、捕らわれてしまう。
しかし主人公は王宮で、隠されていた陰惨な真実に触れてしまいます。

画面サイズは1024×768と大きめ。グラフィックは美麗で、
立ち絵がくるくるとよく変わります。目パチ、口パチありで自然です。

音楽が素晴らしい。
このゲームで特筆すべきは音楽の重厚さである。
他の乙女ゲームとは明らかに格が違います。それもそのはず、音楽は
クロノ・トリガーやゼノギアスを担当していた光田康典氏が担当しています。
また、声優さんの熱演によってプレイヤーをぐいぐいと世界観を引っ張り込んでくれます
音楽と声優さんの演技にはそれだけの威力がありました。

ただ音楽があまりにも素晴らしいので目立ちませんが
このゲーム、世界観は非常に魅力的なのですが、シナリオに粗が多いです。

共通ルートがとても長く、七割ぐらいは共通ルートで
個別ルートに突入したかと思いきやあっという間にエンディングです。
キャラとの絆を深めるような時間はあってないようなもの。

最初からこのゲームにハッピーエンドは期待していないので、
いかにダークエンドを見せてくれるかと思っていたのですが
思ったよりさらっと流された感じがします。

以下ネタバレ感想。
ネッソ


愛が重い

このネッソがウェブリン筆頭騎士にも関わらず、妹のことしか考えられない残念振り。
国を憂えるのが塔に長年閉じ込められてた主人公だけとか、
ガーランド家は一家揃って酷すぎる。

ネッソは分かっているのだろうか?
彼が軽く何もしないで見捨てる、とのたまったウェブリンは、
彼がいる有翼騎士団のほとんどの部下の故郷なのである。
もちろん親友エルザの故郷でもあるはずである。
彼は部下全てを、フィオナ一人のために見捨てたのだ。

こんな人が慕われるの……? 本当に……?

165 「塔を築く」
大怪我によって「騎士」でいられなくなり、フィオナへの愛しか残らなかったネッソが
終盤で病むのは納得できる。筆頭騎士で、ウェブリン一の剣士とか謳われてきた人が
下半身不随になる絶望は想像もつかない。
しかも生活も皆に頼り切りで寝てるしかないのである。
ネッソにとっては屈辱的な状況だろう。

もうフィオナしか傍にいないんだから執着するのもしょうがないというか……
崖から落ちてかすり傷で済んで幸せエンドってのもあまりにもご都合主義だし。

このゲームのテーマは「叶えられる願いは一つだけ」なんだから、
フィオナの愛を手に入れる、というネッソの願いは叶ったことになる。
代償は騎士としての自分、というのがほの暗くていいですね。

恋愛描写は確かに薄いが、ネッソのフィオナへの執着は
最初からこれでもかと描写されてたしまあこれはこれでいいんじゃないかなあ。
骨まで愛してやるとか一緒に墓に入ろうとか、うんまあね……いいけどね……
塔を作ろうは、騎士だった自分との過去に戻りたい的な意味もあんのかな。

164 「返事を」
エルザ達の助けが間に合わない。
切ないなあ。
でも美しい形で終わったのかもね。

===

まず、この作品は根本的な貴族制度の成り立ちについての知識が足りない。
シナリオの穴だと思うのだが、気になる点を重箱の隅をつつくように突っ込みますよ!
まだネッソルートしかクリアしてないので、違っているところがあったらすみません。
ガンガンネタバレしてるので注意注意。

そもそもエドガー・ガーランド伯爵は、貴族であると同時に、シャルメッセンの領主である。
物語の序盤で名家ガーランド伯爵令嬢であるフィオナは魔女の疑いをかけられる。
証拠はほぼなく、疑いの根拠は「何となく」以上のものではない。
だが領民は十年以上続く流行病ゾディバと狼の度重なる襲撃は魔女によるものだとする。
フィオナが六歳ぐらいの頃からある状況なんだから、無論そんなわけない。
となるとこの不満のポイントは、元はといえば領主であるガーランド伯爵への不満が
表出したものだと考えるべきである。

そうすると導き出されるのが、伯爵は領主として無能であるという事実だ。
普通、庶民が上流に対して暴動を起こすには相当な覚悟がいる。

何度陳情してもろくに話を聞いてもらえない、
凶作続きなのに税は重い、
狼が襲ってくるのに何の対策もしてくれない、
そしてゾディバの存在、
生活は苦しく改善の見込みもない、
このままじゃ飢え死にしてしまう 

これぐらい追い詰められた結果が暴動なのである。
こういった不満が十年の間に積もり積もった結果だとみるべきだ。
作品中で税に対する描写はなかったがあの暴動を見ると
なかなか重い税を強いていたんじゃないだろうかと勘ぐってしまう。
伯爵はものすごく被害者面をしていたが、言うなれば暴動は自業自得なのである。

そもそもがザラと一緒に密かにゾディバの抑制剤を
研究していたというがこれも意味が分からない
堂々と抑制剤を研究し、ザラ曰く誰でも作れるレシピを公開して
薬を領民に配ってやれば彼らはどれほど心安らかになることか。
狼の襲撃が問題なら自警団を組織してやって村とか町を警護してやるとか、
税を軽くしてやるとか、不満を抑えるために出来ることはいくらでもある。
伯爵はそういった領主としての義務を怠り、ふんぞり返っていただけということになる。
双子猫がいくら狼を皆殺しにしたかったからといって彼らはまだ王子である。
別に王がゾディバ治療研究を禁止したわけでもなし、内緒にしていた意味が分からない。
そりゃ領民に暴動を起こされるだろ。

あと意味が分からないのは、名家だ名家だと言われているのに
本家であるガーランド侯爵家までが小娘一人のために家を捨てるということ。
本当にありえない、
伯爵は領主としての責任を取らず領民を捨てて逃げたと誹られても仕方ない。
大体名家と言われるからには貴族として力があるはずで、
普通、領地から徴用した兵士がいて、それぞれ自分の軍を持っているものだ。
味方をしてくれる他の家だっているはずだがそんな様子もない。
貴族の発言力がほぼゼロに近い、これでは王政そのものが成り立たなくなってくる。

双子猫は得意になって宝刀を踏みつぶして笑っていたが、
王の威光が陰れば、別の有力貴族に玉座を狙われるのである。
それが今までの歴史なのではないか?

ガバルディ六世は貴族の反感を買って王の座を引きずり下ろされても文句は言えない
つーかネッソは他の貴族や国民を煽って内乱を起こすことだって出来るのだ、
立派な大義名分があるんだから。
なのに他の貴族はだんまり、ネッソは逃げるだけ、
一体この双子猫にどんだけの力があるのか?
彼らの手足になってるのってCCKと親衛隊だけじゃね? こいつら何者なの?

あと分からないのはガバルディ六世である。
彼は王になるために狼の協力を得て赤猫一族とラビッツを皆殺しにしている。
このことから、王は苛烈な性格だということが窺える。
が、何故か城内では王子に過ぎない双子にやられっぱなし
城内で起きていることを制御することも出来ない。

最大の意味不明はユリアンの廃嫡である。
いいですか、廃嫡 である
それも第一王位継承権を持っていたのを無理矢理取り上げる。
不良息子を勘当するのとは訳が違う。
そもそも王は双子猫に無関心だったはず。
いうまでもないが第一王位継承者であるユリアンはメヨーヨ達より偉い。
あと母であるレイリーの言い草からして彼らには貴族の後ろ盾があったはず

後ろ盾がある、というのはつまり発言力のある貴族が味方についていて、
王もその意向を無視できない、という意味である。
だから後ろ盾のないエレノーラは捨て置かれることになったはず

それが王が一番可愛がっていたユリアンが、第二王位継承者であるメヨーヨに
毒を盛ったからといってだから何だというのか?
そりゃ倫理的に良くはないだろうが、メヨーヨが死んだわけでもないし、
ユリアンの身分を考えればいいとこ謹慎ぐらいで済む話である。

これが逆なら納得できる。
つまり第二王位継承者ユリアンが優秀な兄である第一王位継承権を持つメヨーヨと、
王の座を狙ってガバルディ六世を邪魔に思って暗殺しようとした、
それを知ったガバルディ六世は怒ってユリアンを廃嫡した、という流れである
このほうが自然だ。

そこで廃嫡するほど怒るというのが意味が分からない、
王は双子猫に無関心だったはずでは?
普通、議会とか神殿とか王に代わる権力者がいないなら
ウェブリンはガバルディ六世の天下であり、
彼の胸一つでどうにでも出来たはず。
それなのに何故か双子猫に言われるがままの傀儡振り、
ここが前述した「苛烈な性格」とどうしても結びつかない。
考えなしのただの馬鹿に見えてしまう。

おまけに可愛がっていた筆頭騎士アルルが裏切った後も
何もしないどころかそのまま狼種の殲滅を命じる体たらく。
ゾディバの研究をしていたラビッツを皆殺しにした双子猫に何の処分もしない。
だが彼は人前に出てきて話は出来るのである。
これではガバルディ六世はただのでくのぼうだ。
問題は、でくのぼうである論理的な根拠が足りないことにある。
王はユリアンのことを哀れんでいるし、
ゾディバを何とかしなくちゃいけないとも思っている。
なのに何もしないというのが、双子猫にとってあまりに都合が良すぎる。

この城では双子猫が権力を持ちすぎていて不自然なのである。
王を諫める大臣もいない。政務は誰がやってるの?

あと非常に残念なのは、「人々に慕われていた」はずの筆頭騎士、アルルとネッソである。
彼らはどれぐらい慕われていたのか?
国民的英雄レベル?
それとも騎士団から個人的に好かれてた程度なのか?

大体アルルもネッソもガバルディ六世によく仕えたから出世した家柄である。
それなのに双子猫のちょっとした策略で何もかも失うってどういうことなのか?

ここまで仕えてゾディバを狼のせいにされて根絶やしにされようとして、
普通は貴族からの反発があるものだ。ていうか狼にも貴族の位が与えられたはずである。
ガーランド家が建国の功を称えられてるんだから、でなきゃおかしい。

ならば彼らが一丸となって王に剣を向けて内乱を起こすことだって不可能ではないはず。
なのにアルルはただ逃げまわって村々をちまちま襲撃、ここがよく分からないし
ウェブリンを脱出するわけでもない。ロベイラ種はウェブリンにしか存在しないのか?
隣国に助けを求めたっていいのでは?

ネッソを始めガーランド家も侯爵の位を持っているのにほぼ無抵抗で尻尾を巻いて逃げる。
貴族の爵位ってのは影響力の大きさを示すものでもあるはずなのに……

あと隣国との交流がほとんどないということは、
ウェブリンは内需で潤っている国だということになるが
十年以上のゾディバと狼による散発的な襲撃が続けば
普通、国民は疲弊する。

どういうことかというと、国としての生産力が落ちる
国力が落ちると、早い話、食べ物が減る
→国民が飢える

野放しにしてもガバルディ六世に良いことは何もない。
にも関わらず何の対策もしていない。
彼は双子猫が出てくるまでもなく、稀代の暗愚王である。
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