BLACK WOLVES SAGA -Bloody Nightmare- メヨーヨ感想

  • 2012.11.26 Monday
  • 20:45
BLACK WOLVES SAGA -Bloody Nightmare-


猫種(キャッシィ)の双子王子の片割れ、メヨーヨの感想です。
彼がメインなだけあって、なかなか思い切ったルートでした。
乙女ゲームと銘打ってこの内容はかなりの冒険だと思います。

衝撃的な展開ですが、もっとこういう個性が大爆発した作品が
出てくるといいなあ。最近どれも似たり寄ったりになってる気がしてたので
まだまだこの業界の可能性を広げていってほしいです。

そういった意味で、BWFは意欲作だったと思います。
制作元のRejetさんにはこれからも我が道を進んでいただきたい。

メヨーヨ編は声優の櫻井孝宏さんの
冷たーい王子様ボイスがすごくはまってて良かったです。
精神的な不安定さ、不安と憎悪の間を揺れ動きながら時折見せる弱さと
狂気に満ちた演技がとても良かった。

シナリオ展開は、衝撃的です。
甘さはほぼなく恋愛要素も薄めで、主人公に対しても容赦がありません。
でも異常なまでの執着は感じ取れて良かったなあ。
カウンセリングをする余裕がまったくないのも良いですね。

以下ネタバレ感想。
ちょいちょい入ってる外来語が気になる。
「そこがポイントなんです」とか……
世界観が崩れるから日本語で統一して……

メヨーヨ


エルヴィラを好きじゃないってしつこく言ってたけど、
どちらかといえば自分に言い聞かせている感じにも見えたんですよね。
何というか、メヨーヨは恋愛を刺激的でなければならないと思ってて、
例えば相手の姿を見たときにドキドキするとか、意識するとか、
女性として魅力を感じるとか、
そういうものがないと恋だと認められなかったんじゃないのかなあ。
でも、恋ではなかったとしてもエルヴィラに家族愛を抱いてたんじゃないかと思います。
一緒にいて心が和んで癒やされるような、穏やかな形でゆっくり始まるような愛を
メヨーヨは知らなかったのではないかと。
そしてまさにそれが始まろうとしているところでアルルにかっ攫われてしまう。

メヨーヨが人生で安らぎを覚えたのって、多分ユリアンを廃嫡して
エルヴィラを手に入れ、アルルが台頭するまでの僅か数年ですよね?

だからメヨーヨは過去の傷を癒やす前にあんなことになってしまって
幸福を受け取るような精神状態ではなくなったのかなあと。
アルルに対してあそこまで憎悪を膨らませるのは、
メヨーヨが過去に抱いた全ての怒りとかトラウマをアルルに転移させているからですよね。
その怒りは、本当は父王であるガバルディ六世に向けるべきものだったにも関わらず、
ユリアンに抱いていたコンプレックスをそのままアルルに置き換えてる。
能力的にはユリアンより優秀でも父王の愛はユリアンが独占してたわけで、
だから実は好きでもなかったエルヴィラをアルルに奪われて過剰に反応してしまう。

何故ならメヨーヨは根本的な部分で「愛されるに足る自分である」という自信がないから。
父王から愛されている感覚がないまま大人になってしまった。
更にアルルによって、エルヴィラがこれまで近くにいてくれたのは、
エルヴィラがメヨーヨの傍にいることを望んだからではなく、
周囲の状況によって王宮に閉じ込められていたからだというのが証明されてしまった。

だから今度こそは失うまいとエルヴィラに、そしてその影を持つ主人公に執着してしまう。
でも執着しても相手を閉じ込めているから一緒にいてくれてるだけで
エルヴィラや主人公が好意を抱いてくれるとは信じられない。
だからそれが悲しくて、自分を無価値だと認めたくなくてまた執着して閉じ込めようとする。
閉じ込めてれば、少なくともその辺りはグレーになる。
でも不安だから執着して閉じ込めて、
無理に閉じ込めてるから不安になる、という無限ループ。

オージェルートのバッドエンド「待ち望んだ自由」で、
うわごとで「お前は私のものだ」と繰り返すメヨーヨに
主人公が「そうね、私はあなたのものだわ」って返すと、彼はびっくりするんですよね。
それで、ああ、信じてなかったんだなあと思って切なくなりました。

他人が自分の意志でメヨーヨの傍にいてくれることが信じられない。
「他者から認められ、尊敬されている」自分を信じられない。
そんな経験がなかったし、そうしてくれるのは母エレノーラと弟オージェだけ、という
どこかでまだ無価値感だらけだった幼少期のメヨーヨのままなんだなあと。
しかも結局母は双子を騙す形で力比べで「敗北」してしまう。
だから疑心暗鬼になって、オージェ以外の全てを疑ってしまう。
メヨーヨは喪失が怖くて仕方がない。母を失ったときのトラウマが蘇るから。

頑張っても頑張ってもいつもどこか満たされない。
父王の視線を意識してしまうんですよね。
父王に認められたかった、という部分を受け入れて消化できないからいつまでも苦しい。
しかも最悪なことに、オージェはメヨーヨを煽るだけで安心させることはしない。

でも一応、最初はまっとうな手段で主人公を手に入れようとはするんですよね。
求婚したり、塔に通ってみたりとか。オージェの入れ知恵がなければ
ここまでひどいことにはならなかったんだろうなあ。

それにしても、ユリアンを廃嫡して狼と兎を皆殺しにして
ゾディバの抑制薬を発表しない、って辺りでもういい加減満足しとけよ。
でもメヨーヨは自分の中の悪意と戦ってるから終わりがない……。

主人公が急に正義感を発揮する動機は
生まれてきた意味を残したい、というものなんだけど
でもなあ……ここまで逃げて双子猫に戻って、自分なら
影響を与えられるかもしれないってそんな……無茶だろ……

アルルさん、かっこよさげに言ってるけど何気なく
俺の復讐のために一族がゾディバで全滅しても構わないって言ったぜ……?

しかも逃亡するときにユリアンを巻き込むとか最悪の選択ですよね。
アルルさん止めてやれよ。始末されるに決まってるのに……

それにしてもここで主人公が急に王国を救いたいとか言うんだけど、
主人公、塔から出たことなくてやっと出たら領民には酷い言葉浴びせられて、
ウェブリンを守りたい〜とか、あなたの知ってるウェブリンって塔と王宮だけだよね?
しかもここ数日でちょっと森とか歩いただけだよね?

国で誰か仲良しの人がいるわけでもないし、家族は没落して国外脱出してんのに
そこまでして王国を救いたいって思うものか? 納得いかない……
彼女にとってのウェブリンって何なのか?とどうしても思ってしまう。
この重要な部分をプレイヤーの選択に依存してるのが卑怯だと思います。

ユリアンが戻りたいっていうほうがまだ納得できる。
ていうか主人公は、自分のせいで家が潰れることになったわけだけど
それに対する罪悪感とか責任感みたいなものはないんだろうか。
ピンと来てなかったのかな。
顔も見たことないし触れ合ったこともないような国民を守るために家族捨てちゃうの?
命がけで救出に行ったネッソとザラの立場は? とか考えると、
すげー自分勝手な子になってしまうんですよね……
これで領民に慕われてて普段から交流があったならまだ分かるけど……
でも世間知らずのお姫様だから仕方がない。
彼女の善意が明後日の方向に行ってしまい、しかも報われないというのは
ご都合主義でなくて良かったかなと思います。

つーか、まあ、ユリアンが処分されるのは火を見るより明らかだったわけで
そこに考えが至らなかった主人公は、お姫様だからしょうがないのかもしんないけど
浅はかすぎるよなあ
そしてそんな甘い考えをしていた主人公を鞭打ちと焼き印と
徹底的に打ちのめす展開。
可哀相だけど自業自得なので何とも言えない……。
でも鞭打ちの跡と焼き印はもうちょっとイベントとして突っ込めたと思う。
焼き印を見るたびにニヤニヤしちゃうメヨーヨとかのイベントがあっても良かった。
どんだけ酷いかと思ってたけど、まだ乙女ゲーだから
描写が手加減されてるような印象を受けました。

118 「隻眼の白猫王」
割と容赦なくみんな死んじゃったよエンド。
でも手に入れた後はメヨーヨが優しくなって良かったね……
やっぱり、「自分の持ち物を奪われる」とメヨーヨはおかしくなってしまうんだろうな。
アルルに「恨んでなかった、尊敬していた」とか言われて
うっかり救われちゃったのかもしれないけど。
15禁の限界まで頑張ってメヨーヨの執着を表現した感じがしました。
でもこの展開なら18禁のほうが良かったんじゃ……
PSP版を見越して無理なのは分かるけどさ……

こう、仮にも乙女ゲームを名乗るのなら
その後の頑ななフィオナに辛抱強く接するメヨーヨに、
葛藤して苦しみながらもほだされてしまう、という部分を
重点的にやったほうがいいんじゃないかと思うよ。
それでこそ、前半の鞭打ちと焼き印とかの酷い仕打ちが際立つし、
そこが一番重要な部分だったのでは……?

112「新しい玩具をありがとう」
メヨーヨがオージェに始末されてしまう。
フィオナが妊娠し、出産したところでオージェに殺害されてエンド

「俺、やっと君のことが好きになれたよ」

ああ……うん……
オージェは確かにメヨーヨを煽ってたような感じあったから
分かるけど……このままオージェエンドかと思ったら、
そうですか……すごい病みっぷりだなあ……
オージェについてはまた別にやるけどこいつはメヨーヨより性質悪い……

『 TWIN GOOD END 』「美しい悪夢」
主人公の心が壊れてしまう。
これは仕方ない。よく頑張った、と思いました。
彼女はやるだけやったし、
箱庭の中で精一杯幸せを追い求めるのを誰も責められない。
このまま双子と仲良くやれればいいけど……と
子供達の将来が気に掛かりつつもこれはこれで良かったです。

『 TWIN BAD END 』「罰を」
主人公が何かに目覚めちゃった……
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