無頼伝 涯

  • 2013.05.14 Tuesday
  • 23:10
無頼伝 涯(1) (KCデラックス)


拍手で「無頼伝 涯」をおすすめくださった方、
ありがとうございました!
早速読んでみました。

自由とは何か、
自立とは何か、
人間とは何か、
人間の尊厳とは、
そして非行からの更生とは……と、

全体的にストレートに作者の主張が
伝わってきてとても面白かったです!
打ち切りだったようですが、
全五巻というのもちょうどいい長さでした。

冤罪を着せられた少年、涯が「人間学園」と呼ばれる
異常な矯正施設に送り込まれ、濡れ衣を晴らすため、
そして脱出するために奔走するというシンプルなストーリーです。

以下ネタバレ感想。
序盤で涯に「虫ケラにも明日はある」とのたまった刑事が
実は涯の言う通りクズまっしぐらの生活を送ってたり、
(同じ所を這いまわる虫ケラに明日なんてねえよ)とか
思ってるところなど福本作品らしいキレッキレな感じに
ぞくぞくしました。

無愛想で反抗期気味の涯ですが、
ランプの明かりで三国志を読み、
シャドーボクシングに余念がない
礼儀正しい少年なんですよ……!

大人顔負けの胆力と頭脳を持った涯ですが
彼は社会的にはどうあっても子ども。
独り立ちしたいのに社会が許さないジレンマと
焦燥感、苛立ちがそのまま少年の自立へと
繋がっていく過程がとても鮮やかだったと思います。

終盤で「俺は一人でやれる」と言っていた涯が
仲間を得て、協力して困難を乗り越えていくのも
成長を実感できて良かったです。
その仲間も、一見して弱そうに見えるのがいい。
涯や石原のようなキャラだけでなく、
気弱そうなキャラに助けられて学んでいくのがいいなと思いました。

自由とは孤独であること。
権力とは馴れ合いから発生するもの。
そうした一つ一つの主張がすんなりと理解しやすく
涯に共感しやすかった。

また、デフォルメされた分かりやすい「悪役」としての
「大人」像も、そのまま「社会の厳しさ」の象徴であり
読者にテーマを理解しやすくした感じがして好感が持てました。
そして大人全部を敵として描くのではなく
味方として安部刑事がいるのもバランスが良かったです。

犬部屋は衝撃的でした。
徹底的に打ちのめして自尊心を破壊し、
尊厳と引き換えに生存を許すことで
奴隷根性を植え付けて管理しやすくするという
分かりやすい調教方法は福本作品を読んでる感じがしました。
人間の尊厳と生存する権利は両立しないと錯覚させ、
叩きこんでいくところにぞわっとします。

ラストもすっきりしてて良かったです。
高校生のときに読むと得るものが多いと思います。
何度も読み返したくなる作品でした。
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