逆転裁判4 感想

  • 2014.06.07 Saturday
  • 20:33


逆転裁判123は当時、このソフトのためにGBA本体を買った
思い出深い作品だったのですが、
今までなんとなく逆転裁判4をプレイしてませんでした。

スタッフの力みが伝わってくる作品。
それだけに、ちょっと力みすぎたというか、
まじめに、真剣に作りすぎたのかなあと思いました。

そこらのゲームに比べれば抜群に面白いです。
逆転裁判シリーズに思い入れがない人はかなり楽しめるはず。
散りばめられた伏線を最後に怒涛の展開で回収し、
ちょっと社会派なテイストも交えつつ、熱いテーマ性も感じられます。
ただ、手堅く作ってるけど、全体的に軽やかさがない。全然ふざけてない。

シリーズから格段に減ったのは、「遊び心」「爽快感」です。

キャラクターもオドロキくんに協力的な善人が多くて、
それが爽快感や達成感が激減した理由だと思います。
だから悪いということではないのかもしれないけど、
逆転裁判シリーズでその方向転換は求められてなかった。

4はシリーズに比べて、「科学捜査」とか、「見抜く」とか
顔相認識技術もありますし、むしろ現実に近付いた感じがしました。
トリックや探偵パートは突飛だけど、それはシリーズずっとそうだし。

以下ネタバレ感想。
なるほどくん
なるほどくんの変貌ぶりは、彼にとってそれだけ弁護士バッジが
心の支えになっていたのだと思えば、やさぐれた感じも
諧謔味が増して私は興味深く感じました。
今までなるほどくんは色々辛いこともあったけど、
千尋さんを喪っても、恋人に裏切られても、
なにがあっても「自分は弁護士である」という誇りだけは失わなかった。
なるほどくんにとっては、それが最大の心の支えだった。すべてだった。

それが、4では敵にハメられて弁護士バッジを失い、
彼はアイデンティティを喪失してしまった。
今まではなにが起ころうと、なんだかんだ他人事でしたからね。
こういう言い方も酷いかもしれませんが、なるほどくんは
どんな目にあっても、最後は「弁護士バッジ」に縋ることができた。
だからあれこそがなるほどくんにとって真の挫折だったのだなと思えば
やさぐれ振りはむしろ魅力が増したように思えたし、そこから
執念の7年を賭けて復讐を果たしたところは良かった。

ただ、プレイヤーとしては、なるほどくんの転落ぶりと豹変を見せられたのなら
その衝撃を上回る笑い、達成感、爽快感がなければいけなかったのですが
本作はそれが中途半端というか、不発に終わっています。
シナリオはすごく練りに練られててこなれてる感じがするので、
あまりこき下ろしたくないのですが爽快感や笑いとは無縁のシナリオです。
衝撃を引きずったままずっと真顔でプレイ。
多分、色々と理屈をこねても結局はこれが問題なんだと思います。

あと、探偵パートでのちょっとした遊び心が
すべて消えてしまったことと、会話でのかけあいで笑えるところが
ほぼなかった。そういう、裁判や事件とは関係ない部分での
やり取りが可笑しくて、そうしたユーモアセンスも逆転裁判の
大きな魅力だったのですが、それもなくなっているので、
結果としてプレイヤーはなるほどくんショックから回復できないまま
期待する爽快感も得られず、もやもやするラストを迎えることになります。
多分、合間の会話がもっと面白ければこれほど酷評にはならなかったと思う。
そもそも勾玉とか霊媒とか、これまで充分に強引なトリックや捜査を
やってきてるんだから、クスクス笑える会話と検事と向き合う緊張感、
そこからの証拠を突きつけて立場が逆転する爽快感があれば、
屈指の名作になったのではないかと思うと残念です。

メイスンシステムとか、試みはとてもおもしろいし、
過去と現代が入り乱れるところはわくわくしましたけど、うーーーーん。
せっかく裁判員制度でエンディングを選べるのに、エンディングが
そっけなく、どう考えてもバッドエンドな感じも頂けなかった。

あと……キャラクターが全体的に薄味になったのは否めないです。
なんか、記号に依存してるんですよね。
「パンツ」とか、「極道」とか「ラーメン屋」とか。
その記号が持つ面白さに頼ってる感じがします。
シリーズの矢張とか、みっちゃんとか、イトノコ刑事とか、
おばちゃんのような強烈な人間性を感じられるキャラクターは正直いなかった……


オドロキくん
アイデンティティが発声練習とツノしかない気の毒な主人公。
オドロキくんという人間ではなく、物語の登場人物として
都合良く消費されてしまった感じがしました……
彼の口癖や思考がなるほどくんと被ってることも大きいです。


みぬきちゃん
身振り手振りは抜群にカワイイです。でもそれだけ。
真宵ちゃんに比べてしまうと、どうにも優等生すぎて……
特に7年振りに会った父親が別人として、しかも殺されてるのに
ほぼ無反応。一応、影で泣いてたっぽい描写が一瞬だけ
出てきますが、なんだかなあ……彼女の心はかなり歪な
負荷がかかってるんじゃないかと思うと心配です。
なるほどくんはそんな繊細に気を回せるほうじゃないと思うのですが……


牙琉響也(弟)
これは良い弟。あまりにも普通の爽やかイケメンで、これまた優等生です。
彼を爽やかイケメンにしたのは、兄の凶悪さを前に二人で立ち向かう構図に
したかったからだと思いますが、残念ながら兄のうっかり振りがひどくて
なんとも中途半端なことに……彼は真実のためなら仲間も兄も
普通に糾弾するので、検事をやり込めた爽快感や、
手強い検事への緊張感のようなものは一切感じられません。
「エアギター」「バンドマン」という記号に頼りきりで、彼が
どんなときに怒ったり泣いたり苦しんだりするのかがよく分からなかった。
唯一考えられるのが証拠品のねつ造、つまり不正への怒りですが、
それもまた出来が良すぎる。優等生なんですよね、彼。
エスカレーター式にトントン拍子になにもかもがうまくいきすぎていて、
それが却って面白味がなくなっちゃったのかなあと思いました。
過去編での生意気な17歳検事ぶりは可愛かったので、
あの調子でなるほどくんに対抗意識燃やして食らいついてくる展開のほうが
もっと彼の人となりが見えてきたような気がします。無理な話ではありますが。


牙琉霧人(兄)
なかなか面白くなりそうな可能性は見えますが、
マニキュアを塗っているという特徴を、性格や人間性に
うまくつなげられていない感じがしました。
どういうことかというと、爪の先まで気を遣う人の割には、
絵瀬親子へのずさんな対応や、有間敷ザックへの犯行の場当たり的な適当さ、
第一話のここぞという場面でオドロキくんを使ってなるほどくんに
付け入る隙を与えて自分の首を絞めてしまうドジっ子ぶり、
どう考えても見られたらヤバい手紙を隠さず、処分せずに
テーブルにこれ見よがしに放置など枚挙に暇がありません。
そういうおバカさんなところが、ラスボスなのに恐ろしさを半減させてしまって
彼を追い詰める段階になるともうネタばらしするだけなので
これまたうっかり本心を言葉にして自滅するところとか、
全然、潔癖であるとか、神経が細かい人であるとか、
悪魔的な雰囲気や凄みのある人(絵瀬まこと談)とか、そういう感じがしない。

小手先の技に頼る臆病な見栄っ張りなんだな、という印象です。
その上、うっかり者ときた……

もうちょっと彼の冷酷なところや、計算高い部分を見せてくれないと
やり込めたにしても、達成感がなんか中途半端で消化不良でした。


ラミロアさん
盲目なんですよね? 最後のシーンでは目が見えるようになったんですかね?
声を聞いて判断したとか?
なんで彼女がボルジニアなんて訳の分からない国に流れ着いたのか
不可解でした。父親が弟子を強請るために逃したとか?
だって普通、記憶がない状態で単独で飛行機のチケット買って
飛行機に乗ってボルジニアに行こう!ってならないですよね? お金は?
別にボルジニアが故郷ってわけでもないし、
オドロキくんを引き取らなかった理由も謎だし、
ちょっと都合が良すぎる存在だなあと思いました。
だって、父親が亡くなってるならオドロキくんは
祖父母か孤児院に育てられたと考えられますが、
ラミロアさんが強い意志を見せれば
親権はラミロアさんのものになりますよね、普通は。
独り身で一座に帰ってきたのは、独身の身軽さを得たかったからじゃないかと
思うと、すんごい微妙な気持ちです。
それでラストに親っぽいこと言われてもさあ……
オドロキくんは相当苦労してきたと思うよ……師匠もアレだしさあ……
あと、マキさんはどうなるんでしょうか?
マキが犯罪を犯したのは、彼女の目の手術のためなのでは……
全体的にもやっとする人でした。


バランさん
溢れ出る小物臭が半端ないです。あれだけ意味深に出てきたのに……


ザックさん
無理やり良い方向に解釈しようとして、イカサマサカイを殴って気絶させたのは
彼女が真犯人を目撃して始末されないように庇った、という理屈を
つけようとしたのですが、なら最初から雇わなければ良かった話でした。
ザックさん、いくらむかついても人をビンで殴るのはどうかと思います。死ぬよ。
ハミガキさんを五発殴ったり、カッとなりやすい性格なのかもしれませんが
雇う弁護士をポーカーで値踏みする用心深さや、
七年間痕跡を残さないで潜伏生活を送ってきたわりには、
出てきてからうっかりしすぎなような。
彼が最初からあそこで死ぬつもりだったのなら分からなくもないですが……


ハミガキさん
気持ち悪かったです。


宝月茜刑事
イトノコさんに比べるとどうにもパンチが弱い。
響也さんとのコンビはカワイイなと思いましたが、
なるほどくん大好きであまりに協力的なので張り合いがなかったです。
科学捜査は面白かったです。


パンツの学生さん
名前忘れました。ファタモルのライターさんの気配がしました。
※根拠のない妄想です

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