参千世界遊戯-Multi Universe Myself- 感想

  • 2014.08.01 Friday
  • 11:31
参千世界遊戯-Multi Universe Myself-参千世界遊戯-Multi Universe Myself-

18禁乙女、Neo Heroic Opera ADV。
パッケージを見て分かる通り、ヒロインであるトモエ・ナカハラさんの
強さ、格好良さ、セクシーさを愛でるゲームです。
攻略対象は生真面目系、ワイルド系、年下系の3名。兄貴はおまけです。

舞台は近未来、主人公はバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)であり、
日本刀を振り回すれっきとした戦える主人公です。
ばっさばっさと敵を斬り倒し、豪快でさっぱりとした性格の武闘派。
敵を殺すことでウジウジ悩むようなことはなく、実力があって強いです。
ケーキ好きなところも愛嬌があって非常に好感が持てました。

シナリオは基本的に事件が発生し、それを攻略対象と追い、解決していく形です。
ルートによってまったく異なる展開で、黒幕も違うので飽きません。
アクション豊富ですが心情描写も丁寧で、きちんと恋愛をしています。
惜しむらくは、濡れ場がやや淡白です。回数は1ルートにつき1回。
あまりぶっとんだプレイもないので、濡れ場に期待してる方は肩透かしを食らいます。
多分、ライターさんが濡れ場にあまり興味がないだろうと思うのですが、
せっかくの女傑な主人公なんだからもうちょっとひねってほしかった。

ただ、お話は矛盾もなく堅実にまとまっているのですが、戦闘が連続する割には
全体的にこじんまりした印象を受けます。
並行世界とかSFな世界観で、凶悪な敵もいて、なのに何故か予定調和的。
パラレルワールドという題材で、ADVなのに表現が映画的だったのは残念。
ガッチガチに固められた一本道で、選択肢で無限の可能性の広がりを
感じられませんでした。それこそADVの得意分野だろうに……何故……。

帯に短したすきに長し。
恋愛ゲームだと思うと描写、キャラの掘り下げ不足、濡れ場不足が気になり、
アクションADVだと思うと戦闘がそれほど熱くない。
どちらもそこそこ描けているので、こき下ろすほどほどではありませんが、
無難にまとまっているともいえます。

バッドエンドは豊富ですが、ほとんどがあっさり死亡バッドエンドです。
恋愛に力を入れているのなら、すれ違ったまま気まずく別れるエンドとか、
切ないエンドとか、死別エンドとか、情感たっぷりに描いてくれても良かった気がします。
でも、そのおかげで攻略は楽です。

もう一点、重箱の隅をつつくような細かいことだとは分かっていますが、
「であれば」の多用と難しい漢字が散見されたのは気になりました。
難しい漢字が味、というより、「なんでここで?」というときにぽろっと
出るから余計に気になったのかもしれません。
難しい漢字が世界観に合わないし、使うのか使わないのかどっちかにしてほしいかな……。

いろいろとぐだぐだ言いましたが、トモエさんが大好きで、
彼女はみずからの道を切り拓いていける強くて格好いい女性なので
とても楽しめました。トモエを愛でるゲームだと思えば満足できるはず。
だからこそもったいないと思ってしまうのです……。

グラフィックは背景美術が素晴らしくキレイです。
つい惚れ惚れと眺めてしまいました。特にトモエの部屋は可愛くて良いですね。
立ち絵もキレイです。

ボイスはすんごく聞きづらい。トモエさんの声はよく通って聴きやすいのですが
BGMで攻略対象の声が軒並みかき消されますのでコンフィグで設定をいじる必要があります。
あと、左右のイヤホンからそれぞれの声が聞こえる形式は凝ってますが、
それも聞きづらさの要因のひとつだったのは残念。
音楽はあまり印象に残っていませんが、ここぞという場面で
パッヘルベルのカノンを流したセンスはいかがなものかと思いました。

以下ネタバレ感想。
プレイ順です。

誠士郎
一番恋愛してたルートでした。誠士郎とトモエのすれ違い、揺れ動く心が
よく描かれてて良かった。濡れ場も、後から見れば最も艶っぽかったです。
トモエが誠士郎に惚れていく描写が比較的丁寧だったと思います。
なにげにオライオンが大活躍。
トモエを口説くオライオンに銃を突きつけるシーンがお気に入り。


オライオン
銃火器の説明と傭兵派遣会社がどうこう、軍事情勢がどうこう。
オライオンのトラウマ払拭ルートだったのがちょっと残念でした。
そういう、よその乙女ゲーで腐るほど見かける展開は
このゲームには望んでなかったかな……。
見た目は好みだったのですが、濡れ場も普通で……
ただ、エロ本を見つけてからのやるやらないの駆け引きは
ドキドキして良かったです。心の弱さをさらけ出すよりは、
色めいた雰囲気でごまかすほうを選ぶオライオンの弱さが
伺えて味わい深かった。あとトモエさんが超格好良かった。
でも、オライオンがロケットランチャーで豪快に
トラウマを払拭してきたのは良かった。
ただ、エンディングのウェディングドレスが、なんか、
女はどこまでも女の業から逃れられないのかと呪縛を感じてしまって
暗澹たる気持ちになってしまいました。分かってる、考えすぎだってことは。


フェリクス
小生意気な年下と反発しながら惹かれ合うシナリオを想定していたら
フェリクスが素直系でこれはこれでおいしくいただきましたもぐもぐ。
お話としてもフェリクスが一番面白かったです。
復讐相手に自分と近いものを感じてしまうフェリクス、
その黒幕が辿った末路に、みずから手を下せなかった歯がゆさを覚えつつ
彼の終わりがフェリクス自身の未来を暗示しているようでもあり、
虚しさと悔しさに歯噛みするラストシーンは良かった。
あとヴィヴィアンヌとレオンの初々しい恋もカワイイ。
静と桜山さんの聡明さも際立ってて純粋に楽しいルートでした。
ラファエルはアレなキャラだったけど、思ったより大団円でほっとしました。
恋愛面では、まっすぐなフェリクスのアプローチがくすぐったくも
かわいくて良かったです。
あと、フェリクスルートはフェリクス死亡バッドエンドがなにげに好き。
復讐を遂げられなかったトモエがフェリクスに力を貸すことで間接的に
自分の復讐を果たそうとしていたところでフェリクスを死なせてしまい、
そのフェリクスを殺した相手へ復讐するという止まらない負の連鎖にぞくぞくしました。
パラレルワールドのどっかに飛ばされるエンドはあっさりしてて、
もっと描いて欲しかったなーと思いました。
でも、フェリクスルートの誠士郎は良い味出してて良かった。
フェリクスについてトモエと大人のやり取りを楽しめるところは
誠士郎が大人の男性であると感じられて、魅力にあふれてたと思います。


ライコウ

きっ……

キモイ……

ライコウはフェリクスルートの派生ですが、ただただ、キモイ。

ライコウはトモエを好きなわけではなく、自分と血がつながった妹が好きで、
トモエを好きな俺が大好きタイプの人でした。
ただ、トモエと子を生すことにこだわる割には、
トモエが処女じゃないことをスルーするところは引っかかりました。
まあ、妹が好きな上に処女厨とかキモイ要素が追加されるだけなんですが……
回想シーンとかでここぞとばかりに妹への恋慕を描けそうなもんなのに
まったくないのも気になった。吾妻によって侵食されたライコウが
吾妻の静への執着によって利用されていた、というからくりは面白かった。
静との友情も良かったです。
トゥルーエンドもいいけど、トモエがみずからの命を犠牲にするエンドが好き。
死を以ってライコウと永遠の断絶を手に入れたトモエと、
抜け殻を持って果てへ行ったことで永遠に吾妻の呪いを聞くことになるであろう
ライコウ。皮肉な結末が印象的でした。
アペンドディスクの追加エンドはなんだったのか。
ライコウに救いを持たせようとしたのかもしれないけど、こいつにそんなもんいらん。
恋のために世界を壊す、というテーマはロマンチックではあるけど
そのストーリーラインにこだわりすぎてる気がしました。
ライコウはもうちょっと練れたんじゃないだろうか……
吾妻に操られてたことといい、親のいうこと真に受けてたことといい、
トモエの意志を一度も確認しなかったことといい、
ライコウさんって単純で自分のことしか考えてない人ですよね。
対する吾妻さんは静に嫌われずに合法的に静を犯す方策を考えるうちに
宇宙壊す計画立てるなんて、お前そんなに拒絶されて傷つくのが怖いのか……
愛のために世界を壊すとかカッコつけてそれとか……
なに、生まれたての子鹿でも気取ってんの?
騙されないからな……お前らただナイーブなだけなんだからな……
ライコウさんもライコウさんでトモエに告白する勇気が出ないからって
宇宙を壊す装置を作るなんて、こいつらは揃って天才なのかバカなのか分からない。
いや、これはバカなんだな。
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