遙かなる時空の中で4 忍人感想

  • 2014.12.13 Saturday
  • 14:54
遙かなる時空の中で4 愛蔵版


忍人さんの感想です。

個人的にはすごく好きだけど、これ、ぶっ叩かれても仕方ねーわ……
そして知れば知るほど「中つ国なんて滅びたほうがいいのでは」としか思えない。

以下ネタバレ感想。
葛城 忍人
「死にゆくさだめにある人」の物語。

自分は忍人ルート、とても美しい物語ですごく好きです。
「死は美しき乙女の姿で舞い降りる」という「死と乙女」のモチーフ、
戦うことで運命をねじ伏せ、願いを叶えてきた忍人さんの因果と業、
七章の夜空のイベント、そしてエンディングの儚くも美しい様子。
どれもとても好きです。気合の入り方が他のルートと違ってビビります。

忍人さん、序盤で「そんなに簡単に人を信じるとは」と千尋をなじるんですけど、
「いつも臣下を疑うような主君を戴きたいなんて難儀な野郎だな」と思ってたら
彼には彼なりの理由があったのですね。
そこから祭りの夜のイベント、名前呼びイベントは可愛くて萌えました。
単独行動を取った忍人を叱って、主君として認められるイベントも良かった。

術に守られたムドガラ将軍を前に破魂刀を使い、死の運命を変えた忍人。
ああやって強引なやり方でこれまで生き抜いてきたんだろうなと
感じさせて、そこからの七章の夜空のイベントは美しくてとても好きです。
最初、千尋に命令させて無理やり破魂刀を奪ったのですが、
それは忍人さんにとって「死ね」って言われるのと変わりないのですよね。
戦うことでしか生きられない人なんだから。
刀を置いていく様子は切なくて悲しくて、でも千尋の気持ちもよくわかる。

たとえ「葛城忍人」の誇りと心が死んでも、体だけでも生きることを望むのか、
それとも忍人さんの満足いくまで生きて死ぬのが良いのか。
生きるとはどういうことなのか。
象徴的なイベントでした。

また、その後の忍人さんに破魂刀を使わないようにお願いしたときの
夜空のスチルがびっくりするくらい美しくて、でもその笑顔の上で
星が落ちるのが……
死の気配を漂わせながらもとても綺麗で心を掴まれました。
序盤でアシュヴィンがリブと一緒に、レヴァンタ退治に中つ国に来た時に流星を見て
「不吉だわ」「気にしない気にしない」みたいな会話もあって、伏線が丁寧でしたね。

そしてそこからの、忍人さんのあの一言が。
「俺は、君のために生きてみたい」
下手な口説きよりずっと殺し文句だなと思ってのたうちまわりました。
忍人にとって千尋が「お飾りの姫」ではなく「主君」でもなく、「愛する人」に変わった瞬間。
「千尋」個人に向けられた言葉だからこそ意味がある。
「中つ国のために」じゃないですからね。「君のために」ですから。

彼が千尋を王族として扱っているときは「二の姫」「我が王」と呼びます。
つまり忍人さんが忠誠のために誓っているのなら
「二の姫/我が王のために生きよう」がふさわしい。
生きてみたい、なんて個人的な願望を差し挟む余地はないわけです。
忍人さんは臣下で、主君に誓うわけなんだから。適当なことは言えません。
将軍職を解かれた命令をされたときの振る舞いですね。

でも、「君のために生きてみたい」なんですよ。忍人さんの希望なんです。
「生きる」でも「生きよう」でも「生きたい」でもなく、
「生きてみたい」なのが、その儚さにぐっと来ました。
不確かなことを軽々しく口にしない生真面目な忍人さんらしい。

中つ国復興のため、一体なんでそこまで中つ国にこだわってるのかも
分からないけど、その悲願のために魂を削るようにして生きてきた忍人。
他のキャラではなく、他ならぬ忍人さんだからこそあのセリフはぐっと来ました。
千尋が忍人さんに強く言えなかった気持ちがよく分かります。
死をまとわせた人間はどうしてああも美しいのか。

その後、できるだけ千尋の誓いを守って
プレイヤーに希望を抱かせながらもあのエンディング。
死ぬことは知っていましたが、これはプレイヤー阿鼻叫喚だなと思いながらも
仕方がないと思いました。

と、いうのも、忍人さんは破魂刀を手にしたときに既に
生きながら黄泉平坂に迷い込むぐらい死に近い状態で、
恐らくあのときに破魂刀を手にしなかったら、遠からず死んでいた可能性が
高いのではないかなと思います。
黄泉平坂ってそんなフランクに迷い込める場所じゃないと思うので。
で、何故忍人さんが今まで生きてこれたかっていうと、死地を何度も
破魂刀で脱してきたからで、他の兵士の魂を砕いて生きながらえてきて、
悪魔的な形ではあるけど、破魂刀に生かされてきたといえます。

終盤、破魂刀が生太刀になりますけど、そのおかげで忍人さんは
戴冠式まで生き長らえたと解釈しました。
大体、あんな三下相手にあれだけ手こずってる時点で、
たとえ戴冠式で戦闘を避けたとしても近い将来、
命を落としていただろうな……と思える。

忍人さんの死に様がはっとするほど美しくて、印象深いです。
希望に満ちた詔を聞きながら、満足して信念をまっとうした姿はとても美しかったです。

なにより千尋が、忍人さんにとって「死の運命に導く女」でしかありえないのが
個人的にとてもぐっと来ました。

千尋が忍人さんに死をもたらす存在だと忍人さんは気づいていながら、
千尋を愛することを止められないのも。

忍人さんは戦うことこそが誇りであり、生きる道で、
でも千尋を愛するほどに生きたいという気持ちが強まり、
生きようともがくほど忍人さんの闘争心に火がつき、
襲いかかる死の運命をねじ伏せるために
破魂刀を使うことをためらわなくなり、
そして破魂刀を使うほど忍人さんは死に近づく……という無常。

千尋のために生きたいという想いが、忍人さんを死の運命に引き寄せる。

お互いに生きたいと望んでいるのに、千尋を想うほどに
忍人さんが転がり落ちるように死に吸い寄せられる姿は
悲しくも美しかったです。
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