下天の華 羽柴秀吉 徳川家康 感想

  • 2015.03.16 Monday
  • 20:44
下天の華


評判通り、とても丁寧に作られた優秀な作品です。
フルボイスで、細かい分岐が多いのですがすべてボイスが付いています。
声優さんも有名な方ばかりなので演技も素晴らしい。

グラフィックも圧巻。
流れる雲や水面のきらめき、射しこむ陽光、揺れる蝋燭の炎と
自然の流れが動きで表現され、背景の美しさが情緒的でとても良い。

主人公は変化が得意なくのいち、ほたる。このほたるちゃんがとてもかわいい。
ほたるちゃんはとても真面目で、頭も良く有能なのですが
決して媚びてるわけではないのに甘さゆえ妙に隙があって、
男心をくすぐるのがよく伝わってきます。
忍びとしてどうなのかというところですが本作は乙女ゲーですので
この甘さがとても良い方向に働きます。

また、シナリオは日本語が美しくて読みやすく、非常に洗練されています。
構成も良く、史実をうまく絡めつつ、きちんと乙女ゲーです。
戦乱の世もびっくりのあまあまなところはありますが、
うまくシナリオの整合性が取れているので苛立つこともなく
読後感も爽やかで、とても良かったです。
短いと聞いていましたが思ったほどではなく、その分、
すっきりまとまっていて冗長にならず、飽きさせません。

以下ネタバレ感想。
羽柴 秀吉
気を張っているのに隙だらけのほたるちゃんと軽薄そうでいてどこか隙がない秀吉。
この二人のやり取りは可愛かったです。
ほたるちゃんが秀吉の物言いについツッコミにまわったり、呆れたりしながら
徐々に惹かれていく様子が丁寧でした。

女房たちといい、秀吉は普段から気さくで明るいキャラで通っているから
みんな秀吉が好きではあるけど、そこまで真剣に向き合っていない。
それは他ならぬ秀吉が望んでいないから。
相手を油断させて情報を引き出すのが秀吉のやり方だから、
変に警戒されないよう、明るく楽しい会話をして場を盛り上げようとする。
それはつまり当たり障りない、その場限りの適当な会話でもあるのですね。
秀吉のいいところは、ちゃんと相手を見ていて、思いやった上で、
相手を気遣わせないようにするために明るく振る舞えるところです。

でもほたるちゃんは根が真面目で、誠実だから、
秀吉に対しても丁寧に接しているんですよね。
丁寧というのは礼儀正しさという意味だけではなく、
つまり、コミュニケーションをおろそかにしていない。
相手がなにを考えているのか、どんな気持ちでいるのか、
くだらない言葉の数々からも一応見つけようとする姿勢というか。
大半がふざけてるのでほたるちゃんも呆れるけれど、狡猾さがないので
秀吉を出し抜こうとしたり必要以上に騙したり、利用しようとせず
割と素のまま秀吉に向き合っているところが良かったです。
いくらでも女の色香を使って秀吉を利用できる立場なのにね。
そして秀吉も恐らく、そう仕向けてほたるちゃんの腹の底を
見極めようとしたはずなんですよ。でもほたるちゃんはやらない。
彼女は情報を集めようとはするけど、陰険ではない。
ほたるちゃんを探っていたつもりが、彼女のまっすぐな心に触れるうちに
秀吉が好きになっていくのもよく分かりました。

秀吉が何故ほたるちゃんを様子見する気になったのか、
過去も絡めてとても説得力のあるシナリオでした。
彼が諜報めいたことをしていたからこそ、ほたるちゃんの情に流されやすいところが
すごく危なっかしく見えて、放っておけないんだというのが伝わってきて良かった。

最初は早々に疑念を晴らして進めたのですが、疑念ありバージョンも良いですね。
お互いに探りあいながらも気持ちが動いてしまうのがよく分かります。
終盤では変化も存分に活かしたほたるちゃんの有能ぶりが光って
気持ちの良い話でした。

あと、「誘惑」コマンドがカワイイ。「押し倒す」で
「押し倒されてもいいけど、まさか倒しただけで終わりだと思ってないよな?」
とか言ってやんわり警戒を促す秀吉さんが男前すぎて惚れたし
ほたるちゃんを大切にしようとしてるのが伝わってきて、
加えてすごすご引き下がっちゃうほたるちゃんが可愛すぎる。
ほたるちゃんの初心なところ超カワイイ。


徳川 家康

なんというか、家康ルートはあまりに微笑ましくて

J( 'ー`)し

プレイ中ずっとこんな顔してました。

いやあ、かわいいですね。ほのぼのカップル。
女性が苦手な家康のために、律儀に通っちゃうほたるちゃんがカワイイ。
まるで人慣れしていない野良猫を根気強く手懐けるようです。
しかも小鳥「さん」ですからね。ほたるちゃんが小鳥さんウフフとか言ってたら
はっ倒されそうですが家康さんは許される空気ありますよ。

家康の良さはほたるちゃんだけでなく小鳥だろうが地蔵だろうが
自分の家臣だろうが、平等に優しいというところです。
本当にすごく優しくて、家康は生まれた時代を間違えたような気もしつつ
しっかり強いのもまた乙女心を抑えてるというか……
けど、ここまで優しい領主さまだと、家臣が手を汚してでも
陰鬱な現実を隠しちゃいそうだな、などと無粋なことも考えてしまう。
でも家康はどうせ殺すなら一息で、という思いきりもある。
どうでもいいときも相手の立場に立って考えちゃうんだろうなこの人。
そんで身動きが取れなくなっちゃう。
確かにそれだと君主としてはどうかとなりますが、ちゃんとこのルートで
成長していき、立派になっていく姿には目頭が熱くなります。

最初は質問に答えてもくれないのに、懐いてきたらいろいろと
話してくれたり、家康のほうから近寄ってきたりしてかわいいです。
しかもシナリオ的には、懐いてきた頃合いに信長暗殺の命を下されるから
余計にすれ違い感が出て、話が盛り上がってよかった。
「誘惑」コマンドでなにをするかと思えば寄り添うだけとか
うれしはずかしな初々しい雰囲気がくすぐったくて萌える。

シナリオは、物事を多面的に見ることの重要性が語られていて良かったです。
毒が薬にもなるように、人を守るための嘘もある。

家康は「女性」という大きな枠で相手をひとくくりにして
苦手にしていたけど、ほたるちゃんとの交流を通して
女性といっても気質は人によって違うことを学び、ほたるちゃんに惹かれていく。
序盤ではほたるちゃんを前にして黙ってるだけなのですが、
多分、家康なりにいろいろ考えたり内心焦ったりしてるんですよね。
それを嫌な顔ひとつせず待ち続け、まめに通うほたるちゃん……いい娘や……
でも家康の清廉さに触れれば触れるほど、血なまぐさい忍びの任務に
心を曇らせ、苦悩するほたるちゃんがいじらしかった。

終盤、ほたるちゃんが忍びだということをばらして
家康はショックを受けるのですが、「傷つけることを言いそう」とは
言いながらも、結局ひどい言葉を投げつけたりはしないのが家康らしい。
そして、平静を取り戻した後にはほたるちゃんの心もちゃんと思いやれる、
そういう家康の優しさがぶれず、最後まで光り輝いていました。
家康の優しさは保身によるものだけじゃないと感じさせられたのと、
ちゃんと成長してるのが見えてカーチャン胸が熱くなったよ……

エンディングは凛々しいところを見せてくれてよかったです。
相手の顔色を伺うだけじゃなくて、最善を尽くすために
意志を貫き通す強さを得られたのは、家康の優しさを
より深みのあるものにしてくれると思いました。
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