下天の華 百地尚光 森蘭丸 織田信長 感想

  • 2015.03.19 Thursday
  • 22:10
下天の華


師匠と森蘭丸、織田信長の感想です。

以下ネタバレ感想。
百地尚光
長い間ずっと離れていた師匠の影を追いかけるほたるちゃんがいじらしいルート。
百地との回想はどれも微笑ましいもので、なんだかんだ師匠、
すごくほたるちゃんをかわいがってるのが伝わってきました。
「甘ったれ」と散々言われるのですがほたるちゃんがここまで純粋培養で
育っちゃったのはほぼ師匠のせい。
だってもう師匠本人がほたるちゃんとの別れが辛いあまりに、
きちんと別れも告げずに黙って去っていくというぐだぐだぶり。ダメじゃん。
いやもうね、信行との出逢いからしてあまあまじゃないですか。
「甘ったれ」とかどの口が言うかって感じですよ。
彼は性根からして寂しい奴に弱い、情が深いタイプなんだろう。
自分の中にある寂しさを、寂しい奴に引き出されちゃって共鳴するというか。
忍びだからそれを無理やり押さえつけていただけであって。

ほたるちゃんがこれまで純粋な気持ちを失わずにいられたのは
結局、周りが守ってきたからなのですよね。烈火と時雨のドライな感じ見てると特に、
ほたるちゃんは守られて生きてきたんだなあと思います。
具体的には、里一番の忍びで、血統的にもエリートな百地の愛弟子である
ほたるちゃんの身に、百地の留守中なにかあったら申し訳が立たないと
長老が気遣ったのではないかと邪推してしまう。
いやー、だって居所までは分からなくても百地が誰付きになっているかは
長老だって間違いなくわかってるだろ……織田信行の子飼いの忍びだってことぐらいは。

経歴から見て大抜擢ともいえる重要任務にあまあまなほたるちゃんを放り込んだのは
変化が得意というのもあるだろうけど、そこに師匠がいるからってのも
見越したのではないかと……いやまあ、考えるだけ野暮なのですが。

あれこれ言いながら師匠はほたるちゃんのフォローしまくってました。
忍びとしてはアレですが、成長して美しくなったほたるちゃんに
内心うろたえてるのが見て取れる師匠が微笑ましいので許すよ……

このルートでは信長もかっこよかったです。
特に良かったのはエンディング。ほたるちゃんが信長に励まされて
師匠を追いかけて追いかけてついに師匠が降参した姿には
ニヤニヤしてしまいました。


森蘭丸

似た者同士の真面目カップル。甘酸っぱい。
糖度たっぷりの甘く切ないお話に動揺してしまい
ほたるちゃんと蘭丸が輝いててもう直視できないレベルです。
見てるほうが恥ずかしい。ちょくちょく茶々を入れる秀吉と
「分かったからさっさと抱擁でも交わせ」な信長様に
深く頷かずにはいられません。でもすごく萌えたんだ……
なんかもうすごく、青春だった。
いやホント、あまりの恥ずかしさにPSPの電源を何度か落とした。意味もなく。
とはいえ本人たちはすごく真面目なのです。至って真面目。
明らかに惹かれ合ってるのにどちらも鈍いから周囲がダメージを食らいます。

蘭丸はまっすぐだからえらい分かりやすいのですよね。
でもそのひたむきさこそが輝くシナリオで素晴らしかった……
ほたるちゃんに転がり落ちるように恋に落ちる姿が可愛くてのう……
秀吉に対抗心燃やしてる姿にはニヤニヤが止まらぬ。
「誘惑」の反応も可愛かった。

信長のために死ぬ覚悟を決めてる蘭丸が、忠誠の意味を
見つめ直すシナリオでもありとても良かったです。
そもそも下々の者に意志なんて求められていない時代。
そこで、意志をもって誰かに生きて仕えること、
善悪の判断をみずから下すことなど蘭丸には思いもよらなかった。
でも信長はそういう忠臣こそを求めています。
だって言われたことをやるだけの人は、信長には腐るほどいるわけですからね。
ネタばらしされて怒りもしないのは蘭丸の生真面目さが出て良かったです。

お役目のために意志を抑えつけ、心を殺しながら深く悩み苦しむ
ほたるちゃんを通して、しかも自分の意に反する命令によって
死を受け入れる姿を見て蘭丸が意志をもって、生きることの重要性に気づいて、
信長から庇ってくれるシーンは熱かった。
命令を受けて苦悩するほたるちゃんを川に連れてってくれるところはもう、
その後の展開も相まって見てるほうがのたうち回りました。
あそこはスチルもいい……蘭丸は照れ顔がとても良いですね。破壊力がすごい。
あのイベントがあるからこそ信長との対峙が光るしかけが絶妙です。
もうネタバレしてるから信長の目論見はわかってるんですが
それでもぐわっと盛り上がりました。
それにしてもこの二人、多分マジで夜を徹して話だけして、
距離を置いて生真面目に寝たのだろうと思うと
翌朝の秀吉・家康から受けた誤解が面白すぎる。
エンディングの七介姿でのほたるちゃんのいたずらも可愛かったです。


織田信長

天下人に存分に愛される状況に酔いしれるルート。
「余を暇つぶしの相手に選ぶとは、貴様は大物だな」には笑った。まったくだ。
でもほたるちゃんが良い意味で信長に遠慮しないからうれしいんですよねこれ。
普通、信長を前にしたらみんな恐れ多くなっちゃうし。蘭丸は真面目くんだし。
こういう、普通の人みたいなノリで、目的もなくただ会いに来てくれて
お喋りしたり、恐縮せず有難がったりしすぎず普通におやつ食べたりしてくれる人って、
実は誰もいなかったのだろうなと思います。
そういうの大事だよね。しかもほたるちゃんは可愛いし、頭も良いし、
変に世俗に染まってないから偏見もなく素直だし。信長さんもそりゃウキウキするよな。
恐らく織田信長を訪ねる人はみんな見返りを求めてたり下心があったり
恐怖してたり仕事であったりとさまざま。
その中で名目上とはいえ暇つぶしのため、ただ顔を見に来る
ほたるちゃんが可愛くなるのは分かります。
一応お役目ではあるけど、ほたるちゃんって純粋だから顔に全部出るし。
情報を引き出そうとしても信長って肝心なことは
うまくはぐらかしてなにも言わないんですよね。

私が俺様男を嫌うのは器や中身がまったく伴ってない上
性欲処理ができるママを求めてるくせに偉ぶるから(#^ω^)ビキビキするのであって
信長さまは大人の色気があり、器の大きさを感じさせ、鋭いので格好良かったです。
まさに制作陣が総力を上げてみんなの理想とする織田信長を描いてるんですから
アホみたいに格好良い。完璧超人です。これぞ二次元の醍醐味。
身も心も委ねちゃいたくなる感じいいですねいいですね。
制作陣が織田信長を描くにあたって、度量の広さをきちんと表現してくれたことと
声優さんの軽やかでありながらどこか色気のある声が素晴らしい。

信長ルートは萌えというよりも、ロマンを感じました。
夢を与えて人の胸を熱くするような、この人の力になりたいと思わせる
信長の魅力をこれでもかと描いたシナリオで、本能寺でのラストといい、
制作陣の信長への愛を感じます。史実エピソードもばっちりです。

信長は、彼を愛することに理屈がいらないところが良いですね。
ただ信長が信長であることを愛すれば良いと思わせてくれるような。
あと信長さま、蘭丸ルートで言うだけあってもうすげえストレートです。
でも思わせ振りなことを言ってほたるちゃんの本音を引き出そうとしてみたり
言いかけて止めては反応を伺ってみたりと微妙〜に駆け引きしてるのも良い。
「誘惑」でほたるちゃんに甘えられて喜びを隠し切れないところも可愛い。
とはいっても、天下人なのでものすごい自信です。
でも信長が自信をもって断じるのは彼に確信がある上、
ほたるちゃんが散々通いつめた後なのでぐうの音も出ない。
ほたるちゃんは分かりやすいからこそ信長は安らぐんだろうなと思いました。

本能寺では、早い段階で死の覚悟を決めてしまう姿がもの悲しく、
でもあそこスチルがすごくキレイで、ドラマティックで良かった。
あそこは、生きることを投げたのではなく、信長さんは最初から
いつ死んでも後悔のないように生きていたのだろうと思いました。
敦盛を好むエピソードからしても、生の儚さを受け入れた上で、
恐らく、一瞬たりとも生きることに手を抜いていない。
だから瞬時に覚悟が決まるのですよね。いつも死を想って生きてるから。
とはいえネオロマなので無事にハッピーエンド、蘭丸さんも
気を利かせることを覚えて万々歳で、すっきり爽やかなエンディングでした。
勘の良さもあって終盤の怒涛の展開は、ほたるちゃんどころか
プレイヤーまでも「信長がいれば大丈夫だわ」と安心させる余裕ぶり。さすがです。

余談ですが、光秀が「いい加減かわいそうになってきた」と言ったところでは
「この人にも人並みに情があったんだな」と妙に感動してしまった。
コメント
お盆明けのデパートの書店のゲーム攻略本コーナーを何気なく覗いたら犬まゆ最新刊があるではありませんか!ゲームの神様有難う!石塚先生はゲーム黎明期から新作までやりこんでおられるのが凄い。下天の華は信長の野望30周年記念作品だそうで。ネオなロマンスが日本史最大のクーデターをねじふせましたよ?
石塚先生は百地尚光がお気に入り。
9月発売予定の商業様作品、全く更新情報が無いんですけど、もう延期はして欲しくない!
  • nobara
  • 2015/08/20 9:37 PM
再レスすみません。俺様男に対する考察に心から同意いたします!
われらが信長様は器も中身も完璧だい!歴史にifはつきものですが信長様が
天下統一を成し遂げて長生きしてたら日本の歴史は全く変わっていましたよね。あの絢爛豪華な安土城といい先進的な頭脳といい本当に惜しい方でした。歴史小説でも信長様の時代のものが一番好きなんです。「信長の棺」
「下天は夢か」大好きです。
  • nobara
  • 2015/08/21 12:45 AM
9月発売のBL作品だと「GALTIA」がマスターアップしたようですよ!
Twitterから確認できます。
乙女ゲームならレンドフルールとか華アワセとかいろいろ出てるのですが、
BL作品だと貴重ですよね。
信長様はかっこいいですね!どこで運命が変わるかわからないものです。
「信長の棺」は私も読了したのですが、信長様への夢と敬愛にあふれた
ロマンな作品でしたね!「下天は夢か」も、機会があれば読んでみたいです。
  • 大樹@管理人
  • 2015/08/21 2:01 PM
GALTIAのサイト確認しました。教えて下さってありがとうございます。一挙にギャラリーに絵も追加されて華やか。
マスターアップしたらもう延期は無いですもんね。ワクワク。
  • nobara
  • 2015/08/21 6:14 PM
いえいえ、お役に立てたならなによりです。
楽しみですね!
  • 大樹@管理人
  • 2015/08/23 1:15 AM
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