遙かなる時空の中で6 萩尾九段 本条政虎感想

  • 2015.04.11 Saturday
  • 16:43
遙かなる時空の中で6


萩尾九段、本条政虎の感想です。

以下ネタバレ感想。
萩尾九段
梓ちゃんがマジでイケメンだわ……。
本編で梓ちゃんが惹かれていた理由としても挙げられますが、
九段は使命のためにまっすぐ行動していくところがとても良いですね。
根が素直な人なのでやることなすこと正攻法ど真ん中を狙っていきます。
正攻法っていうのは王道、定石に従うということですから理解も得られやすいですし、
後ろ盾や立場があるとやはり強い。
精鋭分隊の設立に伴いちゃっかり相談役にまで収まっているのも
なかなかやり手で好きです。いくら白龍の神子に八葉がいても
黒龍の神子を合わせて11人で帝国を救うとなると戦力に心許ないのは確か。
不測の事態が起こることも考えて帝国軍に直談判して準備を怠らないあたり大変好ましい。
そのおかげで、実際に千代も梓も助かってますし。
まあ、広告塔として利用されるというおまけ付きですが
そこは必要経費というか、ある程度は織り込み済みなのかな。
九段のいいところは、帝国軍はあくまでも神子を守るためのもので
別に帝国軍に縛られたりはしないところですね。
役職をもらっても彼の使命は神子に仕えて神子を護ること。
帝国軍は軒先と手駒を借りているだけという意識が強く、
だから神子が四神の結界を解きたいといっても、難色を示したのは
神子を心配していたからで別に帝国軍のためではないし、
なにがあっても最終的に神子の意志を尊重してくれる部分がいい。
そこが一ミクロンもぶれないところが好きです。

シナリオとしても、そんな正攻法だけではうまくいかないままならさ、
現実の歯がゆさが描かれていて見応えがあり満足できました。

全体的に見ても、
奇策にばかりこだわるから理解を得られず思うように動けない鬼側、
かたや正攻法だけで勝負しては体制側に取り込まれてしまう軍側と
バランスが良いシナリオ構成だと思います。
黒龍の神子である梓ちゃんは奇策(鬼側)→正攻法(帝国軍)→奇策&正攻法と
二通りのやり方で生きる陣営を経験してから、
最終的に臨機応変に二つのやり方を組み合わせて事件を解決するのも良い。

また、設定補完ルートでもあり気になっていた千代の恋も
無事に叶っていたようで安心しました。

恋を知らない九段が、梓に懐いていく様子がすごーく分かりやすくて
微笑ましい。ときめいたのはドレス姿を見たときの反応です。
言葉で伝えられないからと態度で示そうとするところに心動かされました。
クライマックスも、ちゃんと腕輪が役割を果たしただけでなく
星の一族の能力がない状態で九段らしい打開策を打ち出そうとするのが熱い。
あと一緒に現代に来てくれるのがすごくうれしいですね。

九段はすごく優しくて、その優しさに裏を感じないところが良いです。
神子を心から心配して想っているから、純粋に、ただ優しくできる。
言葉にすると簡単なようで、利害を感じさせずに優しくするって難しい。
他キャラルートでも九段には心癒されましたし、梓が軍人には言えないことも
九段にだけは打ち明けるのも頷けます。
恋をしてなくても神子の気持ちに寄り添って腕輪を作ってくれたりとか
本当にありがたい人でした。
あと、恋をしてても千代を忘れず、千代のために行動できるところも魅力です。
梓と千代と九段のほのぼのしたやり取りに和やかな気持ちになりました。

あとは画伯だったり甘いものに目がなかったり花火にはしゃいだりと
意志は強いのに妙に無邪気でかわいいところもあってほのぼのしました。
お約束ですが、酔っぱらいに絡まれたときの、
あくまでも礼儀正しく穏便に済ませてくれるんだけど
冷ややかで毅然としている姿にはきゅんとします。
それなのに仲直りの仕方は分からないんだから、このアンバランスさがたまらぬ。


本条政虎
思った以上に良い話で、感動しました。

純粋無垢で、人のために自分を省みずに行動する優しさがある梓ちゃんと、
世慣れていて世の中は何事もギブ&テイクがモットーの虎の対比が良かったです。

虎はリアリストなところが良いですね。
自分に責任が取れる範囲と、そうでないものと
かなり厳密に線を引いているところが好印象でした。
だから最初のうち誰彼構わず人を助けようとする梓には手厳しい。
虎の言うこともよく分かります。
だって梓ちゃんは力もないのに、責任が取れないことに手を出して、
最終的に誰かに尻ぬぐいをさせてるわけです。
それにちゃんと怒ってくれるのは、虎が、梓を意志のある人間として扱ってるからです。
「黒龍の神子」だから、「女」だからと甘やかさない。
そういうところ、とても良いなと思いました。
あと、「かわいそう」と哀れみを受けていちいちキレたりしないのも印象的でした。
彼は自分の境遇を、というか自分自身を100%受け入れて肯定している。
価値判断基準を他人に置いていないから、他人からの評価を
まったく気にしていないんですよね。
自分のことは誰よりも自分がよく分かっているし、自信がある。
だから哀れみを受けても気にならない。
その哀れみが虎の価値を損なうことはないし、本人もそれを知っている。
そういうところが大人だなあと思えました。

そうしていろいろあってから虎が初めてやさしい笑顔を見せたときの感動は
完全に梓ちゃんとシンクロしていた。

父親の死の真相はなかなか重たくて、しかし、こういうどうしようもなさが
現実でもあるわけで……虎は幼い頃からずっと苦労を強いられてきて、
おまけに父はお人好しのせいで命も名誉も失ったのだから、
虎がそれを反面教師にして生きるのはよく分かります。

なにも悪い結果を生み出さずに、利害を気にせず、
ただ誰かを助けるって、そもそもとても難しいことです。見返りを求めないなら尚更。
相手が精神的にも物理的にも助けてもらう準備を整えているかどうかも分からないし、
助けたことが余計なお節介となる可能性だって少なくありません。

だけど、それでも助ける。
感謝されないかもしれないし、苦い結果に終わるかもしれない。
助けたことで損をする場合もあるかもしれない。
それでも梓ちゃんは人を助け続けます。例え自分が死にかけても、どれだけ損をしても。
梓ちゃんは利害を考えて動かない。そこで誰かが困っているから。助ける理由はそれだけです。

それは果たして愚かな行いなのか?と自覚なく態度で虎に問い続けるような梓ちゃんに
「世間知らず」と冷ややかだった虎が、父を思わせる彼女のやさしい心に触れて
だんだん「本物の善人」だと認めていく展開がとても良かった。
「本物の善人」は我が身を省みずに人を助けてしまう。
その功罪も、弱さも当然、虎は知っている。
知った上で、理屈じゃなくそれでもその博愛を尊いものだと思った虎が
自分を守らない梓を守る決意を固めるのには胸が熱くなった。
梓に惹かれるごとに死んだ父へのわだかまりが消えていくのも心揺さぶられました。

そんな彼女を放っておけなくなり、ついには梓のためにヒーローになる展開が熱い。
告白も、実に虎らしい告白でした。
なんのてらいもなく梓の世界に行く決意をしっかり固めてるのもぐっときた。
彼にとって「契約」はとても重いものなのでしょうね。
おそらくは「約束」よりも。
それは、虎がなにも信じられずに生きてきたときから「契約」だけは
きっちり守ってきて、そのおかげで食いつないできたから。
「契約する」といってその契約を違えたら報酬がもらえません。
裏の世界でも裏の世界なりの決まり事があるでしょうから、
契約違反は死活問題だと思われます。
だからこそ虎はなにがあっても「契約」だけは守ってきた。

誰も信じられずに生きてきた虎が唯一信じられるもの、
それが自分自身です。たとえなにがあっても自分は自分を裏切らない。
だから虎はすべて「自分」を基点に判断を下します。
相手にとって耳障りの良い言葉を使う人ではないからこそ、
虎にとって意味のある言葉を使ってきたのがとてもいいなあ。

いや、しかし、梓ちゃんめちゃくちゃ可愛いですね。
卵焼きの解説を始めたときも笑ったけど、後からそのイベントが
大きな意味をもつのもきゅんとしました。

川で溺れた梓を助けた時のスチルとか好きです。
あのシーンで自嘲してる虎が、惚れた弱み感が出ててとても萌えた。
途方に暮れた顔してる虎と、ひらひらのスカートがかわいい。
親切に旅館まで連れていった挙句なにもしなかったんだから
もう本当にかわいくてかわいくて仕方ないんだろうな。
虎が梓の寝顔を見ながらなにを思ったのか考えると悶えます。
あとその後の、虎が梓へ本気になったから「お礼はいらない」と
言い出したときに、「お礼のキスは?」を選んだ時の
長考の中で好感度が小刻みに上がるシーンすごくいい。すごく萌えた。
あのときの虎の中の思考の変遷が伝わってきました。
クライマックスでの医者との再会も、感慨深いものがあります。

鬼側のメンツへの別れの言葉もとても虎らしくて、
エンディングも幸せいっぱいでにこにこしてしまいました。

虎は鬼側にいたときよりも、帝国軍側にいったときから
話が動き出すのが印象的でした。
借金返済のときの本気で心配してる感じの村雨さんにも笑った。
あれもう、恋愛どうこうじゃなく良心をもつ人間として心配してることが
ひしひしと伝わってきて、うん、でもすごく分かる。心配にもなるわ。
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