遙かなる時空の中で6 有馬一 コハク感想

  • 2015.04.13 Monday
  • 17:16
遙かなる時空の中で6


有馬一、コハクの感想です。

以下ネタバレ感想。
有馬一

青龍はどいつもこいつもさあ……聞けよ人の話……

神子の意志を確認せずに自分が正義だと思ったことを
最善だと信じて突っ走る姿勢がそっくりで笑ってしまった。
ダリウスさんも有馬さんも亭主関白タイプなのか……。
梓ちゃんが見た目だけはいかにも紳士然としたダリウスさんに
憧れの気持ちをもつのもよく分かるけど、
生真面目で硬派な有馬さんに想いを寄せる図も青春を感じさせます。

愛宕山の件で情け容赦ない追求をしてくるところが
筋を通さないと気が済まない責任感の強い気性を思わせて良いです。
わざわざ屯所にまで連れて行って謝らせてるけど、
よく考えたらそうしないと悪口を言われて立場が悪くなるのは梓ちゃんです。
ぱっと謝って早い段階でわだかまりを解くのが彼女のためでもあります。
有馬さんだけのフォローじゃ限界があるのも分かる。

モテるのにあれだけ鈍感なのは、この人、無意識のうちに
「女性に特にやさしくない自分がモテるはずはない」みたいな強い思い込みがありそう。
彼の中で秋兵がモテ男ジャパンに殿堂入りしてそう。
でも、私の中で秋兵さんって「距離を取るのがうまそうな人」というイメージがあります。

さすがに生真面目な軍人さんだけあって「これいつデレるんだ」と思ってたら、
二人で呪いを解くという大きなイベントがあって
有馬さんが梓を想うようになることに説得力がありました。
このイベントがあるからこそ、終盤であれだけ熱く梓を助けようとする姿が輝きますね。
本人は顔に出さないようにしてますけどループ50回は
さすがに精神的な疲労も溜まってたと思われます。

有馬は照れ顔の立ち絵が可愛いです。顔見えないのが。
エンディングの告白シーンは拗ねる梓ちゃんと
おたおたする有馬さんが面白いし萌えるしでお気に入りです。

勲章を渡したのは、有馬さんなりの最大級の賛辞だったのが伝わってきて微笑ましい。
梓を爽やかに見送る、という決意をやり遂げたところに好感をもちました。
みんなの前であれだけはっきり告白をしておきながら
ホームシックにかかった梓をきちんと覚えていて、
それが本人のためだと信じて思いやるあまり、
梓には恋心をおくびにも出さないところにときめきます。
それが完全なる一人よがりになってしまってるのも
また有馬さんらしく、不憫で良い。とても好きな告白シーンでした。


コハク
本人のはつらつとした明るさとは裏腹に、なんとも切ない話でした。

コハクは人懐っこいのでみんなに好かれていたのが印象的。
八葉の中で、最も憎まれていない人なんじゃないだろうか。

派手な着物と髪型からなんとなく察せられるものはありますが、
ずっと気になっていたのが、彼の二人称が「あなた」だったことです。
17歳で、「君」でも「お前」でも「あんた」でもなく、
神子の存在も知らないのに同じ年頃の女の子をてらいもなく「女神様」と呼べる。
彼が女神様と呼ぶのは、見ず知らずの記憶喪失者に優しくしたことを恩義に感じたからで
神子であることと関係ないのが良いですね。
あの、梓には実権はないにも関わらずなんとなく支配者であるダリウスに
優遇されている……というか、甘やかされているのを
本能的に読み取った上で、相手が興味をもった瞬間に
即座に交換条件をちらつかせる感じが人懐っこくてしたたかで、
すごく彼の、過酷な半生を感じさせました。
誰が最もその場で影響力をもつのか知るのって、
コハクみたいな境遇の子にとっては死活問題です。
コハクが館の主人であるダリウスへ第一に恩義を感じるのではなく、
神子とはいえ立場は居候である梓に恩義を感じるのがとてもいい。
それは、ダリウスがコハクを受け入れたのは目論見があるからだけど、
梓がコハクを受け入れようとしたのは純粋な優しさで、
裏がないというのを瞬時に察しているのですよね。
彼にとって、ただ優しくされる、というのは得がたいことだった。
ダリウスに感謝してないわけではなく、ダリウスみたいに
なにか見返りを求めるのが普通だから。

女性を自分よりも上の立場に置くことに慣れている感じが
コハクの生まれと矛盾がなくて良い。「梓さん」呼びもかわいい。
ルードも「梓さん」呼びなんですけどコハクが呼ぶと
すごくかわいく聞こえるのってやっぱり人徳なんでしょうか。

コハクはどれだけ梓と仲良くなっても、どこかで梓を
「自分とは住む世界の違う人」だと考えているのです。
だからなにを置いても梓の気持ちを考えて行動し、
絶対に自分の望みを押し付けないところが歯がゆかった。
告白ですら、コハクは想いを告げるだけでなにも求めていない。
恋人になれる望みがあるとすら思っていません。
出逢ったときはすぐに食と住をねだることができたのに、
うまく甘えて自分の要求を通す術を知っているのにそれをしない。
恋となると恋人になって共に生きる可能性を最初から排除しているのですね。
梓ちゃんはみんなの女神様で、いずれ元の世界に戻ると分かっているから。
コハクにとっては天女への恋に近い。
大切だから想いを利用しようとしない姿勢が、なんとも切ないです。

梓ちゃんが、どう見てもやばそうな現実を前にして、それでも、
コハクの笑顔が数少ない幸福によるものだと信じるのがぐっときます。
その笑顔が空元気でなく、卑屈さも感じられないから、
誰かに愛されたから得られた笑顔だと、これも本能的に感じている。
甘えたりおねだりしてなにかを得られる可能性があると信じられるのって、
実際に甘えて報酬を得られて、その手立てが有効だと感じた経験がないとできない。
言っても助けてもらえるはずがないと絶望していると
最初からそんなことは言わない。期待もしない。
あまりに悪意にばかりさらされていると人の善意を信じられなくなるから。
あと、誰も突っ込まなかったですけど、コハクの着ていた
「流行りの着物」は誰かに譲られた可能性が高いです。
コハクの性格からして女の人から着物を剥ぎとったとも考えにくい。
恐らくコハクなら追い剥ぎをするより、初対面のときと
同じように甘えて慈悲を乞うたほうが勝算は高いです。
さらに、変装のために盗んだにしても、コハクぐらいの年格好の男の子が
羽織るには派手すぎる着物で、しかも彼は逃亡していた。
ならば、最初から着ていたもので、自分で女物の着物を買うとは考えづらいから
流行を過ぎた着物を下げ渡された、つまりもらい物であると思うのが妥当でしょう。
梓ちゃんは、きっと言語化できないんだろうけど、
そういうさまざまな要素から結論を出したのだろうなと感じます。

あと、たびたび出てくる「ゴンドラの唄」が
二人の恋の儚さを一層引き立ててとても良かった。
「記憶」というテーマが密接に絡んだ話で
エンディングは切なくもこれからの可能性が感じられました。
記憶がないなら、これからたくさん二人の思い出を作っていけばいい。
過去の記憶で心をなぐさめながら孤独に生きるのを良しとせず、
記憶を失っても共に生きて新たな記憶を作っていく、という
辛いことがあるからこそ幸福がより輝き、
闇夜に瞬く星に希望を見るような、そんな幸福を心の支えにして生きてきた
コハクらしいエンディングで、二人の絆を見た想いになれました。
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