絶対階級学園 真相ルート 感想

  • 2015.06.25 Thursday
  • 04:37
絶対階級学園~Eden with roses and phantasm~


というわけで、絶対階級学園、おしまいです。
終わってしまえばのたうちまわったのも良い思い出。
今後の作品にも期待大です。

この作品は本編が石ころ&薔薇ルートで
真相ルートはおまけ、ぐらいの気持ちで臨んでいたので
思ったよりしっかり真相ルートも描かれていて、それぞれ最大限に
キャラごとに内容を差別化しようと努力したのが伝わってきました。

バッドエンドを回収してフルコンプしたい方は計画的に、
真相ハッピーエンドをすべて終える前に
ぐるぐる回っといたほうが良いと思います。
イージーモードはちゃんと活用しましょう。

以下ネタバレ感想。
題材が題材な上によりによってあのろくでもない悲恋な「ハムレット」を
モチーフにしちゃってるルートがあるので、
精神的にキツイ部分はあったものの楽しめました。

正直、鏑木さんのクライマックス付近にはちょっとずっこけてしまったのですが、
うん、まあ……汚いところは都合良くマリアが全部被ってくれたということで……
しかし「マリア」なんてわかりやすい名前なら、
電子手帳を適当にいじってるだけでも解除できそうだなと思ってしまいました。
私がネリちゃんの立場なら、命名辞典かなんかもってきて
あの電子手帳に思いつく限りの名前を入れますね。
「もうひとりの自分」というからには人名だろうし。
まあ、こんなの重箱の隅をつつくような野暮なことですね。

鏑木さんがアレなのはとにかく、金を生み出すったって
ブランド物の仕入れとか店員教師の給与とかで
いくら経費かかってんだよと思うと無駄な気もしますが、
多分、鏑木は暇だったんでしょうね。うん。

いろいろ言いましたが、とてもおもしろかったです。
少なくとも下手な乙女ゲーのオチに比べたら格段に出来が良いです。

七瀬十矢
いかにもヒーロー!って感じでした。十矢くんはやっぱり映えますね。
「許し」を学んだことがいかんなく発揮されてなによりでした。
しかし正直、レジスタンスの面々がボスの女の護衛を
命じられて腐る気持ちはよく分かるし、公私混同は良くない。
まあ、どのルートでもレジスタンスの人たちは暴走するのですが。
……いや、十矢くんが嫌いなのではなく、出来も良くて内容に満足したので
あまり書くことがありません。エンディングスチル良かったです。


加地壱波
正直、彼の過去が一番突き刺さった。
そして、やってることは相当アレなのに、とうとう嫌いになれなかった。
そうか……お前……。そうか……、そうか……。
あまりにリアルな人物像で、おののきました。

だってこれまで乙女ゲーで遊び人キャラといえば、モブの女の子には
テキトーなのに主人公にはちょっとやさしくしてやっただけで
なぜかいきなり永遠の愛を誓い出す誠実で紳士的な男に早変わりする、
大いなる矛盾を含んだ、この世に存在しないファンタジーキャラが
当たり前で、様式美だと思ってたので、盲点でした。
こんなにガチで勝負してくると思ってなかった。

そうか……。お前がこれまで女の子を手ひどく振ってきたのは、
母親と同じような「女」に復讐するためだったのか……そうか……
振り方の作法もなにもないです。
壱波くん、彼が女の子を弄んでいたのは、遊ぶのが目的だったのではないのです。
すべては、「女」を傷つけることこそが、彼の真の目的だった。
しかも無意識に、壱波くんはずっと、家族を捨てた「女」である母への復讐として
「男」である自分に簡単になびいてくる女の子を切り捨てていたのですね。
そう考えると薔薇ルートでの彼の態度の変化がすごくよく分かります。
そして、なぜ壱波くんが「亡霊によって復讐へと駆り立てられるハムレット」の
役割を背負っていたのかも……
壱波くんは母への憎悪から妹を見殺しにする羽目になりますが、
しかし、本人は自分を責めてるけど、正直壱波くんが妹を救おうとしても
助からなかったのではないかと思います。
食べ物を買う金もない、貧しくて幼い兄妹が、医者にかかれるとは、とても……。
妹がそのときに助かったところで次は鏑木の魔の手にかかるわけだし……。
しかし、理屈じゃないんですよね。「見殺しにしよう」と思って、
それを実行してしまったのが……それほどまでに、壱波くんは母の仕打ちに
深く深く傷ついていたのだと思うと、胸が痛い。
壱波くんにとって、母への憎悪は呪いに近い。
親への憎悪は本人がよほど意志を強くもって断ち切らないと、
めぐり合わせが悪ければ生涯に渡って悩まされる羽目に陥るので、
ネリちゃんが家族を捨てない女であると、世の中には誠実な女もいると
高校生のときに知ることができたのは良かったのかな。
この呪いを自力で、理屈だけで乗り越えるには、
それこそ死に物狂いで自分と戦う努力をしなければいけないので、
やっぱり私には、壱波くんの弱さを責める気にはなれませんでした。
だってルートに入ってない壱波くんは、真相ルート後も絶対に呪い解けてないもん。
間違いなくほかの女の子にも同じことをする。
いつか、ネリちゃんなみの女の子が現れるまで。


鷹嶺陸
階級制度を利用した鏑木が悪いに決まってるのに、自分のせいだと
気に病んでしまうところが彼の人の好さを表していますね。
そこで責任転嫁しないのは、とても立派なことだったと思うよ、陸さん。
幼い陸さんが命の値段を語るシーンは、子どもの口から出るには
あまりにも悲しい言葉で、しかしそれは真実でもあって、
切ない気持ちになりました。
陸さんは良い教師になりそうな気がします。
なんとなく、「先生」って呼ばれて面倒を見る職業が
彼の性格にも合ってる気がする。


鷺ノ宮レイ
お前は、だから「鷺ノ宮」だったのか……
ずっと引っかかってたんですよねこの苗字。
鏑木も本当に悪趣味というか……
幼いショウを統合するシーンでは不覚にも泣きました。
もう、ショウがあまりにも可哀想で。彼の苦労を思うとほんともう……
だって結局、研究所から逃げるなんて最も大変な部分も
ぜんぶショウがやったじゃないですか……?
だけど、統合した後のレイさんがショウっぽさを出してるのを見て
これが一番、ショウにとって良かったのかなとも思いました。
大団円ルートで、ほかの攻略キャラも出るしエド先生も
面目躍如だし、見応えがありました。
エンディングではせっかくの美形を全力で棒に振るような
理系青年っぷりが全開になってて微笑ましい。
十矢くんと共闘する展開は熱くて、とても良かったです。


五十嵐ハル
ハルくんは、画家の父に関するエピソードがエンディングで
回収されたのがぐっと来ました。
ハルくんルートは力のない二人が精一杯に支え合って、
協力して一生懸命に立ち向かっていく姿が好きだな。
ハルくんにとってネリちゃんが必要で、
ネリちゃんもハルくんのおかげで勇気を出せる、
お互いがいるからくじけずにいられるところが描かれていて心打たれました。
ハルくんはしっかりしてるので、真相後も一人で
なんとかやっていけそうだし、父の真実にも辿り着けそうな気もするけど、
やっぱりハルくんには幸せになってほしいので
ネリちゃんと新しい、幸福な家族を作ってもらいたいものです。
全体的にも夜中に部屋を訪ねてくるイベントとか、
医務室でいちゃつくイベントとか可愛くて満足しました。
声優さんのちょっとした物言いや声もハルくんの可愛さを
引き立てていたし、とても良かったです。

これまでずっと「オフィーリア」を背負っていたハルくんが
父の絵を見ることでその呪縛から解き放たれ、
ただのハルくんに戻れたシーンは物語としても美しい。
コメント
乙女ゲーは良作、佳作が次々と出るのにBLゲーはタイトルだけ発表されて延期の嵐。今年中に新作が出ますように。
この作品は伏線の回収が見事でした。そして学園長は真性の屑。
壱波がミソジニーに囚われた過去の出来事は「誰も知らない」という映画みたいでしたね。過去から解き放たれて幸せな大人になって欲しい、そして彼らの子供世代は負の連鎖から自由になってほしい。
  • nobara
  • 2015/06/25 2:00 PM
ボブゲ界は本当に閑散としてますよね……本当に寂しい限りです。
新作、出るといいですね!
学園長はどうしようもない男でしたね…!
映画「誰も知らない」、確かにそんな感じでした。
さんざん苦労したんだから、せめてのびのびと生きてほしいところです。
  • 大樹@管理人
  • 2015/06/25 9:23 PM
先日、絶対階級学園を全クリアしました。
階級による酸いも甘いも描き切っていて
とても楽しくプレイできました。
オススメ下さってありがとうございました!
私は暗く痛々しい話も好きなので、薔薇ハッピーEDも楽しくプレイできました。

レイ様と付き合うことになって、レイ様のような完璧な人と付き合って自分は釣り合わないんじゃないかと
思わないのかな、と思ったらまさしくそういった話で、
このルートでの三宮摩耶子さんの直接なにかしてくるわけではないのにじわじわと追い詰めていく感じが凄くリアルで
ライターさんの筆力を感じました。
大樹さんがレビューでも書かれていましたが、
世話係を解任したときに陸さんが「じゃあ俺の世話係にする」と言ったときにレイ様が一瞬イラっとした表情をするのが、文章だけでなく演出で凄く怒っているのが表現されていて、
ゲームの特性が良く生かされていて良かったと思いました。

ハル君は媚びたり卑屈になったりしない、
階級を意に返さないところが上の階級を余計にイライラさせて
絡まれているように見えました。
でもそこがハル君の安定しているところで、
階級によって態度を変えないハル君は恋人だと精神的にとても頼もしい感じがして、そこがハル君の魅力のように感じました。
人物画は相手を愛していないと描けないとお父さんに言われ、
そうしていたハル君が黒い絵の下に実はネリちゃんを描いていた、というのがとても切なく、胸に迫ってくるものがありました。

不評な壱波君ですが、私はどうしても彼が嫌いになれません。
私も彼のように弱くて、自己保身に走りがちだからです。
身につまされる思いでした……。
絶対階級学園はリアルな人物描写をされていますが、
壱波君の現実に居そう感が凄かったです。

萌花ちゃんも階級によって態度を変えますが、
ネリちゃんが石ころになったときに陰で優しく
(学園祭でやることないなら雑用押し付けられないように合唱やらないか等、ケガをしたときに心配したり)してくれてどうしても嫌いになれず……。
むしろ気持ちは分かるので、表立っては優しくできないけど、
なんだかんだで心配してくれたりするので、
萌花ちゃんとネリちゃんが仲良くしているのが好きでした。

絶対階級学園はもし自分が同じ立場になったら……と考えさせられますね。
私は多分萌花ちゃんタイプじゃないかな……と思っています。
立場がどうであれ、相手を思いやって行動できれば良いのですが自信がないです。

色々考えさせられてとても面白かったです!
オススメ下さってありがとうございました!
  • 如月睦月
  • 2017/09/12 11:18 PM
こんにちは!返信が遅れてしまって申し訳ありません。
そして絶対階級学園クリア、おめでとうございます!
楽しめたようで安心しました。
独特の雰囲気があるので、馴染めたようで良かったです。
石ころエンドと薔薇エンドは絶対階級学園ならではの魅力がありましたね。

レイさんは薔薇エンドの悲哀が味わい深くて、感想を拝見していて共感できました。
三宮さんのあのじわじわ来る感じ、プレイ中も怖くてガクブルしたのを思い出します。
演出も良かったです。

ハルくんはあの異常な状況下でフラットな目線を失わずにいたのがすごいところですね。
全体的にハルくんの絵で心情を表すなど、感性に響いてくる展開が多かった気がします。
二人で助け合って生きていくような関係性が印象的でした。

壱波くんは、敢えて乙女ゲーム的ヒーロー像を崩しに来たのかもしれません。
それでもなお壱波くんを好きでいられるかどうか、愛を試されてるような印象を受けました。
階級への恐れとプライドの狭間で揺れ動き、情が芽生えれば捨てきれなくて、
でも保身も考えてしまって……と、割り切れないキャラがいたのは、人間的で、
この作品ならではの攻略対象だと思いました。

萌花は、彼女の立場に立って彼女の気持ちを思いやれるかどうかで
受ける印象が大きく変わるキャラかもしれません。
階級に飲み込まれてしまいながらも、ネリちゃんを気にかける様子を見せるので、
どうにも憎めない子だったと思います。
彼女もまた、生き残りに必死でもありますし。

>絶対階級学園はもし自分が同じ立場になったら……と考えさせられますね。
分かります!そういう想像をしてしまうゲームで、そこが面白かったですね。
英雄的な行動を取れれば素晴らしいことですが、皆がそこまで強いわけでもないですし、
そうした人間的な弱さを肯定するゲームでもあったと思います。

コメントいただきまして、ありがとうございました!
こちらこそ、プレイしてくださって嬉しかったです。
  • 大樹@管理人
  • 2017/09/18 7:46 PM
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