SWEET CLOWN 〜午前三時のオカシな道化師〜 密原 感想

  • 2015.10.21 Wednesday
  • 02:37
PSVita SWEET CLOWN 〜午前三時のオカシな道化師〜


大正×対称アリスが「王子様を救うおとぎ話」であるならば、
SWEET CLOWN 〜午前三時のオカシな道化師〜は
王子様を作るおとぎ話」といったところでしょうか。

それぞれの制作陣が飲み会でもしてるときに話が盛り上がって
対として企画を立ち上げたのかな、というぐらい
舞台設定、シナリオなど細かなキーワード、テーマ性などが似通っています。

愛欲によって攻略対象を刺激し、
相手に気に入られる「好感度」を高めれば深愛エンド、
逆に主人公が攻略対象に欲望を抱き「欲望度」を高めると歪愛エンドへ。

あまり二次元について感想を言うときに精神生理学などを用いすぎるのは
自分でもどうかと思い、できれば控えたいのですが、スイクラは世界観、攻略対象、
シナリオからして精神生理学をかなり強く意識しているように感じられます。
ですので、精神生理学にもとづいていろいろ書いてみようと思います。

はっきり言うと、主人公の柘榴ちゃんには、
作中で うつ病の症状が出ている と思いました。

続きからはプロローグと共通ルートなどからかいま見える世界観、
そして主人公の柘榴ちゃんについてなど、いろいろ書いています。
密原の感想はおまけ程度になるかもしれません。
この時点で「なに言ってんだコイツ」と思う方は回れ右推奨。

ところで、現時点での私の本命はダントツで真井さんです。

あと、柘榴ちゃんが涙ぐんでるときなどに、立ち絵などが
ぼやけて見える演出はとても良かったです。

※10/22追記:言葉が足りない部分を補足しました。

以下ネタバレ感想。
ひょっとしたらこれらのことは、この先、
作中で解説されるのかもしれませんが……

===

大前提として、うつ病とは、脳内神経伝達物質の伝達異常による精神疾患です。
脳内伝達物質とはアドレナリン、セロトニン、ドーパミンなどを指します。
それぞれの特性については後述します。

主人公である樫野(=「お菓子」を暗喩?)柘榴ちゃんは、開始時点で
双子の弟に対して強い罪悪感をもっており、また、
クランとラズに感受性の欠如(=人に共感できない)を指摘されています。

朝を忌避する気持ちはうつ病の症状にありますし、
夜が続く/お菓子の過剰な摂取によってうつ気味になることは、
れっきとした科学的根拠があります。後述します。

悪魔スイートクラウンは柘榴ちゃんだけでなく、うつ気味なところのある
他の攻略対象をオフレンダにすることでうつ状態へと加速させ、
判断力を奪うことが目的であるようです。

ちなみに「オフレンダ」とは、メキシコで死者の日に飾られる
死者の祭壇を意味します。

さらに柘榴ちゃんの挙動から見られるうつ病の症状っぽい部分を
ちょっと列挙してみます。

・「明日(朝)なんて来なければいい」という願い(日内変動)
・「どこかに閉じこもりたい」という願い
・ずっと気分が沈んでいる(抑うつ)
・強い罪責感(過剰に自分を責める、理由もなく申し訳ないと感じる)
・他人や異性を始め、物事(おしゃれも含)に興味が湧かない
・慢性的な不安
・決断力の低下(優柔不断)
・虚無感、何をしていても虚しさがある
・絶望感
・注意力散漫(密原と久瀬の口論など、話を聞いてない)
・食欲の減退、なにを食べても美味しくない(スイクラ末期)
・お菓子(糖分)への過剰な依存(スイクラ末期)
・眠れない/寝つきが悪い、または過剰な睡眠
・気分が晴れない、落ち込みがち
・無気力
・自己嫌悪
・思考力の低下(物事に対して深く考えない)
・うまく話せず、口数が減る
・自殺念慮(スイートクラウンになることをあっさり了承)
・何をしていても楽しくない(意欲減退)
・午前3時頃に目が覚める

たくさんあるので、順番に説明していきます。

・なぜ「明日なんて来なければいい」?

朝を嫌う、というのはうつ病に特有の「日内変動」によるものと思われます。
日内変動とは、午前中は気分が重く暗くなり、夕方から夜にかけて
気分が上向くうつ病の症状のことです。

追記:ちょっとわかりづらいと思うので補足。
明日なんて来なければいい、という思考に至ったのは悪魔スイートクラウンが
毎日のように弟への罪悪感に苛まれるのが辛いだろう、という方向に
柘榴ちゃんの思考を誘導し、柘榴ちゃんも罪悪感に疲弊していたため
「明日なんて来なければいい」=「もうここで終わりにしたい」
あるいは「死にたい」という意味で言ったものと思われますが、
朝になるたび気分が重く暗くなり、その影響で弟への罪悪感を
より強く感じて辛くなるものの、柘榴ちゃんにその自覚がないために
「明日が来るたびに罪悪感が深まっている」ように感じられたことで、
うまく誘導されてしまったのではないかな、ということが言いたかった。


・午前3時のお茶会

うつ病の初期〜中期症状には「午前3時症候群」という症状があります。

簡単に言うと、早朝3時頃に目が覚めてしまい、体が重く起き上がれず、
嫌なことをさんざん考えて思い悩んだあげく
眠れなくなってしまう睡眠障害です。
※午前3時に起きてアクティブに一日活動するならば当てはまりません。

敢えて「午前3時にお茶会をする」という舞台設定からして、
悪魔スイートクラウンは、客人たちのうつ病を促しているように思われます。

うつ気味な柘榴ちゃんの願いによって、攻略対象たちまでもうつっぽくなっていきます。


・なぜ夜が続くとうつ気味になるか

朝が来ないということは、太陽光を浴びない、ということです。

太陽光を浴びないと、セロトニン(気持ちをリラックスさせる作用がある脳内伝達物質)の分泌が減少し、気持ちが沈んでいきます。
また、セロトニンには脳の活性化を促す作用があります。
加えて太陽光がないとメラトニンという睡眠ホルモンが分泌され続け、
抑制されないため常に眠い状態が続き、慢性的な眠気はやがて判断力の低下を招きます。

これは人間が、朝に起きて夜に寝る、というサイクルを繰り返すために
脳内伝達物質がそのような働きをしているといえます。

セロトニンやメラトニンの分泌バランスが崩れると、
やがて不眠症、うつ病などを引き起こします。

また、セロトニンは運動によっても活性化しますので、ずっと城にいる状態では
ろくに運動もできず、ますますセロトニンは減るばかりです。

しかし、好感度を上げて恋愛することで、柘榴ちゃんたちは
城からの脱出に成功します。それはなぜか。


・スキンシップによって情緒が安定する

そのままです。恋人とのおしゃべり、キスやハグなどのスキンシップは
オキシトシンとセロトニンの分泌を促す効果があります。

オキシトシンは恋愛ホルモンとも呼ばれます。
オキシトシンには人との信頼関係を強め、安心感や幸福感を与える作用があります。
つまり、オキシトシンが増えることによって心が穏やかになる。

また、オキシトシンには好奇心や社会性を上げる働きもあります。

そのため、好感度を高めることで結果的にオキシトシンとセロトニンが増え、
脳が癒され、正常な判断力が戻ってくるため、
スイートクラウン化を抑えることができるわけです。


・強い罪責感

柘榴ちゃんは判断力の低下のため、自分と他人の境界がつけられません。
もはやポストが赤いのも空が青いのも箸が転がるのも
ぜんぶ自分のせいというノリです。

その証拠に、古橋さんの失言で雰囲気が悪くなっても自分のせいだと考え、
密原と久瀬くんがケンカしてもやっぱり自分のせいだと思います。
当たり前ですがそんなわけないのですが、柘榴ちゃんは弟が行方不明になってから
誰からも心理面のケアをしてもらっていないため、うつ気味になり、
お茶会に招かれて朝が来なくなり、太陽光を浴びることができなくなって
本格的なうつ病へと進んでいってしまいます。


・お菓子(糖分)への過剰な依存

長くなったので簡潔にまとめると、お菓子の過剰な摂取は
体内のアドレナリンを増やし、恐怖、不安、空腹、怒り、悲しみ、緊張といった
感情になりやすくなり、糖中毒を引き起こし、脳機能が低下します。

つまり、脳機能が低下し欲望が暴走した状態が、スイートクラウン、というわけです。

===以下、どうでもいい説明===

甘いものを食べると一時的にセロトニン(リラックス物質)が増え、
気持ちがほっとしたり落ち着いたりしますが、糖分によるセロトニンは
すぐになくなってしまいます。セロトニンがなくなると不安感が増すため、
スイートクラウンはお菓子(一時的なセロトニン)を求めるのです。

そして甘いものを食べるとドーパミン(快楽物質)が出ます。
ドーパミンが出ていると快楽を感じています。
セロトニンとドーパミンの乱高下により、お菓子を食べている間は
落ち着くものの、なくなると強い不安に襲われ、お菓子への依存につながります。

まず、糖分を摂取すると血糖値が上がります。
しかし、血糖値が上がり過ぎると高血糖状態になり、血管が傷つくなどして
生命の危険があるため、人間の体内では血糖値が高い状態が続くと
すい臓がインシュリンを出します。
インシュリンは血糖値内の糖質を脂肪に変換し、血糖値を下げる働きがあります。

しかし、インシュリンが出過ぎると、今度は血糖値が下がりすぎてしまい、
反応性低血糖を引き起こします。
反応性低血糖とは、意欲の減退、集中力や判断力の低下、
急激な眠気、不安感や苛立ちなどの症状です。

このように血糖値が下がりすぎるのも生命の危険に直結するため、
人間の体は次に、グリコーゲンによって血糖値を調整しようとします。
手順はまず、副腎からアドレナリンを出し、肝臓のグリコーゲンを
糖質に変え、血糖値を上げていきます。

このアドレナリンには、交感神経を興奮させる作用があります。
つまり、恐怖、不安、空腹、怒り、悲しみ、緊張といった感情を揺り起こします。
アドレナリンは闘争/逃走に特化したホルモンであり、
外敵に襲われて動物が身を守る、あるいは獲物を捕食するために
必要な状態にする作用があります。

===説明ここまで===

以上の事柄を、スイートクラウンでは明らかに意識して描いています。

ちなみに、真井さんに一番先にオフレンダの証が出てきたのは、
真井さんが柘榴ちゃんに何も求めていないからだと考えられます。
柘榴ちゃんがやることに協力し、やりたくないことは強要しない。
こうした絶対的な従順さこそ、オフレンダにふさわしいものと考えられます。

10/22追記:あと、真井さんはあの時点で現状を受け入れてしまったように感じる。
彼は帰れても帰らなくてもどっちでもいいのではないか。
また、余談ですが真井さんはアダルトチルドレンでいう、
「リトルナース」「プラケーター」の役割を背負ってる感じがひしひしとします。
それを考えると柘榴ちゃんは、弟がいなくなった後は「ロンリー」っぽいですね。
密原は「プリンス」から後に「ピエロ」、久瀬くんは「ヒーロー」かなあ。

アダルトチルドレン(AC)=幼少期における心的外傷を持ち、機能不全家族で育った人
リトルナース=争いを避け、家の中の問題を解決するためにあれこれ世話をする
プラケーター=なだめ役、カウンセラー
ロンリー=家族に悲しみを理解されず(精神的に)ひきこもっている
プリンス=意志を無視され、人形のように過剰に愛される
ピエロ=人の関心を引き、家の問題を解決するために自分の感情を抑えて、
その場に合わせ明るく陽気に振る舞い、やがて本当の自分の感情までもが分からなくなる
ヒーロー=問題を解決して活躍しようとする

こう書くと、「うつ状態」というより、柘榴ちゃんはアダルトチルドレンなのかも。

ちなみに久瀬くんはたいがいにしてお節介なので、オフレンダの証が
すぐに出ないのでしょうね。
久瀬くんの分かりやすいやさしさは嫌いではないしむしろ好ましいですが、
頼んでもいないのに弟をやると言い出し姉役を強要し、
柘榴ちゃんもお節介を断る勇気も、興味がまったくないがために
久瀬くんへ誠実に接する気持ちもないため
正直言ってどっちもどっちだと思います。

うつ状態である場合、脳内伝達物質に伝達異常がある、つまり
判断能力が低下しているため、自分のことしか考えられなくなるのは
必ずしも柘榴ちゃんのせいだともいえないのですが。
彼女に必要なのは治療と療養です。


長くなりましたが、ここから密原の感想。

密原誠丞
SWEET CLOWN 〜午前三時のオカシな道化師〜 (2015年7月発売予定) 応援中![密原誠丞(CV:豊永利行)]

私は彼が嫌いです。
関わりあいになりたくない。

事情を知った今でも気持ちは変わりません。
なので、プレイ中はずっと死んだ魚のような目をしていました。

ていうか16歳……? 嘘だろ?
多分、もう少し年齢が上がれば、もうちょっと要領良くやれるすべが
身についたのかもしれませんね……。

恐らくこのルートでは、「自分を愛する」「他人を愛する」とは
どういうことなのかを描こうとしているのだと思います。

私の個人的な好みはともかく、自己評価がマリアナ海溝の如く低い
柘榴ちゃんが密原を選ぶのは、うつ状態にある彼女の判断として
理解できるものがありました。
柘榴ちゃんのことを心底どうでもいいと思っている密原だと、
恐らく柘榴ちゃんは安心する。
彼女の自己評価と、密原が柘榴ちゃんをゴミのように評価している、
お互いの評価軸がぴったり重なるから。マジで密原、表に出ろ。
しかし、自信がなく自己評価の低い女の子がこういったクズ野郎に
ボロカスにされるのは、残念ながら社会であるあるなので
マジで皆さん自分を大切にしましょう。
愛を否定するつもりはありませんが、究極的には、
この世で自分を死ぬまでずっと確実に大切にできるのは、自分だけなんですよ……。
他に誰もいないんですよ……もう多少ダメなところも愛してあげよう…………。
話を戻します。
逆に、柘榴ちゃんを大切に想っている久瀬くんだと
少ししっくり来ないような感覚、違和感があるのだと思います。

密原ルートは正直とても辛くて、その密原ご自慢の顔を
壁に叩きつけたろか、と何度か本気で考えました。

しかし、声優さんの演技は素晴らしかったです。
特に豹変シーンは一聴の価値がありますね。素晴らしかった。

密原ルートは ( ´_ゝ`) という顔でずっとプレイしてたのですが
豹変してからは興味深かったです。

柘榴ちゃんには自分を大切にするという概念がなく、
自分を愛するという気持ちが理解できないため、
相手を愛する、相手を大切にするという考えもありません。
申し訳ない、と言いながら考えているのは密原の気持ちではなく
「自分が」相手に迷惑をかける、「自分のせいで」と
主語はずっと「私」「自分」です。密原ではない。
密原の立場に立っているようでいて、密原の気持ちを思いやることはしていません。
興味がないからです。
彼女は密原が豹変するまで、密原が自分を好いている、としたら
それが一体どういった意味をもつのか、ただの一度もまじめに考えていない。

まあ、密原がアレなので柘榴ちゃんを責める気は毛頭ないのですが、
懸命にアプローチしまくる密原に対し、毛ほども興味をもっておらず、
それが相手の心を傷つける、という可能性に、密原が豹変するまで
気付かなかった柘榴ちゃん。柘榴ちゃんもたいがい酷いですね。
柘榴ちゃんは精神状態が普通ではないので、致し方ないのですが。
抱きしめられたときに、「電車で肩にもたれかかられたときのよう」と
評したときには、いくらなんでもあんまりなような……。

ネージュの言い様には、「あーあー言っちゃった!!!!!」って思いました。
しかし、まあ真実ですから仕方がないですね。

このシーンの密原はさすがに気の毒だと思いましたが、
呆然とするばかりで自傷に走る密原をろくに止めもしない柘榴ちゃんには
「止めたれや……」って思いました。人として……そこは止めてあげよう……。

本編では、柘榴ちゃんが自分を責める描写がたびたび入るのですが、
人間とは自己欺瞞のいきものでもありますので、正直生きるうえで
そこまで自分の深淵を見る必要があるのかとも感じ、
柘榴ちゃんが少し気の毒になりました。
それこそが悪魔スイートクラウンの狙いでもあるとは理解していますが……。

深愛グッド/バッドと共に、柘榴ちゃんは自喰を起こして脱出したようですが
恐らくそれと同時に、柘榴ちゃんは罪悪感ごと弟の思い出を
失ってしまったのではないかな、と思います。

深愛グッドは……えーと……すみません、本当に興味がなくて……。
密原の思考の変遷は本編で明らかになってますし……。
いや、打算的にこれまで器用に生きてこられたなら、
この後もしたたかに生きていったらいいんじゃないかと感じました。
ほら、社会厳しいから……。
密原ぐらいアレなほうが生きやすいんじゃないかな……。

深愛バッドは物語として美しくて、余韻もあって好きです。
好きな人の幸福を願うがために、好きな人と永遠に別れる。
愛の表現として象徴的だと思います。

で、特に好きなのは歪愛ルート。
欲望が高まるにつれてわずかに残った恋心など欲望にかき消されていく。
弟が重荷だったと認め、あまつさえ開き直ってしまう柘榴ちゃん。
それぞれの自己愛の果てに、二人がたどり着いた愛のかたちとは。

柘榴ちゃんははっきりと、「可哀想だと思った」と言っています。

愛情を哀願する密原を憐れみ、同情しながら、
密原への執着を強める柘榴ちゃん。
そしてどこかで密原もそれを察しているのか、深愛ルートと違って
密原は、柘榴ちゃんに縋るようにして追いすがり、無意識のうちに
柘榴ちゃんに媚びているのですよね。だから甘ったるいぐらいやさしい。
そして柘榴ちゃんの心を絡めとるため、打算的に動きます。

本当の自分を見て、愛してくれるから柘榴ちゃんと恋に落ちたはずなのに
密原はどこか柘榴ちゃんの愛を信じ切れず、執着はしていても
信じられるほど柘榴ちゃんを好きになれていないから、
やっぱり柘榴ちゃんに気に入られるように振る舞ってしまう。
それが彼の生き方だから。この歪んだ愛にゾクゾクしました。

歪愛バッドでは密原の思惑が明らかになり、密原の願いを叶え、
マカロンになった密原を食べることで
柘榴ちゃんがスイートクラウンとして完成するエンド。
久瀬くんの腕の中、密原が呪ってやまぬ『弟』に
身を預ける柘榴ちゃん。それは密原にとって裏切りに他ならない。
歪愛グッドでは文字通り久瀬くんが見えなくなったことから、
密原はまだ柘榴ちゃんの愛という幻想を信じていられた。

密原は打算的な人間であり、そもそも柘榴ちゃんはそれを
理解していたはずでした。そんな打算的で自己愛の強い
哀れな密原を愛したはずなのに、柘榴ちゃんは、
よりにもよって密原の打算的な振る舞いを拒絶してしまう。

打算的であろうとなんであろうと、密原が
自身を肯定してくれる柘榴ちゃんの愛を
求めていたのは間違いないのに。

密原は打算の人です。密原の打算を否定すること、
それは密原自身の否定です。
彼はこの瞬間に、柘榴ちゃんもまた、歪んだ愛の中で
「ありのままの密原」を見ていないことに気づき、
絶望してしまいます。

柘榴ちゃんは、打算的な密原をそのまま受け止めねばならなかったのです。
密原は息を吸うように計算して生きる人なんだから。

密原の最期の言葉と願いが、なんとも哀愁を誘ってやまない。
最期の願いは、柘榴ちゃんがスイートクラウンになることは
ただの手段であり、真の目的は城からの脱出、加えて
お互いに愛を交わすことだったはずなのに、
目的と手段が入れ替わってしまい、後にはなにも残らない。
虚しくも哀れなエンドでした。

歪愛グッドでは自喰によって、本当に密原しか見えなくなり、
代償として密原以外の人の記憶を失ってしまいます。

恋は盲目。
まさにそんな言葉そのままに、ついに密原の姿すら……。

歪んだ愛の究極点として、印象的でとても良い。
結局柘榴ちゃんも密原も、それぞれ鏡に映る自分を見ているだけで
お互いを見ていないのですよね。

ありのままの自分が愛されていると信じられないから、
密原は全員を殺しても、ソファを壊しても不安なまま。
愛を求めるほどに、執着するほどに柘榴ちゃんの愛が
表面的は密原にあるのに本質的にそうではないと分かるから
加えて愛されている自信がないから、愛を求めて飢餓感に
のたうちまわる様が描かれます。
柘榴ちゃんが愛しているのはありのままの密原ではなく、
自分を愛する密原であり、密原を愛する自分だから……。

「俺以外のものなんて、見ないで」
そう言いながら目隠しされた柘榴ちゃんの目に映るのは
決して密原ではなく。そばにいるのにお互いが視えない。
どうあがいても。
なんとも皮肉な結末で、面白かったです。
コメント
初めまして、こんにちは。いつも興味深くブログを拝見させていただいております。自分では気付かないことばかりで貴方様の着眼点に感服するばかりです!sweet clownの記事をみて、思わずコメントをしてしまいました。おまけのシナリオ再生で入手出来るトロフィーがあるのですが、面白いものやシナリオに関わるものもあるのでご興味がおありでしたら、是非見ていただきたいです!公式ブログの方にもヒントがのっております。フルコン後是非!sweet clownはフルコン済みなのですが、本当に楽しかったです。考えさせることばかりで、特に真相の余韻が凄まじく、今でも苦しんでおりますw真井さん、、いいですよね。私も密原単体は苦手ですwwここまで心を奪われた作品はsweet clownが初めてでした。これからもブログ応援しております!失礼しました!
  • 名無し
  • 2015/10/21 4:50 PM
名無しさん、初めまして、こんにちは!コメントありがとうございます!
また、ブログを見てくださってうれしいです。
間違いもあるかもしれませんが、なにか感じる部分があったならなによりです。
なんと、トロフィーにもいろいろ意味が込められてるのですね。
教えてくださってありがとうございます! 
フルコンプ後にはトロコンを目指してみます。
私もまだ久瀬くん序盤なので、真相がどのようなものになるのか今から楽しみです!そして密原ww共感してもらえてうれしいですww
読んでくださる方がいると思うと更新の励みになります。
訪問をお待ちしておりますので、また気が向いたときにでも
いつでも遊びにいらしてくださいね!!(*´ω`*)
  • 大樹@管理人
  • 2015/10/22 12:57 PM
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