SWEET CLOWN 〜午前三時のオカシな道化師〜 久瀬 感想

  • 2015.10.31 Saturday
  • 17:58
PSVita SWEET CLOWN 〜午前三時のオカシな道化師〜


久瀬くんの感想です。
現在、日之世くん親愛グッドまで終わっています。
なので日之世くんルートのネタバレっぽいものもあります。

それにしても、プレイしていてガリガリMPを削られるゲームですね……。

以下ネタバレ感想。
ところで、各キャラクターの名前はそれぞれの本質を表しているようです。

樫野柘榴
白樫の森、お菓子のダブルミーニングかと思われます。
柘榴は本編で出た通り、そのまんまペルセポネの冥界行きのエピソードからでしょう。
柘榴を食べた人間は、現し世に戻れません。

(日之世)武尊
ナイフを持って威嚇するなど、実力行使を厭わない
彼は暴力性を秘めているので武を尊ぶ、という意味で良いかと思います。

(久瀬)蒼馬
死の騎士が騎乗する馬(道化師からの確定情報あり)
柘榴ちゃんを死へと導く者のしもべ。
本名の宗助は、宗には「本家」「家」「祖先」
「そのものの主とする、大事な点」という意味があり、
例:質素倹約を宗(旨)とする
つまり蒼馬くんの大切なもの、家、ひいて家族を助ける存在、という意味のようですね。

(密原)誠丞
密原の誠に丞(たす)けるは、スイートクラウン化を
本気で丞ける、という意味のようですが……

(古橋)旺一郎
一人の王の男、という意味になってしまうのですが……
これは……つまり「孤高の王」ということでしょうか。

(真井)知己
そのままだと『己を知る』という意味でしょうか。
分をわきまえていると見るべきか、あるいは他になにかあるのか。
あるいは、柘榴ちゃんを知る者、という意味なのかも。

ケイファ
桂花、キンモクセイを表していますね。
キンモクセイは秋の季語であり、お酒、お茶、香味料に使うそうです。
また、桂花年糕という名のキンモクセイの花の砂糖漬けのお菓子があります。
キンモクセイの花言葉は「謙虚」「謙遜」「真実」「真実の愛」「初恋」
「陶酔」「高潔」「気高い人」。
あとキンモクセイの香りには、アブラムシやダニなどの害虫を近づけない効果があります。
ただハナアブだけは近づけるとか。
ほかにも、sweet oliveといったりしますね。
また、金木犀は月に咲く花、よって月の香り、という伝説もあります。

ガート
川岸に設置された階段の意。洗濯場、沐浴の場など。
沐浴は禊ぎの意味があり、罪を流すことを表しますので、
聖なる場所に行く前に俗の罪を洗い流し穢れを取り除く、
つまり悪魔の城へ続く階段、のような意味が込められていると思われます。
俗から聖へ、生から死へ、別の状態に移行するときにも行いますね。
沐浴は葬礼で行うケースもあります。
また、黒猫は魔女のお供のようなイメージで有名でもある。
黒猫の飼い主は魔女あるいは悪魔崇拝者というわけですね。
不吉の象徴といった迷信などが有名です。
一方で、幸運の象徴でもあり、魔除けに効くという考え方もあります。

クランベリー
花言葉は「心痛を慰める」「天真爛漫」「心を癒やす」「耐久力」
解毒、胃や肝臓の不調に効果があります。
英語だと「耐久力」「心を癒やす」の意味がよく記載されてますね。

ラズベリー
花言葉は「愛情」「謙遜」「尊重される」「深い後悔」「良心の呵責(remorse)」
これはインディアンの若者が川面に映るラズベリーの実を見て
川に入ろうとして溺れかけ、結局溺れかけたうえに
ラズベリーを手に入れることはできなかったという逸話によるもののようです。
日本語では愛情とか出るんですが、英語の花言葉を調べるとことごとく
Remorseなので、本来は「後悔」の意味が強かったのかもしれません。

下記の参考URLは、他のページも調べたのですがぜんぶリンクを載せるのが面倒なので
適当にピックアップしました。

参考:Language of Flowers Meanings of Flowers

スイートクラウンは甘い言葉を囁く道化師、お菓子の王、と
ダブルミーニングですが、まあ、そのままのようです。
マリスとネージュの項は長くなったので日之世の感想で。


久瀬蒼馬
SWEET CLOWN 〜午前三時のオカシな道化師〜 (2015年7月発売予定) 応援中![久瀬蒼馬(CV:内田雄馬)]

望んで柘榴ちゃんの望む存在(=王子様)をやってくれるルート。
それが蒼馬くんが心のままに生きられる恋人か、
柘榴ちゃんの求め続ける都合の良い弟か、という違いはありますが。

プレイしていて胸が痛くなるルートでした。
蒼馬くんが自分の生きる意味を必死で見つけようとする姿が描かれます。
彼は自身の意志を示すために道化師の目的に反する行動を取ろうとあがく。
すなわち、柘榴ちゃんや他の人を外に出すために。

家族を愛する気持ち、好きな人への想いから、彼は自分の心を殺す決断をする。
そのためにいつでも同じ選択をするのですが、それは消去法であり、妥協であって、
彼の本当の望みではない。
そうすることが『正しい』と固く信じているからです。

このルート、割とほのぼのしてるのですが、私には却って
蒼馬くんの哀しみが浮き上がるように感じられてとても切なかった。
あまり弱いものをいたぶる趣味はないので進めるのが辛かったです。
よりにもよって贄捧堂で、創造主へ生まれてきたことに感謝を捧げるさまが……
なんとも意地の悪い趣向で眉をしかめてしまいますが、
しかし、信仰とは心の在りようですから、正直いえば場所はどこだっていいのですよね。
清らかな雰囲気の教会でなくとも。祀ってあるのは邪神でも。
どんなに忌まわしいいわれのある場所でも、マリスだらけの場所でも、
心のうちに人を想う気持ち、感謝を捧げる気持ちがあれば
マリスの影響を受けない、というのはせめてもの救いなのかな、と思いました。
厳密な意味で言えば、彼の感謝は悪魔スイートクラウンではなく
生命の根源的な存在への感謝ですから。

おせっかいとも取れる彼の申し出、弟役をやってくれるという厚意に
柘榴ちゃんの心が揺れ動くのも理解できました。蒼馬くんに付いて行けば楽です。
そうして、蒼馬くんとの絆は果たして弟の代わりでしかないのか、
それとも新たな絆を結べるのか……といった話のように思います。

密原が「ありのままの自分を見せて愛し愛されること」、
蒼馬くんが「他人を愛するとはどういうことか」と対になっている話。

ところどころ密原と対になってるのが興味深かったです。
例えば、図書館で眠いときに密原はうまく隠せますが、
蒼馬くんは速攻でバレてしまうなど。
密原が茶々を入れつつ、ぶつかり合って分かり合って、というイベントは
とても良かったと思います。

深愛ルートでは、外に出られて新しいものに目をキラキラさせる蒼馬くんが可愛くて、
素直に良かったね、という気持ちになれました。
柘榴ちゃんはナルコレプシーを患ってしまったけど、命と引き換えたにしては
安い代償だったと感じます。密原との和解など、見どころも多く読み応えがあります。
起きた柘榴ちゃんに気を使わせないよう振る舞うのは、いかにも
蒼馬くんらしいやさしさで好ましい。
密原をからかうところも楽しく、あまりに幸せで、まあ主に使い回しの
不気味な遊園地の背景のせいなのですがなんだかひと時の夢のような儚さがありました。
まさかと思いますが、歪愛バッドの蒼馬くんはこの夢を見てるんじゃない……よね……?

深愛バッドはこれまた胃の痛いエンディング。
彼の最初で最期の心からの願いはまたしても自己犠牲で、
柘榴ちゃんはそんな最期の願いすらも不完全なかたちでしか叶えられず、
永遠に人に心を開かなくなる。元の木阿弥、という言葉が頭をよぎりました。
柘榴ちゃんは過去に囚われ続け、蒼馬くんはまた自己犠牲を選び。
どちらも生き方を変えられないさまに、物悲しい気持ちになりました。

歪愛エンドでは、蒼馬くんが必死に押し殺していた彼の本当の望みを
敢えてほじくり返すような展開に心が沈みます。

歪愛グッドは印象的でした。
ちゃっちゃと出て行ってしまった密原に半笑いになりつつ、
「待ってるから」と、いかにも弱々しく言う真井さんに胸をつかまれた。
真井さんですらその言葉を信じられないような、しかし言わずにはいられないような。
そんな弱い呟きが悲しかったです。

柘榴ちゃんが喉から手が出るほど求めていた弟に、見事に成り代わることに
成功する蒼馬くん。悪魔に与えられた生きる意味そのままに、
蒼馬くんは弟として、かくれんぼで柘榴ちゃんを見つけ、
永遠に森で姉弟二人で遊び続ける……
「永遠の子どもたち」とでも名付けたくなるエンディングは哀しくも、
お互いが目をそらしていた望みを叶えるものでもあり。

蒼馬くんだって兄弟仲良く生きたかったに決まってるし、ママにだって会いたかった。
けれど家族の幸福のために蒼馬くんはそのすべてを諦めなければならない。

これまで「これでいいんだ」と何度もみずからに言い聞かせていたであろう蒼馬くん。
その心の奥の奥に秘めていた欲、あるいは願いをまざまざと見せつけられたようで、
心を切り裂かれるような痛みを覚えるエンディングでした。
あんなに柘榴ちゃんを外に出したがってたのに、しみじみと
「この森はいいな」と言う蒼馬くん。彼が一生懸命に隠そうとしていた本音。
それでも、二人でずっと森で戯れていられるなら、
これもまた違うかたちの幸福なのかもしれません。
たとえお互いに、姉弟という結びつきを通してしか相手を見ていなかったとしても。

いかなる困難も障害も不幸もない代わりに、
共に生きる喜びも、感情を分かち合う幸福も得られず、
一緒に成長することも決してできない世界。

指輪交換して愛を誓い合う姿は、子どものおままごとのようです。
それぞれの役割を演じて、表面的にだけ愛を交わす。
果たして、共に生きるとは何なのか。
それを考える必要も責任もない、その場だけのごっこ遊び。
相手と力を合わせて問題を乗り越えることは決してできない、
二人で生きることを信じられない、その成れの果てともいえる終着点だと感じました。

歪愛バッドは、もっと直接的で、洗練されてないかたちで欲が表れたように見えます。
これまで家族のためにすべてを捧げ、手元にはなにも残らなかった蒼馬くん。
そんな彼が初めて手に入れたものを前に、昏い喜びを覚える姿に
哀しい気持ちになりました。

自分なしでは生きられないもの。
他の誰でもなく、自分だけのもの。

蒼馬くんは、はっきり言ってしまうと、いてもいなくても家族にとっては困らない存在です。
蒼馬くんがいなくても日は上るし、誠丞は友達作れるし、両親も生きていけます。
でもそれは仕方のないことです。

自分を犠牲にして人を助けるということは、自分がいなくても
相手は生きていけるし困らない、という現実を認める意味もある。
そんな風に思わされました。

だって蒼馬くんが死んだ瞬間に相手が哀しみで発狂すると
分かったら置いて逝けないですよ。未練残りまくりで。
いっそ心中したほうがいいような気になるのではないかな。
そしてこれこそが無理心中の動機なのだと思いますし。

回想でのエンディング名は「死の輪舞曲」。
輪舞曲とは、異なる旋律をはさみながら同じ旋律を
何度も繰り返す形式を指すので、眠る柘榴ちゃんを前に
必要とされる喜びに打ち震える蒼馬くんの、
みずから必死に押し隠していた欲望を見ることができるエンディングでした。
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