ホットライン マイアミ 感想

  • 2016.07.10 Sunday
  • 20:55
ホットライン マイアミ Collected Edition


君は人を傷つけることが好きか?

見下ろしアクションゲームの名作。
ビビッドなグラフィックに中毒性のあるテクノ音楽が癖になる。
割とグロいですが2Dドットなので受ける衝撃は緩和されています。

プレイヤーは主人公ジャケットとなり、ロシアンマフィアを手当たり次第にぶっ殺します。
やってることはこれだけです。
理由も終盤まで明確に語られません。殺害指示とも取れる暗号めいた留守電を聞くと、
主人公はロシアンマフィアのアジトに向かって敵を殲滅します。

これほど、「いかに効率的に人を殺すか」
真剣に考えさせられるゲームもありませんでした。
武器はゴルフクラブ、バット、ナイフ、銃、マシンガン、日本刀などさまざま。
まず銃は弾が切れたら捨てて次の銃を探します。弾込めなどというしゃらくせえことはしません。
また、銃をぶっ放すと銃声で敵が集まってくるので、ときには陽動など
戦略的に武器を持ち替えて使用する必要があります。
他にも、銃などの武器を敵に投げつけたり、敵がドアの前を通ったときに
ドアを勢い良く開けて敵を昏倒させて殺す、といった戦略が使えます。

シンプルかつミステリアスなストーリー、そしてなんといっても
システムが非常に快適です。本作ではプレイヤーが死ぬことを前提に作られており
死んでもボタンひとつで即リプレイという快適さ。
余計な演出のたぐいは一切ありません。ボタンを押すだけで再スタートです。

基本的に下手の横好きプレイヤーなのでゲームの腕はお察しレベルなのですが、
本作も難しすぎてクリアできておりません。
でもほんと頑張った……親指が痛くなった。チャプター10までクリアしました。
たまに思い出したようにプレイしたくなるのでまた再開するやもしれない。

人間を殺すのはともかく、犬を殺すのには抵抗感があったものの
この犬も容赦なくぶっ殺しに来るのでやってるうちに慣れました。

以下ネタバレ感想。
繰り返しになりますが、クリアしておりません。
反則かもしれませんが考察サイトさんを見てシナリオを把握しました。

予想以上に哀しいストーリーでやるせなかった。

留守電のメッセージを受けてロシアンマフィアをぶっ殺す日々の中で、
ジャケットは敵のアジトで女の子(娼婦)を救出し、保護します。
奇妙な共同生活が続いている間もジャケットは殺しをやめません。
女の子がいると家が綺麗になっていったり、テーブルクロスが変えられたりと
芸が細かいのが良い。
さてそんなある日、殺しを終えて家に帰ると女の子は何者かによって殺されていました。
(確かここまではプレイした)

考察サイトさんのほうで詳しく解説してくれているので詳細は省きますが、
平たく言うと、主人公ジャケットは女の子を何者かに殺された事実に耐え切れず、
敵との戦いで破れて昏睡状態に陥り、夢の中で女の子を殺したであろう犯人を
求めて繰り返し繰り返し復讐をし続けている、という話でした。
しかも女の子が死んだ理由も、特に理由がない、というのが辛い。

意味もなく人を殺した報いを、大切なものを意味もなく失う、というかたちで受けるジャケット。

※愛国心の強いジャケットは極右思想をもった人たちに利用されて殺しをするので、
「正義」のために殺しているとも取れますが、私はジャケットの抱えるものは
真の意味での愛国心だとは解釈しませんでしたので、敢えて「意味もなく」と書きました。
自分は、ジャケットの心にあるのは愛国心ではなく所属欲求と「何者にもなれない」虚しさだと思う。
人は誰しも子どもから若いときに「未来は無限大」「自分は何者かになる」といった
夢を抱えるものですが、どこかの時期(ちょうど思春期から二十代前半くらい)で
挫折経験をする可能性が高い。(運良く挫折せずに大成功する人もいますが)
そのときに、若者は世の理不尽を知り、「自分は何者にもなれない」ことを悟る。
普通はそこで身の丈を知って現実を受け入れたり、一から何者かになるために努力したりするのですが
そこで「何者にもなれない」を受け入れずに、手っ取り早くヒーロー級の「何者かになろうとする」と、
人に利用されることになるわけです。
だって大人たちはかつて若者だったから、彼らの気持ちが分かる上に、
大人になりかけの若者は足元が危ういことにも気づかず自分たちが大人であるように振る舞いたがる
という隙だらけの状態ですので、危険思想をもつ人間にとってこれほど利用しやすい駒もないわけで。

話を戻します。

いくら殺しても女の子は帰ってこないし、現実世界で復讐は成し遂げられていないので
殺しても殺しても満たされず、狂ったように復讐を繰り返す姿は物悲しさを誘います。

君は人を傷つけることが好きか?と訊ねてくるニワトリ頭の男。
プレイヤーはさしたる理由もなくロシアンマフィアを殺しまくります。
強いて言えば、暴力衝動に身を任せるために。ストレスを発散するために。
そんな殺戮のための殺戮をしている気が狂った哀れなジャケットとプレイヤーは、
実のところ一体なにが違うのか?と問われるような作品でした。
コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>

応援中

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」 乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM