オーディンスフィア レイヴスラシル 運命編〜エンディング 感想

  • 2016.08.02 Tuesday
  • 13:57
オーディンスフィア レイヴスラシル


亡国バレンタインの王女、ベルベット編とエンディングの感想です。

ベルベットはとても使いやすかったです。
舞うように攻撃するモーションには惚れ惚れしました。

お気に入りの術はダンシングチェーン、アラウンドフレアと
フレイムロード。終盤ではミックスでゼロを作って
グレイプニールを使いました。グレイプニール格好良い。
あと、アラウンドフレアは宙で浮いてるときにも発動できるのがいいですね。
宙で舞いながら攻撃するさまや、ベルベットの鎖での移動も好き。

他にも、ピンチのときはアンシーアブルでしのぎつつ
ミックスで術を放つ、という戦い方をしてました。
無駄になりそうな骨や芯が有効活用できるあたり、
細部までよく考えて創られたゲームだと感じます。

以下ネタバレ感想
ベルベット

衝撃の事実が明らかになり、トリになるのも頷けるベルベット編。

なんといってもベルベット、イングヴェイと母との間に交錯する想いが切なかったです。
もしかしてあれが、イングヴェイが初めて父と交わした言葉だったのでしょうか。
もしも人となりを知っていたら、それまでにイングヴェイが
妙な幻想を見ることはなかったと思うので、その可能性が高いように思われます。
無邪気な幻想ではありましたが、その代償にしてはあまりにも重すぎて、
その後の彼の絶望を思うと胸が痛い。

ベルベットとコルネリウスのすれ違いも良かった。
細かいのですが、ベルベットに名前を呼ばれるとコルネリウスが
びくってなるモーションが、コルネリウスの心情を如実に表してて
とても良いですね。キャラクターの心の揺れ動きをセリフだけに頼らず、
説明的でないところが、非常に好感が持てます。

そして、コルネリウスはいざというときに、ベルベットが本当に必要とするときに
迷わずに手を差し伸べられるところがとても良い。
あと、イングヴェイがコルネリウスを認めるセリフがあるのにも和みました。

ベルベットがバレンタイン王を恐れる姿は、それまでに二人が
バレンタイン王から受けてきた迫害を思わせて見ていて息が詰まる思いでした。
しかも祝福エンドでは、バレンタイン王は父親が誰だか知らなかったときには
あのように狂気に取り憑かれてなかったようなのがさらに苦しい。

さてこの物語では、オーダインの想い人がどのような結末を迎えたかが明らかになります。
つまりオーダインがグウェンドリンの結婚を許さぬとグウェンドリンを殺せば
彼はオーダインの最愛の人を殺したバレンタイン王と同じになる。
だからこそオーダインはグウェンドリンを殺さなかった。
それが明らかになってすっきりしました。

ところでオーダインはベルベットを娘として愛しているのではなく、
アリエルに似てるから目をかけている、と感じるので
率直に言って気色悪いです。イングヴェイとの対応の落差が激しいのも辛い……。

ベルベットは母の面影のためにあれこれいらぬものを背負わされて気の毒で、
それでも気丈に運命に立ち向かおうとするさまが気高さを感じさせました。

これほどの不幸を呼んでしまう愛というのも、罪深いなあと感じます。
しかも、その愛を否定することはみずからの出生を否定することに直結する
ベルベットとイングヴェイを想うと、バレンタイン王の罪が重すぎる。

だけど、仮にバレンタイン王が寛大に二人を許したとして、
オーダインはアリエルを嫁に迎える覚悟を決められたのかどうか、やや疑問に感じます。
敵国の王女との結婚は臣民からの反発は必至で、誇りを第一にするオーダインが
周囲の反対を押し切ってまで、果たしてアリエルを守ってやることができたのか。

オーダインはアリエルを愛してはいたのだろうけど、それ以上に
アリエルを愛してる自分を第一に愛してたんじゃないかなあと思いました。
だからこそ、人に詰られることになる愛を公表できない。
自分の誇りが傷つけられるから。
誇りのためならアリエルを未婚の母にしようともベルベットが処刑されようとも
グウェンドリンを追放しようともイングヴェイに心ない言葉を投げつけようとも構わない。
オーダインにとって誇りはそのすべてに優先されます。
彼が自分の誇り、王としての誇りを捨てたのは、メルセデスに
「国を滅ぼす」と脅されたときです。

つまり、オーダインにとっての価値優先基準は以下の通りです。

国の現状維持&臣民の誇り>>王&個人としての誇り>>|越えられない壁|愛、家族

父への愛ゆえに、父王の大切にしているものを守るグウェンドリン。
彼女が受けた汚名は、真実を明かしたときにオーダインが受けるものでした。
その汚名を受けたくないがために、汚れなき王の誇りを守るために、
オーダインは「家族を見殺しにする」という選択をした。

王の誇りと家族の命。
両立はできません。どちらかを選べば、どちらかが失われることになります。

選択の結果、彼が苦しむことになるのは言動の報いを受けてるだけで、
誇りを取る以上、その苦しみはオーダインが引き受けて当然の責任でした。
そんなグウェンドリンへの仕打ちを、ベルベットが詰ってくれるのには心温まりました。
お互いに距離はあるものの、ベルベットがずっとグウェンドリンを
気にかけているのも印象的です。


終焉

私は最初にバッドエンドをおおかた見てしまったので、
ノーマルエンドより先に祝福エンドを見ました。
そのためにカーテンコールを見てなくてやや焦ったのも良い思い出。
ノーマルエンドを見直す選択肢が出るのも親切ですね。

コンプリートエンドは最後の止め絵に心を打たれます。
世界樹から根の国につながるさまが、儚くも美しくて泣かされる。

数々のバッドエンドも見たのですが、どれもとても良かった。
特に六つ目の獣戦のメルセデスのバッドエンドは印象に残りました。
愛のために大罪を犯し、その精算をしようとして愛する者を
手にかけることになってしまう因果がなんとも言えない……。
また、オニキス戦のバッドエンドもどちらも胸に迫りました。

あと心に残ったのは、オーダインの最期でしょうか。
死の間際にようやくただの父親に戻れたオーダイン。
どのみち死ぬわけですから、もう誇り(&自分)を守らなくても良くなる。
グウェンドリンがあれほどまでに求めた愛をオーダインが示した相手が
戦死したグウェンドリンの姉グリゼルダで、アリエルに続いてまたも死人というあたり、
つくづくどうしようもない男ですね。
作中でオーダインは、亡霊相手にしかまともに愛を示すことができません。
亡霊を相手にすると、欲や誇りや自意識などに邪魔されず、
ただ自身の中にある愛だけに目を向けられるからなのかもしれない。

人生でいろいろな人を傷つけて、実のところ彼は一体なにを守りたかったのか。
ここまで多くの人の人生を狂わせて、誇りというのはそれほど守る価値があるものなのか。
王としての誇りだのあれこれ言うけど、本当は臣民を失望させたくない、
王位を失いたくない、つまり人に詰られて傷つきたくない、という恐れゆえだったように思える。
つまりオーダインはなによりも優先して自分自身を守りたかったのではないかと感じます。

国&臣民の誇りと、王や個人としての誇りを天秤にかけてようやく
王や個人としての誇りを捨てられたのだから、オーダインは家族や愛というものを
優先順位が低いもの、誇りよりも価値の低いものだと見なしていたのは明らか。

先述しましたが、彼の価値観は 誇り>>愛(&家族) です。

しかし、それは間違いだったのではないか、と感じさせるラストが感慨深い。
彼は最期にすべてを失います。死の国の軍勢を前に為す術もなく、王位も、臣下も、なにもかも。
手元に残ったのは、グリゼルダの父を想う愛と、そんな娘への父親としての愛でした。
グウェンドリンに対して見せた道具を愛でる愛ではなく、娘を想う父親の愛です。
価値が低いと思っていたものだけが最後の最期まで失われなかった、
その意味にオーダインは恐らく死ぬまで気づかなかっただろうけど。

ただ、確かにアリエルとの愛は周囲によって引き裂かれたものかもしれないですが、
その後のオーダインの選択はオーダイン自身が望んで下してるものです。
人生には、逃してはならない、後戻りできないタイミングというものがあります。
いわゆるチャンスというやつです。
家族と想いを交わすチャンスはあったのに、そのチャンスをオーダインは
ことごとく踏み潰す。みずからの価値観のために。
要するに、アリエルとの愛を失って以後のさまざまな悲劇は
オーダイン自身の価値観によって引き起こされたものだと思います。
彼の裁量いかんで傷つかずに済んだ人や守れた人はたくさんいます。

破滅を呼んだイングヴェイと、復活を呼んだベルベット。
対をなす在り方が心に残りました。
あと、メルセデスの前ではしっかりしていたイングヴェイが、
ベルベットの前だと気を抜いている様子なのも、
イングヴェイの相手への気持ちを示しているようで良かったです。
破滅を呼ぶばかりのイングヴェイが、唯一はぐくんだもの。
それがメルセデスであり、メルセデスへの愛というのが、
ラストの止め絵にもつながっていてとてもきれいだと思います。

祝福エンドは、散々な目にあったもののようやく苦労が報われ、
結ばれたところを見られたのに安心しました。
ベルベットはどんな姿でも可愛いなんて反則。

あとは、オズワルドでしょうか。
メルヴィンにあそこまで利用されてなお、メルヴィンとの日々を
信じたいという気持ちが残っていることが切ない。
オズワルドを死の国の女王に捧げる前に、温かな時間があったのかもしれません。
思えばメルヴィンは、最期に身を守るための余計な言い訳をしなかったのは
ある意味で潔かったともいえます。やり方は最悪ではあるけれども。

エンディングは希望に満ちたもので、ラストシーンの情景といい、
屋根裏部屋が本の世界につながるさまも、とても美しくて印象的でした。
カーテンコールの商人もいい味出してて好きです。

プレイできて本当に良かったなあと心から思える作品でした。
コメント
アンシーアブル便利ですよね。
ボス戦で植物を育てるときとかに使ってました。
あ、でも骨と芯は投げつけるのも楽しい!

・アリエルに似てるから目をかけている、と感じるので率直に言って気色悪いです。

笑いました。まさしく……。
だからこそ、ベルベットがオーダインをけして受け入れることなく、グウェンドリンだけを気に掛ける描写に胸がすっとしました。(そうでなくては困ります)
あそこのオーダインはとても受け入れがたいと思っていたのですが、そういう意味で『気色悪い』と思ってたんだろうということに気づいて、言語化されてすっきりしました。

・戦死したグウェンドリンの姉グリゼルダで、アリエルに続いてまたも死人というあたり、つくづくどうしようもない男ですね。

笑いました。(二度目)
死んでないと愛を示せない人間だというのもあるでしょうし、『死んでないと愛を示せない、その愛ははたして示せているといえるのであろうか。』ということについては、オーダインの心のうちだけの問題でしかないような気もするので、そこらへんもまた、変化があったわけでもない範囲の話だろうなと思っています。
あの世界で死人が存在するものであり、ああいった形で救われて、それでもきっと失われなかったものに気づかなかったであろう彼ですが、オーダインへのサービス(表現がひどい)ではなく、あれはグリゼルダのための演出であってほしい気持ちがあります。

・オーダインはアリエルを嫁に迎える覚悟を決められたのかどうか、やや疑問に感じます

無理ではないでしょうか。いや、もしかしたら、大樹さんからしても、無理だという意味で疑問視するというコメントなのかもしれません。(どちらにせよ、来なかった仮定を考えても詮無いことですね)
一個人の妄想にしかなりませんが、私としては、オーダイン自身は嫁に迎える覚悟を決めるつもりだったのが半分で、出来るとは思えないことを成し遂げたい、と言う意味では、迎える気満々だったのではないかなと思いました。そして実際に不可能になってしまい、『できなかったから』惜しいと思い、欲しいと思い、怒りを募らせたのではないかなと思いました。ベルベットに執着する様子を見れば、アリエル自身も好きだったにせよ、あの美しい容姿をもつ娘を手に入れて愛でたい・という意味の愛が強いように思います。辛辣ですが。
こう書いてて思ったのですが、オーダインの政治的考え方・スタンスというか、理性に固執する部分は愚かでしかなかったにせよ、私にとっては好意の持てる部分(それが全ての元凶であれども)ですが(その部分についてのみでいえば、グウェンドリンが悲しむことがないので。よくよく考えればそれが回り巡って悲しませる根の部分なのですが、当時そこまで考えが至ってませんでした)、女性関係について擁護する気持ちになれないんでしょうね。(ベルベットという同じ娘を優先する気持ちがあるのに、グウェンドリンという娘を大切に思えないことが理解できなかったから。ただし、それは前述の『気色悪い』で思ったことが示している通りなのでしょうね。きっと、オーダインが真にグウェンドリンを『娘』と認識しているから起こった齟齬だったのでしょう。私はそう考えるのがおぞましかったので、考えないようにしていたように思います。)とても主観的な感想を持っていたのだなあと思いました。

・世界樹から根の国につながるさまが、儚くも美しくて泣かされる。

!!!!!
ああ……「根の国」。
正直言われて初めてその意味に気づきました。は、恥ずかしい……。
死の国がもう『行き来できない』という意味の機能をしなくなったことばかりを考えていたせいで、存在を脳内から消してました。根の国=死の国の表現なんですね。(あの時明らかに死んでいるのに、どうして起き上がっているのだろう、ここはどこなんだろう(※この時点で思考放棄)と思ってました。今思えばそれに気づかないのは、かなり浅慮ですね)
ああ〜根っこで根の国か……。すごいなオーディンスフィア……。私は根の国が黄泉の国にすぐ結びつくイメージを持っているのに気付けなかった……。ものすごい衝撃です。いや、なんかもう……本当に自分の詰めの甘さを感じますね。ありがとうございます。一生気づかないところでした。あまりにも自分が馬鹿すぎて悲しいくらいです。思わず頭を抱えました。ばかだ……。→
  • シロウ
  • 2016/08/03 6:21 PM
・メルヴィンについて

私も余計な言い訳を一切しなかったのは評価したい点だと同時に、残酷だなと思いました。とはいえ、オズワルドが言い訳をしない性格に育ったのは、メルヴィンが育ての親だったからではないかとも思えます。とはいえ、自分のあずかり知らぬところで勝手に契約されてるのをみれば、さっさと縁がきれただけよかったかなとは……(余計な契約は残ったままなのが腹立たしいですが)
多分、オズワルドもきっと、ああいう形でメルヴィンが勝手に知らないところで死にかけたりしなければ、庇わざるを得ず、錠がなくても籠から出らえなかった鳥のままだと思うんですよね。最後の最後までメルヴィンを想ってたオズワルドを思うと、いかに手ひどい裏切りだと思おうと、手にかけられるのか……かけられるとしても、きっとより傷つくだろうと思うと私というプレイヤーがメンタル削れそうです。

・バッドエンドについて

色んなパターンがあるのが最高ですよね。見たかったすべてを見せてくれたと感動したものです。プレイ当時、私はオニキス王が好きだったのですが(もちろん、それ以上にオズワルドが好きですが、それはそれとして)たった一言だけでも大樹さんが触れて下さっててちょっとうれしかったです。

少し(少しか?)とりとめのないことまで書いてしまいましたが、長文失礼いたしました。
よくしていただきまして、ありがとうございます。オーディンスフィアというゲームが、大樹さんの感想でさらに好きになりました。次の感想も楽しみにしています。
  • シロウ
  • 2016/08/03 6:25 PM

(1)死んでないと愛を示せない人間だというのもあるでしょうし、『死んでないと愛を示せない、その愛ははたして示せているといえるのであろうか。』ということについては、オーダインの心のうちだけの問題でしかないような気もするので、そこらへんもまた、変化があったわけでもない範囲の話だろうなと思っています。
===
相手が死ぬことで、まるで濾過された水のように欲や保身という名の誇りやらが消え去って、
愛だけが残るのでしょうね。死人を利用しようもないですから、オーダインは心置きなく
安心して彼らを好きなだけ愛せる部分があるのだと思います。
死人に口なし、という言葉にもあるように。


(2)オーダインへのサービス(表現がひどい)ではなく、あれはグリゼルダのための演出であってほしい気持ちがあります。
===
ああ、それはそうですね……!
グリゼルダは最期の瞬間、安堵していた部分もきっとあったと思います。
戦場での死は、オーダインにとって誇り高い死であり、父に恥をかかさずに済んだわけですから。
グウェンドリンにばかりスポットライトが当たっていたけど、グリゼルダも犠牲者の一人でもあり……。

グリゼルダについて印象的だったのは、ラスボス戦についてグリゼルダは示唆を与え、
勝った後はグウェンドリンの武勇を褒め称えるものの、グウェンドリンが得た
オズワルドとの愛については完全スルーだったことです。
グリゼルダは戦士として生きて戦士として死んで、死後も戦士としての
グウェンドリンを評価するだけというのが、徹底しているな、と感じました。
それがグリゼルダの生きた道だったから、当然といえば当然なのですが。


(3)『できなかったから』惜しいと思い、欲しいと思い、怒りを募らせたのではないかなと思いました。
===
オーダインはバレンタイン王に感謝するべきかもしれませんね。
だってバレンタイン王がアリエルを殺したおかげで、オーダインは手を汚すことなく
被害者になれたうえ、アリエルとの愛を永遠のものにできたのですから。
さらにすべての責任をバレンタイン王に負わせて、「自分は悪くない」と言い訳まで出来る。

なんというか、『おぞましい』と仰った部分については、自己防衛本能が働いたのかもしれません。
見たくないものを無意識にシャットアウトしてしまうということはありますね……。


(4)すごいなオーディンスフィア……。
===
オーディンスフィアは細かいところまで整合性が取れているうえに、
ゲームシステムやアイテムの細部に至るまで設定がよく考え抜かれていて、感銘を受けました。
自分もすごいとしか言いようがないです。


(5)とはいえ、オズワルドが言い訳をしない性格に育ったのは、メルヴィンが育ての親だったからではないかとも思えます。
===
そこには思い至りませんでした……!
そういえば、オズワルドは言い訳をしませんね……。
メルヴィンは口がうまいし、目的のために人を欺くことを躊躇ったりはしないものの、
やはり最期の場面でまで性根を隠すのは難しいように思われます。
彼は汚いやり方をする男だったけど、それが汚いやり方であることは自分でも認めていたのかもしれません。

少なくとも、無垢なオズワルドを利用していることは自覚していて、オズワルドが盲目的に
自分を信じているのにそれを分かっていてなお、目的のために意図的に嘘を吐いていた感じはします。
オズワルドを利用しているという点について、メルヴィンが己の所業から目をそらすために
心の中で美辞麗句を並べて、自分で自分に嘘を吐いているわけではないというか。

オズワルドを道具扱いしている、この真実をメルヴィンは自覚していた。

己がそういう酷いものだということも含めて受け入れていた。
オーダインと違って、欲を愛でごまかしてはいませんね。

嘘でもいいから夢を見させたまま死んだほうが良かったのか、
残酷でも真実を伝えるべきだったのか……。

物語としては、結果的には残酷な真実もオズワルドは受け入れて成長できましたが、
実際に同じ局面に立ったらと考えると、非常に難しい選択ですね。

まあ、あの場のメルヴィンはもう敗北を痛感していたので、なにもかもどうでもよくなって
やけくそ気味に言うだけ言ってさっさと死んだ、という解釈も出来ますが……。
ただ、オーディンスフィアという作品としては、残酷でも現実を直視しなければ成長できない、という
メッセージを伝えたかったのかなあと思いました。
  • 大樹@管理人
  • 2016/08/04 11:48 PM

(6)プレイ当時、私はオニキス王が好きだったのですが〜
===
オニキス王は人気ですね(笑)なんといってもおいしい役どころですしね。
それが分かっていたので、数多の人が触れているだろうからなんとなく触れなかったのですが、
私もオニキス王は味わい深いキャラクターだと思います。

オニキス王で心に残ったのは、グウェンドリンバッドエンドの「俺はいつもそうだ」でしょうか。
「俺はいつもそうだ」と、「いつも」と来ているからには、オニキス王はこれまで
同じようなことを何度か繰り返しているという意味になります。
でなければ「いつも」と言うのは意味が通らないので。
オニキス王が心を傾けると、オニキス王の心にある情熱の炎の激しさに、相手が耐えられない。

バルカンたちに無条件に一途に慕われる、ただ一人の男にして、唯一の王なのに、
彼は愛されるばかりで「いつも」うまく愛することができない。
愛を享受するだけしかできないのも、切なくもあり、息が詰まる思いがしますね。

恋の炎に苛立ち戸惑う姿も魅力的ですが、そうやって猛々しく相手を愛するにも関わらず、
恋うるほどに激しく炎を燃え上がらせてしまい、その恋の炎が結果として
相手の存在を燃やしてしまうというのが、存在の悲哀を感じさせます。

オニキス王は炎を体現するものです。
炎は燃え上がってこそ存在が高まるものだと思うので、
「燃え上がると相手が灰になる」というのは、オニキス王が心から求める大切なものには
本来の自分を決して受け入れてもらえない、という縛りを受けているようにも思えるのです。

それが「バルカンたち、炎の娘たちからの決して揺らがぬひたむきな愛」の代償だとしたら、
不特定多数の娘たちからの無条件の愛の代償が、唯一にして特別なものからの愛、というのは
残酷なほど釣り合いが取れています。

オーダインが望んだ「娘たちからの愛」は、バルカンたちが
オニキス王に捧げるような愛なのかもしれません。
しかしその代償は恐ろしく重い……。
愛することと愛されること、一体どちらが望ましいのか、といろいろ考えてしまいました。

ただ、(相手の意志を無視して)一方的に愛することも、一方的に愛されることも一様に重すぎて、
愛が向かう先が相手にしろ自分にしろ、愛に押しつぶされてしまうのは一緒なのかもしれません。

オニキス王はそういった愛のもつ業と、愛の重みを描くためのキャラクターなのかな、とふと思いました。
  • 大樹@管理人
  • 2016/08/04 11:48 PM
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