悠久のティアブレイド -Lost Chronicle- アタルヴァ 感想

  • 2017.02.21 Tuesday
  • 19:50
悠久のティアブレイド -Lost Chronicle- - PS Vita


アタルヴァルートの感想です。

大まかな流れはシュドと一緒ですが、敵の攻略法が大きく異なり、
そこからシナリオも別の展開になるのが好印象でした。
攻略法もキャラの特性を踏まえています。

ティアブレイドもアタルヴァ仕様になっているのは嬉しい。
凝ってますね。こういうこだわりに、制作陣の情熱を見る思いです。

以下ネタバレ感想。
アタルヴァ

アタルヴァとの恋は、お互いの姿に自身の在り方を見るような、等身大の恋です。
お互いでなければ理解しあえないもの同士、というつながりが運命的だと感じました。
そういう意味においては、お互いへの出逢いが新たな未来への扉を開くことになる
シュドとイヴと違い、アタルヴァとイヴは過去の決着がつくといえるかな。
成長といえばシュドも成長しますが、アタルヴァルートだとよりくっきりと
それぞれの成長を感じられるのが良かった。
騎士たちが、操縦者との縁が深い順に来てくれるのにもぐっと来る。
しかし、ああして躊躇いもなく普通に手を貸してくれるあたり、
アタルヴァの本質は彼らの求めるものとかなり近いのではないかと思います。

アタルヴァは、分かりやすくヒーローをやってくれていたシュドとは違います。
けれども、アタルヴァとでなければ描けない恋愛だったところが好感触でした。
そしてイヴが、アタルヴァに惹かれた理由もなんとなく分かるのが微笑ましい。
共に成長していけそうな、可愛いカップルだと思います。

イヴを女の子扱いしてくれ、直球で好意を見せてくれるシュドと違って
素直じゃないところもアタルヴァは可愛い。
特に、ティアブレイドのコックピットでの語らいのシーンがとても好きです。

アタルヴァは嘘は吐きません。出来ないものは出来ない。
そしてなによりアタルヴァだからこそ、軽く約束できないのだなあと思いました。
彼はその言葉の示す意味を、身に沁みてよく理解しているからこそ。
まあそもそも、あんなの気軽に約束されても却って恐い。

でもだからこそ、かいま見える恋心がより輝く。
恋を知らない二人が無自覚のうちに惹かれていくさまがロマンチックでした。
晴れやかな青空を思わせる爽やかなシュドルートと違って、
アタルヴァルートは選択の苦味を思わせるものだったのが感慨深い。
そう思うと、住んでる場所といい、あらゆる面で二人は良い対比になってますね。
肉体の矛盾と精神の矛盾。
空を望むシュドと、地を歩むアタルヴァと。

なかなか哲学的なテーマに注力されていて、面白かったです。

人はなにを以って【人】となるのか。
ゴーストなど、呼び方はさまざまですが、それはつまりこう問うています。
人の魂はどこに宿るのか、と。

アタルヴァルートは自己同一性へのクローズアップが丁寧でした。
物語として出された結論も非常にすっきりしていて、分かりやすく好ましい。

能動的なシュドとは異なり、アタルヴァはそもそもの在り方からして、
受動的な姿勢が目立ちます。
想定外の事態に陥ったらイヴと一緒に慌てますし、解決策も人任せ。
そうした無自覚なアタルヴァの甘えを突き放す流れが、彼の成長につながり、
アタルヴァとイヴの変化を促していく展開は気持ちが良かった。
敢えて手を貸さないことで自立を促すようにも見えて、
クレイドルといい先代様といい、親心を感じさせました。

生きるとは、果たしてどういうことなのか。

アタルヴァが受動的なのは、彼の存在理由に主体性は求められていないからでもあります。
けれども、アタルヴァが【人】となるには、【人】として生きるためには、
みずからの意志で歩み、道を選び取らねばならない。

リグとアタルヴァ、存在理由を規定されて生まれた彼らが、
人として望まれたことをきっかけに【人】になり、
【人】として生きることを選ぶ展開は、心に迫るものがありました。

エンディングはこの二人らしい、地に足の着いたものだと思います。
選択の苦味がありながらも、それでも前を向いて歩いて行こうとするのが、
なんともいえず人間的で温かな気持ちになれました。
カーマインさんとも仲良くやっていけそうで嬉しい。

ところでリグは、なかなか偽悪的なところが味わい深い男ですね。
そういう素直じゃないところはアタルヴァとよく似ていて、
兄弟だなあとしみじみしました。

引き継いだ内容が「大したものじゃなかった」からか
結構ドライだったリグと違って、1番目のものだったゆえに
受け継がれたものへのアタルヴァの執着が強いのも印象的。

ところで「アタルヴァ」という名前も、バラモン教の呪術的な儀式典礼が記された
4つのヴェーダ本集から取られた名で、その中でもアタルヴァ・ヴェーダは
特別扱い、というのが本編を思わせて興味深く感じました。

これからロウルートなどで明らかになるとは思いますが、
アタルヴァたち兄弟は世代を超えて何代もこうして保存されていたはずです。
となると、今までの兄弟たちに目立つエラーがなかったからこそ、
リグを研究用に活用したと見ました。リグが『人』として交わした約束、
そのために命を賭けることを想定できないほど、彼らは甘く見られていたのでしょうね。
しかもロウの手前、周りもあんまり雑に扱うことも出来なかったでしょうし。
だからリグは密かにバックドアをしかけるなんて芸当が出来た。

ちなみに相手がシュドだったとき、ロウはすごく派手に怒ってたんですが、
操縦者がアタルヴァとなると冷笑、哀れみ、侮蔑と、敵意の表し方が
静の方向へ傾くのも面白い。
シュドとアタルヴァ、それぞれの特性をよく踏まえていたと思います。
まあ結局ロウは怒るのですが。
それにしても、シュドルートでもそうですが、土壇場で過去イヴに
振られるロウはもう、なんというか……なんともいえない気持ちにさせられます。

終盤のクレイドル対アルカディア戦は非常に熱かった。
その後のクレイドルの辿々しい感じがすごく切なくも、
クレイドルらしさも残ってて心に響きました。

悲劇エンドはこれまた辛い……。
【人】として生きようと決めた矢先で、なんとも皮肉なエンディングですね。
無理やり微笑むスチルが切なくて胸が痛かった。
それまでずっと求めていたものを、よもやこんな形で得る羽目になるとは。
アタルヴァはきっと、真面目に役割を果たそうとしてしまいそう。
そして心を殺して、無機的になっていくのだろうなあと思うと、言葉にならない……。
愛を語るときに決して嘘を吐かなかったアタルヴァが、
愛を失ったと共に自分を殺す嘘を吐くのもやりきれない。
悲しくも余韻の残るエンディングでした。

シュドとアタルヴァはイベントやエンディングなど、あらゆる面で対比になっています。
特にシュドルートの悲劇エンドではそれが顕著です。
かつて一瞬だけ、シュドがイヴに対して心に宿した魔。
まるで魔を宿したその罪を贖うように、シュドが誓いを立てるところが胸に迫りました。
そう思うと、ハッピーエンドで罪を自覚するアタルヴァエンドと、
悲劇エンドで犯した罪を思い知るシュドエンド、といえるかもしれません。

ハッピーエンド後のスチルでは、アタルヴァの表情が甘くてとても良いですね。
シュドのものは嬉しさ全開!って感じで可愛いですが、幸福や喜びの表れ方にも
動と静、それぞれの性格が出ていて好きです。
コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>

応援中

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

全年齢乙女ゲーム「ミッドナイト・ライブラリ」

全年齢乙女ゲーム「ミッドナイト・ライブラリ」

全年齢乙女ゲーム「ミッドナイト・ライブラリ」

18禁BLゲーム「NO,THANK YOU!!!」応援バナーキャンペーン実施中!


RECOMMEND

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM