悠久のティアブレイド クレイドル+トゥルー 感想 

  • 2017.03.01 Wednesday
  • 22:54
悠久のティアブレイド -Lost Chronicle- - PS Vita


クレイドルルート+トゥルーエンドの感想です。

総合的に評価すると、秀作と呼べる作品だと思います。

一部気になる部分はありましたが、ルートごとに戦闘や敵の攻略法が異なる点、
ティアブレイドへの情熱が感じられる点、甘さもそこそこある点を加味すると
他の乙女ゲームと比べて満足度は高いです。

どのキャラも見せ場が用意されており、キャラの特性を活かした戦闘であったり
恋愛展開であったりするので、買って損はありません。
モブキャラにもドラマが用意されているので、ティアブレイドの世界観に
奥行きが生まれています。

主人公イヴも役立たずというわけではなく、その場にいる必要性のある
キャラクターとして設定されている部分が好印象でした。

以下ネタバレ感想。
クレイドル
管理AIとして生み出されたクレイドルの歴史を振り返ると、非常に悲しい。
「揺りかご」という名前は言い得て妙でした。
過去イヴがクレイドルを「機械」と認識していたことを考えると、
存在意義を失いかけたクレイドルがあのような望みを抱くのもよく理解できます。

これまで人間でありながら道具として扱われる悲哀を描いてきた中で、
機械でありながら道具として役立てない悲哀も打ち出してきた部分に感心しました。

クレイドルは過去イヴを見ながらずっと、少しずつ傷ついていたのかもしれない。
AIとして喜怒哀楽を持ち、学習能力を持つクレイドルが、学ぶほどに
過去イヴが間接的にクレイドルを「役立たず」と扱っている事実を知ると思うと辛い。

過去イヴが、孤独により死への妄執に取り憑かれ、狂気に侵されていたのは理解できます。
それでもクレイドルは、過去イヴの世話を焼きたかったはずです。
だってクレイドルはそのために存在してるのだから。

それなのに過去イヴが毎日のように「死」に執着している姿は、
住民を生かすための管理AIであるクレイドルの存在理由を否定するも同義です。

人間でさえあの状態の過去イヴの相手は骨が折れたはず。
(過去イヴに誰か人が寄り添っていれば狂わなかったのではないかという部分は置いておいて)

だからこそ、過去イヴの命令を忠実にこなしたクレイドルが、
「寂しさ」と「孤独」を知る、という流れがとても自然でした。

孤独を知ることは、ある意味において人間に近づいているともいえます。
なぜなら自我を持ち、「個」であると知るがゆえに、孤独という概念を理解するからです。

イヴに自殺願望を抱かせないために奔走する姿は切ない。
道具であるからこそ役割へと執着する。
人にも当てはまる話ですが、機械でありながら意志あるがゆえの悲哀も
描かれていて、とても良かったです。

また、クレイドルルートはクイーンが大活躍したのが嬉しい。
AIたちとの絆が描かれていて、とても楽しかった。

壊れてしまったクレイドルが繰り返す「今日の天気は雨」というセリフは、
クレイドルの抱く悲しみのメタファーでもあります。
あの辿々しい物言いが、クレイドルが機械であるとまざまざと感じさせて
堪らないものがありました。
機械だからこそ、クレイドルの、言うなれば人間的な部分をみずから否定する姿を見た
イヴの気持ちとぴったり同調できた。スチルも切なくて良いですね。

過去イヴとイヴの矛盾する命令によって、メインフレームと同期できなかったことから、
自分はあの丸い姿のクレイドルがイヴを護るシーン、すごく胸が抉られた。

いや、確かにクレイドルはAIだから「死んでないよ」という再登場シーンはなにも間違ってない。
けれどだからこそ、矛盾する命令に苦悩して、どうにかイヴの意志を
尊重しようとしたクレイドルは、あのとき失われてしまったんだなと
強く感じさせて辛かった。

とはいえ、あのシーンは機械から人間への再生、という意味合いだとは思います。

恋愛展開はやや駆け足に感じましたし、クレイドルルートは他と比べて
共通部分が多いですが、おまけと考えれば許容範囲でした。
青年モードと少年モードを選べるのは、同じ存在でありながら
メインフレームを失ったがゆえに意志系統が独立している点、
またどちらかをネオスフィアに残すことを考えると、
なんか素直に喜んでいいのかやや戸惑いました。
もう一人のクレイドルからすれば、「自分」がイヴと幸せになる姿を見るだけで
満足なのかもしれませんが。

「無数の武器が飛んできた」と言いながら実際には4つしか武器が飛んでこない、
みたいなテキストはご愛嬌ですね。
あといきなり出てきたカードという謎の便利アイテムもまあ、ちょっと気になるけど
おまけと考えれば別にいいかな。戦闘は割とあっさりでした。

しかし、これから人として生きる時間は、数千年を生きたクレイドルにとっては
体感として驚くほど短い時間なんじゃないでしょうか。
それでもクレイドルは喜びを覚えるのだろうけど。


トゥルーエンド

見事な大団円で、すっきり気持ちよく終われて良かったです。
なんとなく予想はしていましたが、最後の最後でギル兄さんが
ぜんぶ持って行ってしまった……。
まあギル兄さんだからしょうがないか。
短いながら追加された過去エピソードも、短いからこそ却って印象的でした。
あのエピソードがあるからこそ、罪の意識の裏返しと感じられて、
過去イヴに激甘なギル兄さんに説得力が出ました。
アイナとの恋愛関係が破綻してしまったのも理解できる。
あのとき、ギルとアイナは共犯になってしまった。
お互いを見るたびに罪の記憶がよみがえるとなると、恋愛関係を
継続するのは難しいと感じます。致し方ないとはいえ。
でも、ギルとアイナの強い結びつきは、恋愛関係でないからこそ尊い部分もありますね。

死への妄執ではなく、生への渇望こそが活路を開く、という展開は
王道で良かったと思います。

カーマインさんは安定の格好良さでした。
そして、マジで生き恥としか形容しようのないヤジュルの
説得要員がアタルヴァというのがとても良かった。
なにせ説得力がありますし、出した結論には笑ってしまったけど、
ヤジュルの縋っていたものとの兼ね合いやアタルヴァの人生経験からして
非常に納得感があって、お気に入りの場面です。
カーマインさんが終始、ヤジュルに対して醒めてるのも良い。

ラストバトルは熱かったです。
同じ轍を踏まずに戦略的に連携するので、わくわくしました。
爽快感と共に感動も得られて、良い戦闘シーンでした。
ダブルイヴのスチルも美しい。

しかし、ごちゃごちゃ言うアルカディアに対してイヴたちが出した結論が
うるせえ死ね だったところが清々しい。

その前の戦闘でちゃんと作戦を立てた上でアルカディアを倒したからこそ、
なんだかんだ気合でどうにかするラストが素直に受け入れられる。
しかしギル兄さんは格好良すぎ。あれはいっそ卑怯ですね。
攻略対象の存在感がギル兄さんにぜんぶ食われてしまった……。
やはりギル兄さんが最強なのか……。ロウが敵うはずはないのか……。

エルゼの音声データは、声優さんの泣きの演技が良かった。
展開が分かっていたのにすごく痛々しくて、胸が痛みました。
あのデータはあって良かった。

エンディングでも巧妙にヤジュルと過去イヴとの対面を描かなかった点は
清々しさを感じさせるために必要だったと思います。
しかしエンディングには和んだ。
三人でイヴを見守ってる状態に戻れたところを見られて嬉しかったです。
「生殖能力がある」という伏線まで活かしていてびっくり。
タイトルにも合致したエンディングでした。

余談ですが、前の記事でイヴのティアブレイド戦でエルゼが出てこなくて
寂しいみたいなことを書いたのですが、そういえばレイピアが出てきたのは
イヴの決意と同時だったことを思い出しました。

また、ロウの「これは確かに頭に来るなあ」は、とうとうスルーされてしまった……。
いやまあ普通に考えればギル兄さんのことなんでしょうが。
イヴに近づく者がいると敵意を向けていた辺りのシーンだろうけど、
あの場面でロウはいなかったし、やや雑な伏線でしたね。
ロウがああした場面を他に何度も見ていた可能性は非常に高いので、
矛盾するというほどではないですが、これまでの細かい伏線の張り方を見ると、
やはり雑だという印象は拭えない。

とはいえ、総合的には満足。
戦闘シーンが充実していたのは嬉しい驚きでした。
ティアブレイド、楽しかったです!
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