ペルソナ2 罪 感想

  • 2017.03.09 Thursday
  • 23:00
ペルソナ2 罪


言わずと知れた名作。
リメイク版においてアラは見受けられますが、なによりシナリオが素晴らしい。
今も多くのファンに支持される理由が頷けるというもの。
「チョづいてんじゃねえぞ」など、やや時代が感じられる部分はありますが、
描かれているテーマそのものは普遍的なものですので、あまり気になりませんでした。

正直、2罪シナリオやキャラの出来が良すぎて、やや複雑な気持ちになりました。
至るところで3や4の原型である要素が見受けられるためです。
しかも、2罪のほうが、そのすべての要素の組み立て方に整合性と必然性がある。
恐ろしいぐらいすべての要素に意味を持たせています。

つまり、一見して個性的なキャラクターたちも、ただなんとなくそうした性格になったわけではなく、
それぞれの人生があり、各々の過去があるゆえにそうした性格になったことが描かれます。
その緻密さや論理の組み立て方、人の心理の描写は秀逸です。
キャラクター達がこの作品で生きている実感を得られるところが最大の長所でしょう。

恐らく当時、かなりの考察があったであろうことは想像するに難くないので
さらっと感想を書くだけに止めます。
ただ、このブログは自分の解釈を整理する意味で書いているものなので
ちょっと考察っぽい感想を書くかもしれませんが、自分のために書いているのでご容赦を。

ペルソナシリーズはペルソナ3から入りました。
次にペルソナ4ザ・ゴールデン、それからペルソナ2罪をプレイしています。
ペルソナ5は未プレイです。

まずは大まかな感想から。

ローディングの長さは擁護のしようがないです。ひたすらたるい。
データインストールでも尚このローディングの長さは厳しい。

戦闘も、もっさりした挙動とキャラがちまちましているので、プレイしていてイライラします。
更に地獄のようなエンカウント率の高さで白目になること請け合い。
特に序盤は荒唐無稽な展開で、親切なチュートリアルのたぐいもなく、
訳もわからぬまま進めていくので飽きるかもしれません。
悪魔と交渉する「コンタクト」も、攻略サイトを見ない状態では
序盤だと失敗することが多いのもイライラに拍車をかける。

ただ、それまでの伏線を回収し始め、物語の全容がつかめる
中盤から一気に面白くなります。
うわさがうわさを呼ぶ展開、無邪気な好奇心や恐れが現実になって
うわさと現実の境目があいまいになっていくのは、とても不気味で面白い。

ちょうど中盤からはレベルの低い雑魚敵のエンカウント率を抑える
「エストマ」が使えるようになるのも大きい。

また、スタートボタンで戦闘の演出スキップが出来ます。
(これに気づいたのも中盤だった)

「戦闘の快適さ」という一点では後続作であるペルソナ3以降の作品に軍配が上がります。
悪魔との交渉は旧作ファンから根強い人気がありますし、プレイしてみて面白さが分かりました。
ただ、「コンタクト」がテンポを良くしているとはお世辞にも言えない。

ペルソナ2罪ではコミュシステムがないため、実質「コンタクト」で
キャラクターの人となりと悪魔の性格をかいま見るシステムでもあります。
そのため、これは単純に好みの問題かもしれません。

もちろん、細かい設定が非常に凝っており、待機時の会話もかなりまめに変わるので
キャラ達の性格は街で話しかけるときにも見えてきます。

また、「ペルソナ」というタイトルに内容や雰囲気が
最も合致しているのは、ペルソナ2罪のほうです。
ユングの影響を至るところで強く受けていますね。

3以降のキラキラしたおしゃれな雰囲気も、格好良いとは思います。
「ペルソナ」というテーマでは、2のどこか薄暗い雰囲気や
音楽のほうが合っているように感じました。

罰はこれからプレイ予定です。
プレイ予定がある方は、ネタバレを見ないことを推奨します。

以下ネタバレ感想。
周防 達哉

無個性なのかと思ったらコンタクトではものまねをしてみたり、
漢について語ってみたりとなかなか愉快な人。
ミッシェルさんがなにげなく口にしたあだ名のギンコを
なめらかに取り入れた主人公が微笑ましい。
達哉もミッシェルと同意見だと見た。
(最初はリサ表記だったのにそれ以降ずっとギンコになる)

兄との確執もうっすら描かれます。
抑圧的な父と兄であることがなんとなく察せられるので、
彼は無口になることで受動的な反抗をしているように見えます。
とはいえその兄も、達哉に指名手配の噂が流れたときは、
特に尋問もせず「家に帰れ」と言うだけなのは、ちょっとほろりとしました。

彼もまた、他のキャラと同じように迷える青少年だと思える。
特に淳にまつわる選択肢で、「自分も同じことをしたかもしれない」は、
主人公の人となりが見えて良かったです。
不器用で内に溜める性質で、ギンコのように反発する代わりに
無言の抵抗を続けている、というような印象を受けました。
エンディングでの二択も面白い。
仮面が外れてあらわになった顔が達哉と同じ、という皮肉もとても良いですね。
結局、今までの選択はすべてみずから下したものでもあり……。
普遍的無意識の世界で、グレートファーザーを打ち倒すのは
分かりやすく自立を暗示しているように思えます。
慈愛と母性の象徴でもある舞揶のために彼らが、その罪深さを知っていてなお
再び罪を犯すのは、人間が絆や想いというものに
手を伸ばさずにはいられないからなのかもしれない。
あるいは母性への永遠の憧れを示唆しているような印象を受けました。
どこかフロイトvsユング的でもあり、当時、突っ込んだ考察をされた方が
他にきっとたくさんいただろうと思うので、この辺にしておきます。

主人公たち、ひいては人間の「罪」とは何なのか。
その罪のひとつが「忘却」です。

過去に罪を犯した事実を思い知る達哉たち。
その罪深さを知りながら、またも繰り返してしまう「罪」。

傷つきたくないから、罪の重さを知るのが恐ろしいからと、
逃避のために忘却した過去と異なり、
二度目の忘却はひとえに大切な人を想うがゆえです。

愛ゆえに人は罪を犯してしまう。何度でも。
あるいは未来を「夢」見るために。

この、「恐怖」と「愛」、「罪」と「夢」のコントラストが
くっきりとしているさまは、どこかグロテスクでもありました。

主人公たちが罪を繰り返してしまうのは、言うなれば
彼らが「誰かを愛する心を持つ人間」だからでもあり、
人のもつ業の深さを感じます。
だからこそ続編タイトルが「罰」だというのも頷ける。

彼らは罪を犯し、その報いとして罰を受ける。

いかなる罰を受けるのか楽しみです。
ところで罰パッケージ絵が舞耶なので、もしかして彼女が罰を受けるのでしょうか。
エンディングで暗示されたように、原罪を引き受ける役割だからなのかもしれない。


天野 舞耶
慈愛と寛容、いわゆる擬似的な母性の象徴。
達哉たちにとって特別な存在である舞耶姉さんですが、
そんな彼女が父性に焦がれているというからくりは皮肉ですね。

(自立のために)「突き放す」性質を持つ父性の象徴がラスボスであるなら、
彼女が夢を語る大切さを訴え、未来へ歩むために皆を応援するのは、
自立に向けて歩む不安な青少年を「包み込む」母性として象徴的です。

父が夢を追ったがために、結果として舞耶は父を「夢」に奪われて失ったのに、
彼女は夢を、そして夢追う人を憎まないのが印象的でした。
家族を放置した父を恨みがましく思う気持ちだってあるのに。
きっとそれは、舞耶がそれでも父を慕っているからです。だから彼女は夢を語る。
あるいは、最期にうさぎさんが返ってきたから、父を慕う気持ちを
素直に肯定できるのかなと感じました。
あのうさぎさんは、舞耶と父の絆の証でもあるから。

しかしそんな舞耶も普通の人です。
彼女にもトラウマがあり、孤独があり、傷ついた過去があった。
いわば、舞耶が過剰なまでに母性的なのは、父性の欠落によるのかもしれない。
(父からの)愛を実感する機会に乏しかったから、殊更に愛そうとするようにも見えました。
そうすることで、求めて止まない(父の)愛を実感するために。
遠くにあって届かないから、せめて同じものになろうとした(同化)とも解釈できるし、
夢を語ることで父を近しく感じられ、いつしかそれが舞耶のものになったともいえます。
もともと舞耶は優しい人なんだと思うし、母の愛は一身に受けていたからともいえるけど。
コンタクトの「両親を大切にしよう」という言い方からして、お母さんとは
良好な関係を築いている印象を受けました。

父性、いわゆるグレートファーザー的な概念を無意識下で追い求めていながら
それに気づかず不幸な恋愛を繰り返す人はたくさんいます。
どこかで得られなかったものについては折り合いをつけるしかないのですが、
本編中で達哉たちと共にあることで舞耶がトラウマを乗り越える強さを得るのは、
大人を引き受ける過程を見ているようでした。

また、エンディングのキリストを貫いた聖槍からして
舞耶が「原罪を引き受ける」役割を持っているのかな。
母性は包み込むものでもあり、ひいてはすべてを飲み込むものでもあるから。

舞耶の言う「忘れられる女より哀れな女」は、
これまでのシナリオを思うと胸に響くものがありました。
ある意味で舞耶はずっと主人公たちの過去に影を落としていた人でもあります。
舞耶の願いを、結果的に叶えることになってしまった皮肉も含めて。
「なかったことにした」という意味では、主人公たちは舞耶のために
またしても同じ罪を犯してしまった、とも解釈できますね。
すべてを慈愛で包み込み慈しむ母性は、すべてを飲み込んで愛で縛るものでもある。
その光と影の側面を、無理なく体現したキャラクターでした。

彼女がポジティブ・シンキングを口癖にしてるのは、
その言葉を自分に言っている部分が強いように思いました。
舞耶は恐怖心が強い女性でもあります。
実際にその言葉に皆が励まされるので、良い連鎖が起きているともいえます。


三科 栄吉

強烈なキャラ付けをされているのに、ギンコの個性が更にドギツイので
中盤まで自分の中で印象が薄かった謎のキャラ。
ナルシスト番長なんて忘れられそうもないのに、
途中までナルシストだということを忘れていました。
いや、ナルシスト男って実際に嫌われるので、ギンコに嫌われるのは
仕方がないと思いますが、雅を手に入れた時点で圧倒的勝ち組。

でも、ミッシェルさんは自己顕示欲をもうちょっと抑えられれば
普通に良い人なんじゃないかなと思います。

黛さんがミッシェルの漢気を慮るシーンにちょっと感動しました。
確かに、仮にも番長と呼ばれてる男が自力で乗り越えられないのは
今後に深く影響してしまいそうですし、単純に格好悪くもあります。

てっきり最後には仲間がわらわら出てきて加勢する流れだと思っていたので、
「本人の抱える問題や鬱屈は本人が乗り越える」というシナリオ展開は
とても良かった。どの仲間もみずから乗り越える場面があるのが好きです。
口だけ番長ではなく、実際に番長らしいところを見せているのが好印象でした。


リサ・シルバーマン

ギンコがミッシェルに突っかかるのは、ナルシストの他に英語を使うところが
癪に障るからなんだろうなあと思いました。
しかし、周囲の生徒とまったく同じ条件で、一から中高と英語を
6年も学ぶ機会に恵まれながらこの言い様、ちょっと同情できない。
そんなにコンプレックスだったのなら、英語を猛勉強して
人より上回れば良いのではないかと思ってしまう。
環境的には英語が話せるであろう両親がいて有利なわけですし、
そのイメージを自分のものにするために、広東語を使って当てつけで親を困らせる前に
家で密かに英語を特訓してマスターすることも出来るのでは?
こういうときに親のせいにしてるところがまだ子どもではありますね。
大人になりたいなら、まず人のせいにするのをやめるところからです。
たとえ他人より自分が特別不利な状況に置かれているように思えたとしても。

人間的な子ではあると思います。
ペルソナ3のゆかりや4の千枝はギンコから強い影響を受けていますね。

思春期にイライラして暴力的な衝動に駆られてしまうのは、
ありえることですが、ちょっとイライラしてる印象が強すぎた。
友だちに対しても、ミッシェルさんの「なにもそこまで言わなくても」に共感しました。
気持ちは理解できなくもないですが、あんまりじゃないかと思う。
ただ、ギンコはちゃんとこれを自覚していて、シャドウギンコに嘲笑われてしまうのが
見ていて気の毒ではあります。これを好きな人にさらすのは辛かろう。

ギンコの苛立ちや鬱屈はその後のシャドウギンコ戦で
すべてが明らかになるので、そのえぐさに感心しました。
ユーザーに媚びる気がないのは冒険的で好ましい。

ギンコがステージに立ったときに、なんだかんだギンコを
心配してステージを見上げる主人公にフフッてなりました。
あと番長がちゃんと仕事してるの和んだ。真面目ですね彼は。

ギンコには主人公を盲目的に慕う理由がちゃんと用意されているのも好感触でした。


黛 ゆきの

頼れるお姉さん。舞耶のツッコミ役としても良い味を出してました。
ペルソナ1のキャラクター達が出るのも良かったです。
自分は1未プレイですが、プレイしていたら嬉しい演出だったと思います。

藤井さんへの恋は、その後の彼女の怒号と合わせて切ない。
夢を追う彼が好きだったからこそ……。
結局は夢によって藤井さんは身を滅ぼしたのだけど、
夢を彼女に託すかたちになったのは美しい絵でした。
追いかける相手を失った代わりに手を引く誰かを得たのは、
彼女が大人になったことを感じさせます。

淳へペルソナを継承するのは、彼女がパーティ内で見せていた一面を
受け渡すということでもあって、居場所を譲ってあげるところも象徴的。

これはたぶん、彼女には彼女の居場所が他にあるから出来るのでしょうね。
それが、過去の自分を思わせる少女の隣であり、かつての仲間たちの中でありと、
彼女の歴史を思わせるのが良かったです。


黒須 淳

気が優しいといえば褒め言葉ですが、繊細で感受性が強いゆえに
他の仲間たちのように過去を忘れることができず、憎むことで
よりどころを得ようとしていたさまは見ていて哀れでした。

父を恥じてつまらない嘘を吐いてしまう部分も、
感受性の強さが裏目に出たエピソードのひとつかな。
「自分には優しかった」と理解していながら、母の呪いを
まともに受けてしまったのは淳の素直さによるものと思います。
最も、子どもにとって親の言葉はかなり強い影響力があるものですが。
父が特に母の言葉を否定しなかったのも逆効果だったのかもしれません。
途中から真相が察せられるだけに見ていて辛かったです。
淳の父が特になにも言わないのもまた追い打ちをかける……。

クイーンアクエリアスの伏線をエンディングで回収したのは驚きました。
気になってはいたので、その後まったく触れられないことから
生きてるのだろうと思ったのですが……。

いたたまれない気持ちを抱えながら誰のことも責めず、
幻想に逃げ込んでしまった父が悲しい。

エンディングではあの出逢いがなかったことにより、淳が逃げず、
家族仲が良好に保たれているようで良かったです。
弱いように見えて、淳は家族に強い影響を及ぼしてもいたのかもしれない。
淳が父を慕うことで、父が自信を失わず、良い方向に進んだとも解釈できます。
以前の母の振る舞いも、弱気な父への当てつけのようにも見えますし。
……と思ったのですが、よく考えたら「うわさが現実になる」のは、
あのときから始まっていたのでしたね。
つまりエンディング後は「うわさが現実にならない」からこそ、
家族仲が良好に保たれたと考えると、つまらない見栄を張ってしまった淳も、
それに巻き込まれてしまった淳の母も父も被害者だといえます。
ひょっとしたらギンコにも当てはまる部分があるのかもしれない。

コンタクトでギンコとのやり取りが面白かったです。
いちいちびっくりしたり感心したりする悪魔にも笑う。


===


エンディングはとても良かったです。
「罪」というタイトルにもふさわしい。
今なお人気があるのも納得。総じて面白かったです。
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