紅蜘蛛 / Red Spider 感想

  • 2017.05.03 Wednesday
  • 01:03




主人公越児(ユエ)は、少女時代に大陸の暗殺組織「蜘蛛网」(ウェッブ)で暗殺訓練を受けた元暗殺者。
とある事情で組織を脱退した彼女は、九龍一帯で活動する黒社会組織、紅花会の会長永孝(ヨンシャオ)の妻となっていた。
ある日ナイトクラブで永孝が襲撃され、意識が戻る見込みはないとの診断を下される。
跡目相続を見越して暗躍を始める幹部たちに、この機会に乗じて捜査介入を謀る香港警察。
越児は会長代行としてボディガードや知己の探偵の指揮をとりながら彼らと渡り合い、夫の暗殺を計画した人物の特定に乗り出す。

香港ノワールの世界観で展開する、黒社会を舞台とした物語。

===

香港ノワール系同人ゲーム。ダウンロード無料。
一般ノベルゲームかと思ったらどうやら乙女ゲームの模様。

難しい漢字がたくさん出てきますが本編ではちゃんとルビが振られておりますので
問題なく楽しめます。
同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2014で受賞したそうなので、有名な作品なのかもしれない。

シナリオも緊迫感があって飽きさせず、中だるみすることもない程良い長さです。
音楽もゲームの世界観によく合っていて、物語を盛り上げていました。
キャラルートに入ると共通部分もスキップできなくなるのですが、
それほど長くもないので許容範囲です。

グラフィックはのっぺらぼうですが、それが却って想像力をかき立てられます。
表情はなくとも体格や服装、姿勢などからそれぞれの個性が感じられるのが好印象。
ハードボイルドな雰囲気とも合っていました。

主人公は元暗殺者であり、黒社会組織会長の妻だった未亡人の女性、越児(ユエ)。
彼女は凄腕の元暗殺者ですが、目の前で最愛の夫を殺害され、復讐を誓います。

チート級の強さを誇る美人で賢い無敵主人公で、ところどころ無双ぶりに
生暖かい気持ちになりそうになるのですが、その彼女がなにと引き換えても
失いたくなかった唯一無二の夫を序盤でむざむざと死なせてしまうので
その後の超人無敵ぶりとどうにかこうにか相殺していた気がしました。

ちょっと冷静になってしまうと、ユエのすぐ近くにいる夫以外の男性は
夫が消えた瞬間に高確率で彼女に好意を寄せるようになる、と思うとやや苦笑い。
乙女ゲームだとよくあることではありますが。
彼女が確固とした信念の持ち主であることが最後までぶれなかったのは好ましい。

物語は主人公を取り巻く六人の男性それぞれのルートに分岐。
大まかな流れは二通りあり、後はキャラごとに細かく展開が変わります。
とはいえ、彼女が夫を亡くしてからエンディングまで三日ぐらいしか経ってないので、
頭の中の八割以上は復讐で占められています。
エンディング間際までほぼそれしか考えてません。
ですので恋愛色はそれほど強くなく、キャラルート分岐はどのキャラが主人公の残りの人生で
これから主人公を気にかけてくれるか、という分岐だといえます。
とはいえ恋愛対象としての好意を控えめにしろ寄せてくる可能性は高いので、
そこが気にならなければ楽しめるはず。

ところで、この「元暗殺者」という肩書きには夢と希望が詰まっていますね。
何年経っても「元暗殺者」と聞くとどこかときめいてしまう。

以下ネタバレ感想。
越児(ユエ)

彼女の持つ「人は己の因果を受け入れるべきである」という因果応報の法則に基づく
信念は揺らがないものであり、過去から現在に至るまでその信念に殉じて
行動する姿に好感を抱きました。
復讐を果たした後にようやく喪失感が襲ってくる描写も良かった。
他のキャラ達が凛とした美人の越児に惹かれる気持ちも理解できます。
麻酔なしで平気で縫合もするし、あまり失敗らしい失敗をしないので
安心して見ていられました。お荷物になることだけはありません。

あと、話の流れで「みんなで飯でも食うか」となったとき、当然のように
彼女はなにもせず、男性陣がすべて用意していたのに感心しました。
そりゃ、仮にも黒社会組織の当主代行を台所に立たせるわけにはいかないわな。

彼女はもっぱら戦闘担当なので、永考(ヨンシャオ)ルートでの銃火器無双は
見ていて清々しかったのは確か。また、永考(ヨンシャオ)ルートでおもむろに
元カレが出てきてユエがいきなり女の一面を見せるのが新鮮……というか
これまでハードボイルドだったのでちょっと面食らいました。

最後までユエが「愛してる」と言うのは永考(ヨンシャオ)にだけ、というのが
徹底されていたのは良かったです。

張雷(ジャン)さん渋くてかっこいい。


陸(ルク)

最初に攻略しましたが、終盤の殺し文句が良かったです。
お互いの影を理解し合えるからこそ、同胞としての連帯感から
二人の仲がゆっくり静かに進んでいくのが味があって好き。

陸が主人公を心から尊敬していることが伝わってきました。
ひとつひとつの台詞も良いですね。
後で見返したら彼の台詞を一番たくさんメモってました。
この組み合わせが物語としては一番好きかもしれない。


樂(ユウ)

割と重い過去を背負っていて、樂の傷と、日昇(シン)の傷と、
ユエの応対と、それぞれの反応に深みがあって良かったです。
終盤でいきなりベタなプロポーズができるのは若さのなせる技なのか。

復讐がみずからの手で果たされないのも、樂らしくはあるのかもしれない。
陸ルートでは陸とユエは「分かち合う」関係で、どこかお互いの持つ暗さを
直視していたような、未練だとか過去だとか自己の澱みだとか、
なんとなく影のある関係性という印象でした。
それに比べると樂ルートの樂とユエは「相手のために強くなる」みたいな、
青臭さもあれど王道の関係性が、どこか太陽のような晴れやかさで、
彼らしくて良かったと思います。


狗頭(ゴウ)

しっとりとしていたルート。渋いですね。
父親の役目を放棄していた人なのにどことなく包容力があります。
彼も妻を亡くしているので、気遣いが自然で、押し付けがましくなくて
好印象でした。エンディングのさっぱり感もまた良し。
なんだかんだ日昇のことも受け入れようとしてるあたり
良い人なんだと思います。仲直りできてなにより。
問題がいろいろ解決したルートかもしれない。


來(ライ)

彼がユエに惚れているのは納得感がありました。
エンディングでユエと過ごすのも良いですが、個人的には
肥沙(フェイ)と探偵やってる永考(ヨンシャオ)エンドも好き。
來は何年でもユエに横恋慕してそうな報われない感が不憫。
でも助けを求められれば助けちゃうし、拷問にも黙って耐えちゃうし、
そういうお人好しのあまり貧乏くじを引くところが彼の魅力なのかもしれない。
とはいえ、永考(ヨンシャオ)が亡くなって來とくっつくのは
彼の出自を抜きにしても自然な気もする。
來との過去は見応えがありました。


鬼(グァイ)

単純な人だという印象。精神的な脆さがありました。
誰かをひたむきに信じていれば問題はないので、
一途だからこそだとは思いますが、秘密の共有には向いてない人ですね。
だからこそ盲目的な忠誠を示せるのだとは思うけど、
正直に言えば当主の器ではない気がします。
彼は誰かに従っていたほうが楽なんじゃないかな。

ただ、エンディングのユエとのやり取りは好きです。
鬼ルートでは永考(ヨンシャオ)の最期を看取れて感慨深い。
あそこでいきなり永考(ヨンシャオ)が目を覚ましたことを思うと
永考(ヨンシャオ)ルートの流れだったと考えられて、彼が
酒浸りになってしまうのも無理はない。

しかし他のルートではどうだったのかちょっと気になります。
ほら、選択肢で、選択肢以前の過去の世界線から分かれちゃうタイプのゲームもあるから……。


永考(ヨンシャオ)

思ったより可もなく不可もない人だった……。
生きてましたルートだから仕方ないんだけど、急に乙女ゲームみたいな
雰囲気になってびっくりしました。あれっ、これ乙女ゲーム??なの??


===

脇キャラの大Bもいい味出してました。
敵役の突き抜けたゲスなところも面白かった。
総じて楽しめました。
コメント
プレイされたんですね!
仲間ができてうれしいです( *´艸`)
ぜひ、続編が沢山あるので、またお時間がある時にでもプレイしてみてください♪
続編はそれぞれのルート毎にきちんと続きから作られているので、オススメです!
また、ユエの暗殺者時代?過去編も面白いですよ!

シルエット無いのも良いですよね。
古き良きサウンドノベルな雰囲気が出てますし、想像が壊れないというか。

各キャラそれぞれ好きです。
旦那ルートはほんと王道というか、他のキャラが哀愁や復讐で殺伐としてるので、彼だけ雰囲気が違いましたねw
狗頭が人間味もあり男気もあって好きです。
どのルートも好きなんですが、彼のルートが温かくて良かったです。

長々とすみません(/・ω・)/
読み応えのある感想有難うございました!
 流音
プレイしました!(・∀・)おかげさまで面白いゲームにめぐりあえて感謝です。
ルート毎の続きがあるんですね!てっきり各キャラの過去編だけなのかと思ってました。
せっかくなので、そのうちプレイしようと思います。

このゲームは表情がないのが却って良かったですね。
テキストで語られる心情に集中できますし。

旦那ルートは急にがらっと空気が変わってしまってびっくりしましたw仲良しなのは良いことですが……w
狗頭は人気がある印象です。やはりあの余裕というか、懐の深さを感じるところでしょうか。
日昇とのやり取り良かったですね。

いえいえ、コメントいただけて嬉しかったです。
良かったら暇なときにでも、また覗いてやってください( ´∀`)
  • 大樹@管理人
  • 2017/05/10 12:30 AM
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