公主月奇譚 感想

  • 2017.06.10 Saturday
  • 21:48


こちらはリクエストボックスよりおすすめいただきました。ありがとうございます!

15禁乙女向け中華風ファンタジーADVゲーム。

攻略対象は三名。
こちらは纏足や宦官など、中華ならではの風習を題材にしたところが
話に説得力と深みをもたらしていました。
攻略対象の好感度が高いからといって良い結末につながるとは限らない、という
シナリオ展開も納得がいくもので楽しかったです。

また、公式で下記のように注意喚起されているだけあり、
一癖あるエンディングばかりなのも、刺激的で好印象でした。
このゲームは暴力・殺傷・姉弟同士での恋愛、軽いほのめかす程度の性描写(同意のもとでないもの含)、異性装、猟奇的、鬱的内容があります。
明るいエンディングもありますが、暗いエンディングの方が多いです。
15歳未満の方、苦手な方はプレイをご遠慮ください。

主人公の碧雲は飾り気がなく、明るくて嫌味がなくて、好感の持てる子です。
それだけに、善良すぎて憎まれる理由も分からなくもない。
攻略対象の感情変化も良いです。

月マークで出てくる満月度、新月度がいわゆる攻略対象の気持ちに
対応していて、選択肢によるルート変化が分かりやすかった。
攻略後のおまけシナリオも充実しています。

以下ネタバレ感想。
銀蓮→世鏡→天龍→二股ルートの順にクリアしました。

銀蓮
一番好き。特に銀蓮のほの暗さが好きです。ちょっと意地悪なところもまた良し。
銀蓮が主人公を憎悪するのも無理はないし、その憎しみが
他ならぬ主人公の好意によって変化していく過程が丁寧でした。
選択肢も絶妙に銀蓮の神経を逆撫でするものが配置されているのも
銀蓮がどこで怒るのかが伺えてにこにこしてしまいます。
以下はプレイ順。

結末三 朋友との別れ
一番最初に到達した、銀蓮の好感度MAXで見られるエンディング。
揺るぎない友情を思わせて美しいエンディングだと思ったのですが
後で真相を知ると愕然とすること請け合い。
だから銀蓮は「貴女は忘れていい」って言ったんだなと思うと切なくてたまらない。
「死ぬまで幸せを祈る」という言葉の意味が胸に突き刺さるエンディングでした。


結末五 忘却は遠い彼方
碧雲が保身を考えると到達してしまうエンディング。
月神の罵倒ぶりから見るに、彼は碧雲に期待していたのだなあと思います。
このエンディング、実際はそれほど悪い結果ではないのに、碧雲が
己の選択がゆえに死ぬほど苦しむことになるのが心に残っています。
彼女はこの現状を、己の心の持ち方のせいで地獄に感じてしまう。
なぜなら罪悪感があるから。
銀蓮の感謝の気持ちも、碧雲にとっては呪いと同等になる皮肉。
ただ、クリア後シナリオで銀蓮が生きていることを知るので、
コンプ後の後味はそれほど悪くはなかったです。
保身を優先するがゆえに、相手と過ごす時間を永遠に失うのだとしても。


結末六 虹は空にかかり、手は地に繋ぐ

いわゆるハッピーエンド。
ただ、このエンディングに到達するために碧雲が代償を支払わねばならないのが
気に入りました。それでもなお銀蓮を選ぶのが、例え世間知らずゆえであっても
好ましいです。また、碧雲が捨てたものの大きさを、全てではなくとも
銀蓮が分かっていて、それでも自分を選び、必要としてくれた碧雲のために
覚悟を決めるシナリオ展開にぐっと来ました。
クリアシナリオでの銀蓮の心情と覚悟が語られるものもとても良い。
きっと銀蓮は、碧雲のためにこれからたくさん嘘を吐くのだろうなとも感じさせます。


結末四 残酷

怖!!

確かに銀蓮にとって酷な選択肢が多かったけれども、これはこわい。
生きたくなくても生きなければならない、それがいかに残酷な要求だったのかを
まざまざと思い知らされるエンディング。
良いことだと信じて確認もせず無邪気に要求してしまう碧雲もアレだけど、
銀蓮の纏足を恥じる気持ち、碧雲への憎悪、健康な足を求めるがゆえの嫉妬、
碧雲への恋心、いろいろなものが入り混じって非常に印象的でした。
実質、雪家が碧雲を人質に取ったも同然なので外部は下手に手出しが出来ないのだろうなと思います。
特に世鏡と引き合わせるシーン、最高に意地が悪くてゾクゾクしました。
これは纏足である銀蓮ならではの、人の気持ちをよく読んだ仕打ちですね。

銀蓮は、割と碧雲が「銀蓮なしではいられない」状況下に置かれると弱く、
必要とされる喜びのためならなんでもしてしまうところがあるので、
その心情の表れ方が結末六「虹は空にかかり、手は地に繋ぐ」との対比としても
非常に興味深かったです。


世鏡

今作で一番の常識人かつ善良な人。
世鏡は一貫して優しく、碧雲の味方になってくれました。
しかしその優しさこそがときに仇となります。

結末十四 官吏と奥方

バッドエンドに到達するんじゃないかとハラハラしながら進めただけに
先が読めなくて、無事に到達できたときは感無量でした。
クリア後シナリオでの世鏡と天龍の取引も良かったです。


結末十二 その日を夢見て

誤解したまま後で真実を知るエンディング。
「お元気になられましたね」に頭を抱えました。
ひたむきさが世鏡らしくもあり、碧雲への忠誠を感じさせてとても良かったです。
ここまでして世鏡のために生きることになった碧雲を、彼はどんな気持ちで
見るのだろうと思うと複雑でもあります。
碧雲自身は希望を捨てていないだけになおさら、現実との明暗のコントラストが
浮き彫りになるようでした。


結末十三 黄金色に約束は輝く

これもいいですね。世間にどう思われようともお互いさえいればそれで、という
気持ちを感じさせました。お互いのために頑張って頑張って、
苦しくてもようやく耐えてから到達できるだけに割と好きなエンディングです。


結末十一 永遠の主従

主従エンドはあると思った。
いかにも碧雲と世鏡にはありそうな未来で、宦官と公主という立場からしても
切なくも自然なエンディングだと思いました。


天龍

「姉に執着するヤンデレ弟選手権」にかなり上位に食い込んできそうな天龍さん。
いやもう……ここまでくると退きました。

結末九 地の底の真、光の空の虚

怖!!

うわあ……としか。いえない。いやもうここまで来るとドン引きです。怖いです。
目の前にいたら全力で目をそらすレベル。
棺がやばいですね。あれを碧雲にやろうと思ったことに引きました。
家族であり姉であった碧雲は死んだ、ってか……。
天龍からしたらすべてがうまくいったわけだけど、碧雲からしても
真実に気づかないほうが幸せなのかもしれない。


結末八 懸命な鳥の、落ちた先

自業自得としかいえない。
天龍の思ったとおりに事が運ばないのですが、もうほんと自業自得としか。
あの恐怖でさえも超えられなかった倫理観の強さに、天龍はますます
禁忌を思い知るのだろうなと思うとゾクゾクします。


結末七 ダレカ

天龍に関係するエンディングではこれが一番好きです。
これもまた自業自得なのですが、「家族」であり「姉」である碧雲を
擬似的に殺して、恋人としての碧雲を手に入れようとしたら、
碧雲が生きながらにして彼岸に行ってしまうエンディング。
人をその人たらしめているのはなんなのかと思うとなんとも哲学的で、
天龍は生涯、みずからの手で姉を生きた死人にしたことを
その目で見続けねばならず、それが彼への罰というのが良かったです。
「家族」であり「姉」である碧雲を葬ったら、弟としての絆を失うどころか
決定的に「他人」になってしまい、二度と取り戻せなくなるのが皮肉でお気に入り。
可哀想なのは世鏡さんですね。


結末十 実姉弟の契り
開き直ってベタベタし始める天龍に笑いました。
実質、これが天龍ルートのハッピーエンドなのも興味深い。
クリア後シナリオの碧雲も良いです。
このエンディングだと天龍の精神が安定するのも印象的。
天龍は実のところ、家族であり姉としての碧雲を愛していたのであって、
それが崩れると歪んでしまう、というのは別ルートでも描かれていたので
これで良かったんだろうなと思います。
お互いに後ろ暗い気持ちにならずに済むし。
しかしこのエンディングを見ると、天龍が望んでいたものは
性愛ではなかったのが明らかになって面白い。


結末ニ 月夜の秘め事

なかなかロマンチックで好きです。
シチュエーションも好みでした。


結末十五 山の端は朝焼けに染まる

天龍と銀蓮との二股ルート。
なんだかんだ碧雲もそのうち銀蓮を許して好きになりそうでもあり
人生を諦めてた銀蓮がやる気になってるので良かった……のかな?
天龍と銀蓮は似ているところがあるものの、銀蓮のほうがしたたかな印象があります。
世鏡が可哀想ですね。


結末十六 皇帝と皇后

碧雲を助けようとする銀蓮を断るやり取りが好きです。
それだけにその後の天龍のやり口に頭を抱えるしかない。
こうなると二人のかつての関係性は永遠に失われてしまうので
やっぱり銀蓮と一緒に行ったほうが良かったよなとしみじみ思いました。


結末十九 死者が私を生に繋ぐ

これはひどい。

世鏡は100%善意、善良な曇りない気持ちで碧雲の幸福を祈るのに、
その祈りが碧雲にとって呪いになってしまうことが多くてなんともいえない。


結末十八 嘘

世鏡と銀蓮の二股ルート。
賢照をべた褒めの碧雲に恥ずかしそうな銀蓮が可愛くてのたうち回るも、
これは辛い。世鏡が信じる幸福像のために生きる碧雲の覚悟に心打たれました。
天龍はさすがになにかがおかしいと気づくも、幸せを演ずる姉を前に
なにも出来なくて、一縷の望みを託して世鏡を送るのにちょっとほろりと来ました。
碧雲からしたら一世一代の芝居だったわけで、世鏡が気付かなかったのは
果たして良いことだったのかと思うと、碧雲の決意もあるだけに
複雑な気持ちになりました。


結末十七 幸福のうちに

めちゃくちゃ切ない。
銀蓮が碧雲を殺すしかないと思いつめる気持ちも理解できてしまうし、
しかも生きながらえてしまった碧雲を思うと、死んだほうがマシだっただろうなと
思えて落ち込みました。
お互いのあいだに芽生えた赦されぬほのかな恋が、序盤に出る恋物語の
「夢の中の恋人」とリンクしているしかけも非常に切なくて良いです。

なにも知らない碧雲と、碧雲への想いゆえに吐いたささやかな嘘の報いを
こんなかたちで支払わねばならない銀蓮が気の毒でならない。
もう辛すぎて、せめて一緒に死なせてやれと思いました。
というか遠からず碧雲も死ぬ気がする。


他、クリア後シナリオの天龍父のエピソードから、天龍の己への自嘲や分析も
伺えて、天龍への理解が深まってとても良かったです。
恋愛関係になってしまうと、幸福を感じる一方で天龍は後ろめたさを感じる
碧雲を生涯見続けねばならず、はつらつとしていて、清らかな碧雲は
失われてしまうことにもつながるのが悲しい。
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