Princess Arthur (プリンセス・アーサー) マーリン 感想

  • 2017.07.06 Thursday
  • 00:12
Princess Arthur (プリンセス・アーサー)


マーリンルートの感想です。

ルート制限がかかってるだけあり、これまでの伏線や
脇キャラたちの謎や事情に決着がつきました。
おまけシナリオも読み終わったので、これでおしまいです。

各キャラの後日談シナリオは本当におまけ程度です。
正直なくてもいいくらい。

「なぜ主人公が少女だったのか」という部分にも一応の理屈をつけてきますが、
まあこれも、別にどっちでもいいような気がしました。

ガラハッドとモードレッド、まあマーリン、トリスタンが本命なら買って良し。
特にガラハッドとモードレッドはあからさまに贔屓されているため、楽しめるはず。
マーリンルートは、私は脇キャラが好きだったので楽しかったですが、まあまあかな。
主人公アルの切ない恋心はよく描かれていました。

自分の場合、トリスタンルートが好みではなかったですが、
客観的に見て内容はそれなりにあったと思います。
ランスロットとガウェインは……ガウェインルートは、可愛さもあります。
ただ、あんまり期待しすぎないほうが無難かと。
二次創作小説みたいに、部分部分だけを見れば悪くはないです。
打ち切り最終回かな?という感じでいきなり終わりますが、
途中の恋愛過程だけ楽しめればそれでいいなら、問題ないでしょう。

以下ネタバレ感想。
「美人で胸が大きくて情が深くて、出来れば髪は長くて、私を束縛しない女性」
マーリンの好きな女の子のタイプが、すごい都合の良さそうな女の子で笑いました。
「私を束縛しない」とかよく言えたなおまえ。
マーリンに比べたら、ガラハッドなんか正直に打ち明けるだけ可愛いものですよ。

一見してどうでもよさげな「好きな男性のタイプ」を、マーリンは
三度に渡って食い下がって訊いてきます。
この理由が、マーリンというキャラを象徴していて、卑怯さもあって面白かったです。
個人的な興味もあるのだろうけど、この質問は純粋な主人公アルが、
どのような男に引っかかりやすいのかを把握するための質問なのですね。

なぜなら、把握しておけば、アルが傷物にされる前にマーリンが対処できるから。
これはつまり、憎からず想っている女の子に寄ってくる男性を牽制できるから、
という意味でもあるのですが。
しかも牽制しておいて自分はアルの想いに応えるつもりがないという。

なんだかんだマーリンはアルに好意を寄せている、と踏まえると
他の男が寄らないようにがっちり囲い込みながらも、「自分が傷つきたくないから」という理由で
アルを生殺しの状態に置くので、ニムエさんの「お前、男見る目ないなー」には頷くほかない。
これぞ悪口は自己紹介の法則……。

まあ、例え妙な下心がなかったとしても、王であるアルの恋愛事情を
汲むために訊いてくれるだけ親切なのかもしれません。

政略結婚の可能性をちらつかせるマーリンは、
アルの恋愛を監視することをほのめかします。
「保護者」という建前を武器に、「王の役目」という言葉でアルを縛って。

この、「保護者」という建前が、マーリンルートでは最高に卑怯な使われ方をしていて、
「保護者」という隠れ蓑を武器にして都合が悪くなるとアルの恋心に気づいていながら
無視するマーリンが本当に最低で面白かったです(褒めてる)。

しかし、アルのドレス姿をニムエと比べてアルのほうが綺麗と
のたまうマーリンはマジでろくでなしだなあとしみじみ思いました。

で、政略結婚の可能性をちらつかせてアルを縛っておきながら、実際に
縁談が舞い込むと勝手に断るんですね彼。


おいてめえは王じゃねえぞ、というプレイヤーの突っ込みも虚しく、
アルは健気にマーリンを想い、マーリンの仕打ちをまともに受けて混乱します。
好意を感じるのに近寄れず、かといって他の男性に気を移すことも許されないからです。

「自分は気持ちに応えないけど誰も好きになってはいけない」
身勝手極まりない主張ですが、アルはマーリンが好きなので頑張って耐えてしまいます。
マーリンは物理的な束縛がトラウマになっているのに、
好きな女の子に対して精神的な束縛をしてくるあたりタチが悪い。
うすうす気づいてそうなところもさらにひどい。

しかも、マーリンはその後もことあるごとにアルの気持ちを試します。
マーリンは作中で明確に「臆病」とされているのですが、
そのくせ陰ながらアルを護ってもいて、ずるい男だなあと思いました。

このルートは、アルがマーリンを意識するようになって、
徐々に心を傾けていく描写がとても丁寧で良かったです。

また、中盤で「執着」がテーマになるところが興味深い。
「お嬢さんは、望んでも手に入らなかったものがあるかい?」
どれだけ求めても決して手に入らなかったもの、他人は持っているのに自分にはないもの。
誰かを殺してまで手に入れたいという強い想い。
この問いが、マーリン自身を指すだけでなく、モルゴースさまとメドラウト、
ひいてはアーサー王(オリジナル)も指しているとあって感慨もひとしお。

いずれも「愛」というのが、人間の業を思わせました。

誰かを愛さずにはいられないのに、その愛が報われるとは限らない。
アルも臆病なマーリンのせいで片想いに疲弊していく様子が描かれてて気の毒でした。

メドラウトは、頭では理解していても、心のどこかで母であるモルゴースの愛を
求めてしまうのだと思う。ニムエさんとのイベントは、ニムエさんがメドラウトに
ばっさりいってて良かったです。誰かが言ってやらなきゃ哀れでもある。
なにか決定的なことがあってモルゴースへ向ける母への愛が死んでしまうか、
もしくはモルゴースが死ぬかしないと難しいのかもしれない。
メドラウトも頭では分かっているのです。モルゴースに母の愛を求めるのは無駄だと。
でも、どこかで諦めきれない。メドラウトはモルゴースへ母の愛を求めていることを
否定してしまってるから。だからなんか、モルゴースを母と慕う、メドラウトの中にいる
小さなメドラウトが、きっと納得いってないんだろうなあと感じました。
要するに、精神的にか、あるいは物理的に、メドラウトの中で
母のモルゴースは死なないといけない。
これはつまり、だから「殺しに行け」という意味ではなく、メドラウトの心の中の話です。
モルゴースはウーゼルへの愛が決して得られないと悟ってみずから死を選んだけれど。

ところで、えぐいからぼかされたのかもしれませんが、モルゴースが
メドラウトを身ごもったのは恐らく、ギネヴィアに化けてウーゼルに
迫ったからではないかな、と思いました。
変身の魔法を作中で出してきたのはそれが理由かなあと。
ギネヴィアのウーゼルへの、信じたいのに信じ切れない感じとか。
モルゴースのギネヴィアへの憎悪も、そう考えれば納得がいく。
もともと嫌いだったにしても、ギネヴィアに化けないと
女として相手にされない、となると呪いに近い憎悪を抱いても不思議はない。

けれども、こうした一方的な、相手を無視した行き過ぎた片想いが愛ではなく、
執着とされてしまうのは、肝心の、好きな人、愛を注ぐ人であるはずの
相手の気持ちを無視してるところにあります。
好きな人が、自分をうざいと思ってる。めんどくさい、あるいは嫌いだと思ってる。
これは厳密には、好きな人が自分をうざいと思ってることよりも、
その事実に怒りを覚えてる自分の気持ちを優先してるのですね。

好きな人が自分を嫌いになる、残念ですがないとはいえないので、
これは相手にも心があると受け入れられない、ということになります。
相手を人というよりはイメージとして見ている。
だからイメージが、理想像に見合わない言動を取ると怒りを覚える。

ゆえに、愛というよりは執着、になってしまうのだと思う。
執着が行き着くとやがてストーカーになるように。

あと、このライターさんは、ガネクレのFDでも思ったのですが、
口紅の使い方がうまいですね。
子どもでも大人でもない少女が女になる、女になろうとする、というときに
口紅を用いるのですが、その描き方に色気があって良いイベントでした。
遠まわしに「女」になろうとしてるアルをマーリンがやんわり押し留めてるのが乙ですね。
もうちょっとゆっくり女になってほしい、みたいな感じかな。
あと純粋に、好きな男のために口紅をつける女の子は可愛い。

で、ガウェインは、ケイ兄さんが聖剣が手に入らなくていじけてるときに
一喝してくれるのですが、出来たらそれトリスタンにも言って欲しかった。
ガウェインはマーリンルートだとありがた迷惑になることが多くて、
アルへの好意が盛大に空回ってて痛々しい。

このルートでは明確にケイ兄さんと和解できるのも◎。

モルゴースさまもたまに核心をつくので、そういう描かれ方は好ましく感じます。
他人なら客観視できるのにね……。
聖剣が欲しいのに手に入れられなかったケイを憐れむモルゴースさま。
余計に惨めだと思うのですが、理解者に飢えているケイがモルゴースに
縋ってしまうのも、なんともいえずケイの弱さを表していました。
ケイ関連の話題ではメドラウトがほんのり親近感を見せてくるのに笑う。

あと、ニムエさんのマーリンの扱いがすごく雑なのも好印象でした。
ランスロット推しなところが可愛い。

さて、あれこれ卑怯に逃げ道を作ってたマーリンですが、
アルにフロリアスの祭りに誘われたことでさすがにやばいと気づきます。
全体を通して、フロリアスのお祭りは好意の明確な自覚イベントのようですね。
アルの好意に気づいて、即座に線を引く様子は、嫌な方向にだけ
小狡い大人になりやがって、と思いました。

このお祭りイベントは、エレインの思いがけず切ないイベントが
心に残っています。とても切ない。
幻と分かっていてもダリウスにひと目会いたくて、それはエレインにとって、
自分の恋心へのけじめであり、別れでもあります。
誰かを全力で愛し、結果として失い、傷ついても、愛したことそのものを
決して後悔せず、ダリウスを愛した気持ちを傷ごと静かに受け入れたエレインに対し、
傷つくこと、あるいは破綻や拒絶を恐れて動けないマーリンとアル。
この対比は面白い。
愛した想いや、愛された想いは、傷を受け入れる強さを与えてくれる、と
二人へ示唆するイベントでもあったと思います。

同時に、二度と会えない恋人に焦がれるエレインを前にして、なおも、
否もしかしたら、だからこそアルに踏み込めないマーリンが印象的。
マーリンの失言にごまかされてあげるアルなど、振り回されていると
分かっていながら、惚れた弱みでひたすら耐えるアルが可哀想でした。
でもマーリンが好きで、恋心に苦しむ描写は細やかです。

特に、(好意に気付きながらあからさまに線を引いてきてしかも束縛するため)
無神経なことを言うマーリンを突き飛ばしたいのに、アルはそれでもマーリンが好きで、
もう触れられないかもしれないという恐れから突き飛ばすことができないという様子が、
本当に胸が痛くて、マーリンは一度エクトル殿に殴られたほうがいい。

父親面しようとするマーリンに、アルが切り返す場面は良かったです。
「……お父様は」
「私の髪に指を絡めたりしない」


ここでマーリンはさすがに言葉に詰まるので、ざまあ、と思いました。

この、お互いに好意を感じ取りながらの綱渡りのような攻防は
見応えがあります。

「好きな奴はいないのか」「既成事実にしてしまえばいい」
のたまうマーリンを見て、こいつはアルの好意を感じ取っておきながらも、
どこかでアルの好意をなかったことにしたいのだろうなあ。
そのくせいざアルが心変わりしたら、安心する反面、
心のどこかで傷つくんだろうなあ。いい加減にしろよって感じだなあ。

マーリンの部屋でのキスは、あの後にマーリンが謝るあたりといい、
本当に最低で思わず笑ってしまう。
艶っぽいイベントでした。

口紅のイベントも色気があって良かったです。
好意には応えたくないのに、アルを閉じ込めておきたくて、
自分の色に染めたがるマーリンは本当にこじらせてます。

マーリンルートはそんなマーリンの最低ぶりを楽しむルートなので、
結論を言えば面白かったです。アルが可哀想だった。

いろいろな伏線が回収されたのも良かったですが、マリーの兄が
どうなったかまで追ってくれたらさらに良かったかな……。

なんだかんだでエンディングへ。

モルゴースとウーゼル、ケイとアル、どちらも愛の在り方が
ねじれてしまったきょうだいで、その対比が印象的でした。
ケイ兄さんが立派になってお母さん安心したよ……。

それにしても、マーリンのコンプレックスが意外に普通でびっくりしました。
いや、馬鹿にしてるわけではないけど。
半妖なのにコンプレックスが人間と同じであることが哀しいな。

ところでハッピーエンド、アルって寝るときもあの服のままなんでしょうか?
寝にくくない?
内容は普通にいちゃいちゃしたハッピーエンドでした。

バッドエンドは、ハッピーエンドの対になっていて良かったです。
この恋に傷つかず、傷つけず、失わず、与えもせず、勇気を出せないまま
ずるずる現状維持を続けたためにどちらも眠る結果になり、
お互いの臆病さが際立つエンディングでした。
お互いに好きなのに傷つきたくないから踏み込めないまま。
それでも眠っていれば安らかで、眠る間際にお互いを想い、
そのまま永遠のものにしたのだろうと考えると、
この二人らしくもあり、なんともいえない気持ちになりました。
コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>

応援中

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

乙女ゲーム「白魔女と運命の恋」

全年齢乙女ゲーム「ミッドナイト・ライブラリ」

全年齢乙女ゲーム「ミッドナイト・ライブラリ」

全年齢乙女ゲーム「ミッドナイト・ライブラリ」

18禁BLゲーム「NO,THANK YOU!!!」応援バナーキャンペーン実施中!


RECOMMEND

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM