ニーア オートマタ 感想

  • 2019.05.21 Tuesday
  • 21:42

ニーア オートマタ ゲーム オブ ザ ヨルハ エディション - PS4


リクエストボックスよりおすすめいただきました。ありがとうございます!

これは呪いか。それとも罰か。

遠い未来。

突如侵略してきた異星人。そして、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」。
圧倒的戦力の前に、人類は地上を追われ月へと逃げ延びていた。

地球を奪還する為に人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織、
さらに膠着した戦況を打破する為、新型アンドロイドである戦闘歩兵「ヨルハ」部隊を投入する。

人のいない不毛の地で繰り広げられる機械兵器とアンドロイドの熾烈な戦い。
やがてそれは知られざる真実の扉を開けてしまう事となる……


思ったより純粋なラブストーリーだったと思います。
過去作は未プレイです。

音楽がとても美しい。キャラも良かったです。
シューティングがきついですが、イージーモードがありますので
詰まってエンディングが見られない、という事態は避けられます。

ディストピアな世界なので、登場キャラは多くないのですが、
彼らがあがいて生きる姿には心打たれるものがありました。

メッセージ性はシンプルでまっすぐでした。
音楽が素晴らしいです。

ディストピアな世界観を好む人は楽しいと思う。

以下ネタバレ感想。
エンディングをすべて見た後だと、「これは呪いか。それとも罰か」という
キャッチコピーに思うところが出てきます。
このキャッチコピーへの回答はEエンドで明確になされます。

「生きるとは、恥にまみれるということだ」というセリフは、
「生き恥をさらす」という意味合いで、
2Bと9S、そしてA2を復活させるポッドの行動から来ていました。

守るべき人類を失い、存在する大義名分を失い、大切な相手を死なせてしまい、
そこまでしてなお、なぜ生きるのか。

物語は一貫して「皆が死んだのに自分たちだけ生き残ってしまった」という罪悪感と絶望、悲哀を描いており、
そうした「生き残ってしまった自分を恥じ、罪悪感を覚え、みずからを罰する気持ち」に由来しています。

死んでしまったのが人類であれ、バンカーのアンドロイドたちであれ、
パスカルの村人たちであれ、真珠湾降下作戦の仲間たちであれ、アダムであれ。

大切な誰か(あるいは存在理由)を失うのは、死にたくなるほど辛い。
では、その死にたくなるほどの絶望と苦しみの中にあるとき、
生き残ってしまった罪を償うために死を選ぶべきなのか。


大切なものを失ってなお「生きる」ことは、終わりのない苦しみであり、重荷でもあります。
その終わりのない苦しみにどのように向き合うべきなのか。


それが作品全体を通して投げかけられ続けた問いでした。


レプリカントたちは人類を失った責任をデポル・ポポルタイプに問い、責め立てます。
デポル・ポポルは人類を失ったせめてもの罪滅ぼしに9Sを守る。

主たる人類を失ったアンドロイドは、「人類を守る」という
あらかじめデザインされた目的を達成するために、
すでに形骸化された「人類のために戦って死ぬ」というシナリオを作って
無意味な死の演出を螺旋のように繰り返す。理由をもって生きるために。

パスカルは村人や子どもたちを失った苦しみに耐えきれず絶望し、
アダムは「死」を理解するために死の体感を望み、
イブはアダムを失った怒りで我を忘れ暴走します。

9Sは2Bを失った痛みを機械生命体とA2への復讐に転嫁し、
2Bは9Sを失った哀しみで自分を責めて自己犠牲をする。

恥をさらして生きるか、格好良く死ぬか。

その二択が現れたときのポッドからの答えが、
「生きるとは、恥にまみれることだ」だと解釈しました。


2B

9Sを処刑するためにそばにいるのに、9Sは2Bを護って死ぬ。何度も何度も。

それを考えると、「これは呪いか。それとも罰か」と問う2Bの
生への絶望がかいま見えるようで、いたたまれない気持ちになりました。

2Bが飛行ユニットに最後に残したメッセージも、
彼女を理解する上で重要な要素だったと思います。

最期、9Sが無事だとわかった瞬間のうれしそうな表情がまた切ない。
これまで2Bはずっと9Sの死を見届け続けてきたわけですが、
最期の最期でようやく2Bは9Sの生を見届けられたわけで、
それは彼女にとって、救われるような気持ちになれる出来事だったのかもしれません。

戦闘タイプらしく大雑把なところが可愛かったです。

きっと9Sと線を引こうとして、いつのまにかやり取りが
楽しくなって、大切になってしまったんだなと感じました。

家族がいないのは2Bも同じ。

彼女にとっての「愛のかたち」は、「殺さないこと」で、
2Bのこれまでの役割を考えると胸が痛みました。

序盤の「いつもこんな……」の伏線の張り方がうまいです。
Aエンドは泣きました。「曖昧ナ希望」と合わさるとさらに泣く。


9S

21Oといい、クールビューティー系を虜にするのがうまい。

9Sは、セルフハッキングしたときの、失われる2Bの記憶に激高して
正体の分からぬなにかを殺し続ける場面が印象に残っています。
彼が「それ」が(9Sの中の)2Bであると認識できない、というところが
9Sがアダムによって汚染されている表れである、と私は解釈しました。
だってアップデートしなかった理由であるノイズの原因はとうとう解決されませんでしたし。

以上の場面から、アダムに「お前は2Bを■■したいんだろう?」に入る言葉は、
破壊衝動系だと解釈しました。性衝動系にしては、伏線や言及がなさすぎるからです。
逆に「9Sが殺戮衝動に走る、すべてを破壊したくなる」という描写は豊富です。

9Sが2Bを殺したくなるのは、純粋に執着の表れなのかなと思いました。

興味の反対は無関心なので、憎悪にしろ好意や愛にしろ、
相手に強く執着していることに変わりはありません。
正の方向に出るか、負の方向に出るかの違いはあれど。

9SがA2を殺すことにこだわるのは、9Sの己への無力感と愛ゆえだと思いました。

2Bにしろ、21Oにしろ、9Sが汚染された二人を殺すのは、
大切な仲間として二人にしてあげられる、最期のことです。
それをA2に奪われてしまうのは、苦しいと思います。

もう9Sは二人に、二度となにもしてあげられないのに。
2Bや21Oを失い、救うことも殺すこともしてあげられない。

9Sが二人にしてあげられる、(便宜上、友とします)友として
最期の、唯一無二のことが殺すことなのに、赤の他人のA2が奪う。
その憎悪は理解できる気がしました。彼の絶望を考えると、礼を言う余力はないと思う。

いわば9Sの唯一無二の愛の表現が「殺してあげること」だった。
汚染された2Bと21Oへ引導を渡すことが、9Sの最期の愛だったわけです。
特に2Bには直前で逃されてしまい、己の愚かさを呪っていたであろうからこそ
絶望は深い。怒りは別感情を内包しているものなので、怒りの強さは
そのまま9Sの慟哭に比例します。

愛しているから殺すのです。
愛していなかったら、汚染された二人を放置して逃げたって良かったわけです。
でも汚染されたままの二人を放置するのは忍びなくて、だから「殺してあげる」。

その気持ちは、真珠湾降下作戦で汚染された仲間を
最期の慈悲で手にかける姿を見てきたA2なら理解できる。
だから彼女は9Sに対して怒らず、憐れむのですね。

Bルートの9Sは終始楽しそうで微笑ましかったです。
人類の秘密を知った彼が気の毒でした。

エンディングで、アダムと共に往くパターンも、
2Bの幻影を見るパターンも感慨深いです。
A2エンドの9Sはまたしても生き残ってしまうのが若干気の毒。

9Sがずっと2Bの目的を知っていてそばにいたことが憎いですね。
孤独は死の恐怖に勝るのだなと、そんなことを思いました。


A2

A2エンドでは晴れやかな表情をしていてなんともいえない。
2Bの想いを受け取るシーンといい、優しい子なんだと思います。
アネモネと一緒に仲間として生きるのもいいんじゃないかな。

ところで、Eエンドで生き返ってしまって、やっと仲間のところに行けると
安らいだ顔をしていたA2を思うとやや複雑です。

9Sの姿は、過去のA2の鏡像だったのかもしれません。


パスカル

パスカルに引導を渡すのが9SではなくA2である辺り、
大切なものを喪う絶望を味わうパスカルと9Sは、
鏡の表と裏の側面の役割を担っていたのかもしれない。

パスカルが子どもたちを護るために大型機械生命体へ憎悪を燃やす場面は
見ていて胸の奥がキリキリしました。

子どもたちの死も辛い。
自分の教えが子どもたちの死を呼んでしまった姿は、
2Bを護るための9Sの自己犠牲で、結果的に2Bを自己犠牲に走らせてしまう9Sを
見ているようで悲しかったです。

私は素直に記憶を消してあげました。
このまま放っておくのは、パスカルにとって酷いことだと思い、
友として最期にしてあげられることだったと思います。
放置したらパスカルたぶん自壊する。

機械生命体は記憶が薄らいでいかないからこそ、
時間が傷を癒やすことが永劫にないからこそ、
意味のあることだと感じました。

記憶領域の残酷なまでの緻密さと正確性は、
人間とは決定的に異なる部分ですね。


アダムとイヴ

カインとアベルではなくアダムとイヴだったのは、
弟を嫉妬し憎悪するカインと神に愛された無垢なるアベルではなく、
禁忌の果実を口にして知恵を得て、楽園を追放される
イヴとアダムだったからなのでしょうか。

禁忌の果実は、アダムを一心に慕うイヴの親愛だったのかもしれません。

アダムを喪ってイヴの愛は憎悪に変わります。

この作品では「兄を慕う弟」が事あるごとに出てきて泣けました。

自分が死んだ後にイヴがどうなるのか思い至らなかった辺りに、
アダムは人間への理解が及ばなかったのだなあと感じます。
その意味ではイヴのほうが人間らしくはある。


===


なんだかんだEエンドは嬉しかったです。
プレイしてよかった。
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