COSMOEAGLE 感想

  • 2019.05.31 Friday
  • 14:45
COSMOEAGLE(フリー版) | 3REX
COSMOEAGLE

リクエストボックスよりおすすめいただきました。ありがとうございます!

大人向け恋愛ADVゲーム。
主人公は宇宙救助士でぽっちゃりした女の子。
非常に好感の持てる子で、明るくて可愛らしい。友達になりたい。
攻略対象から多少の暴言はあるものの、却って仲の良さを感じられました。
(※残酷描写もありますので注意)
素直で飾らないところがとても可愛らしいです。
フォクスさん限定で定期的に発揮される鋭いツッコミが◎。

キャラ同士の掛け合いのテンポが良く、非常に楽しいゲームでした。
また、立ち絵がとても魅力的で、表情がイキイキしています。
糖分もしっかりありますが、鬱や残酷描写があるので注意。
お笑い要素もありますので、終始気持ちが落ち込むということもなく、
プレイ中はシナリオの緩急が効いていて飽きませんでした。

エンディング画面は作者さんのセンスが利いていて、
それぞれのエンディングをこだわって作成されたのだなと好印象を抱きました。
その後のエンディング解説もありがたいです。
心に残るエンディングが多いからこそ、解説が光ります。

攻略対象は相棒のフォクスさん、レーベ大佐、ベアピーチちゃんの三名。
各キャラがテンプレキャラではなく、各々の人生や人間性を感じさせる点が
このゲームをより輝かせていました。
各人の価値観も伺えてとても良かったです。
マリウス一等兵は清々しいほど吹っ切れていて潔い。
ベアピーチ→レーベ→フォクスさん→残END の順で攻略しました。
攻略テキストが同梱されている親切設計ですので、詰まることはないと思います。

以下ネタバレ感想
ベアピーチ少佐

作品中の癒しでした。この状況下だったら私もベアピーチちゃんのところに通いそう。
明るくて優しいのですが、それだけじゃない底知れなさが好きです。
世の中の裏の裏まで見てしまったからこそ、てらいのない純粋さに
癒されるベアピちゃんが可愛い。
恋愛関係を抜きにしても、ココロちゃんを可愛がりたくなる気持ちは
共感できました。なにげなくマリウス一等兵に厳しめなのに笑う。
特に大佐ルートの害虫退治イベントでの大佐とのやり取りが好き。
戦友としての友情を感じました。
トウゴへの寒々しい言葉や、大佐灰エンドでの痛烈な一言など、
ベアピちゃんはちょっとした一言と立ち絵で魅せるキャラです。

白エンド
ふわふわした洋菓子のように甘く、見ていて微笑ましさがあります。
この現実感のなさが、他のエンドとうまく差別化できていて良い。

灰エンド
ベアピーチの弱さが見えて心に残っています。
光が強ければ強いほど影も強まる、そんなエンディングでした。
灰エンドのベアピちゃんは「ココロちゃんに嫌われたくない」という一心で
完璧な彼氏、完璧な生活を目指すのですが、余裕がじわじわなくなっていくのが感じられます。
「嫌われたくない」という気持ちは、「嫌われるかもしれない自分」への執着でもあって、
要するに「自分」に焦点を当てた状態でもあります。
ここにいるようでここにいない、愛している(と思っている)のに恋人を見ていないベアピちゃんと
二人でいるからこそ孤独を感じるココロちゃんの描写が秀逸でした。
孤独や寂しさというものは、一人でいるときに感じるそれよりも、他人、とりわけ大切な人と
共にいるときに感じるほうが辛いもので、「嫌われたくない」「好かれたい」という想いが
却って二人の間に壁を作る皮肉が味わい深いです。

黒エンド
黒エンドはどれもきついですが、初見で見た黒エンドがこれだったので
得体の知れなさが際立って怖かったです。
この後のベアピちゃんは、生きる希望を失ってしまいそうで怖い。
全てのエンディングを見た後だと地獄でしかなくてやるせないです。


レーベ大佐

ちょっと天然なところが可愛いです。ほのぼのした気持ちになれました。
ベアピちゃんとは別の可愛さがあります。どちらも可愛い人なんだけど、
ベアピちゃんは可愛さを演出している、要は完成された「見せるための」可愛さであるのと
対称的に、レーベ大佐の可愛さは本人が意図せずこぼれ落ちるような
「見えてしまう」ものなので、一緒にいてほっとします。
緊急時には「金獅子」という通り名も納得の怜悧な一面が見えるのも格好いい。

白エンド
シンデレラストーリー感ありますね。
フォクスさんがいい味出してる。
レーベ大佐とフォクスさんの友情に和やかな気持ちになれました。
レーベにはベアピちゃんみたいな人が必要だとは思うけど、
フォクスさんのように作為のない素朴な友情も重要だと感じます。

灰エンド
ベアピちゃんの辛辣な一言が心に痛いエンディング。
ただ、私にはレーベの気持ちが理解できますし、
殺しておいてよかったと思います。
ココロちゃんはレーベにとって勝利の女神であると同時に
最大の弱点でもあることが示されていて良かったです。
レーベはこれからも、ココロちゃんと共に生きていくうちに
様々な負の感情に直面していくだろうけど、それはレーベ大佐に
新たな強さや、人柄の奥行きを与えるのではないかなと感じました。

黒エンド
物悲しさと寂しさが残るエンディング。
特に旅行でのスチルのココロちゃんの笑顔が眩しくて、きらきらしてて、
だからこそ切ない。
ココロちゃんの選択は、レーベに生涯残る疑念と後悔を与えるだろうけど、
一概に否定もできずやるせないです。
この先、大佐はずっと、赤ん坊を見るたびに死にたくなりそう。
たとえ妊娠の事実がなかったとしても、「家族になる」という夢は、
輝いていたからこそ、それが潰えたときに凄まじい傷になりそうです。
レーベの心にあったやわらかい部分が、決定的に壊れてしまうのではないかと心配になりました。
あとこのエンディングはフォクスさんのダメージもかなりきついと思う。
だってベビーグッズとか絶対チェックしてそうじゃないですか…
フォクスさんはココロちゃんの赤ちゃんに会ったら泣いちゃいそう。かわいい。
レーベの喜びが微笑ましいのが余計に苦しみを倍増させるようでした。
ただただ哀しいエンディング。


フォクスさん

彼は普通の家庭でなに不自由なく育ったからこそ、
ココロちゃんみたいないたいけな子が落ちた地獄に
打ちのめされてしまった、という描写がとても良かった。

本人は普通だと思ってるけど、私はフォクスさんは本人が思ってるよりも強くて、
責任感もあって、情が深い人だと感じて好感を持ちました。
普通の人は独身なのに遺児の身元後見人になったりしないからね。
ここは医者の言った通り、キリがないと思いますし。

レーベやベアピちゃんではなく、フォクスさんでないと
寄り添えない痛みや弱さというものがあると思います。
医者への熱い訴えには心動かされるものがありました。

あとフォクスさんになにかあるとココロちゃんが平静を保てないのが
二人の特別な結びつきを感じさせます。

ココロちゃんとの軽快なやり取りはどのルートでも光ります。

白エンド
仲睦まじくてニヤニヤしてしまいます。
ココロちゃんの積年の片思いが実って、素直に応援できました。

灰エンド
私にはフォクスさんの気持ちに共感しました。
フォクスさんのココロちゃんへの愛や、助けたいという想いは
嘘偽りのないものなのに、男女の関係になった瞬間にそれがなにか
混じりものが入ってしまったような後ろめたさを抱くのは理解できます。
恋人同士の睦み合いにはどうしても肉欲が混ざるからだと思いますが、
そこに罪悪感を覚えるフォクスさんに好感を抱きました。
身体の関係になったことで罪の意識が芽生えるのは、それだけフォクスさんの
ココロちゃんへの気持ちが真摯で誠実である裏返しのように感じられます。
ココロちゃんにとってフォクスさんが世界の全てになる気持ちも
よく分かるけど、フォクスさんの不器用なところが誠実さを感じられて好きです。
ロマンチストですよね。
とはいえ助けたいという気持ちも、是非はともかく結局は欲なので、
うまく折り合いをつけてほしい。

黒エンド
ココロちゃんとフォクスさん、お互いを想う気持ちがひしひしと感じられて泣いてしまった。
描写がうまいです。
愛していたという気持ちが夕焼けの海のきらめきを想起させる場面と合わさって
美しくて切なくて、ココロちゃんの選択は無理もないと思いました。
レーベは贈り物がこんな結果を招いてしまったことを悔やみそうだけど、
この贈り物があったからこそココロちゃんはみずから幕を引けたわけで、
唯一の救いだったように思います。
黒幕は、自分の行いが結果的に二人の愛を永遠にしてしまった皮肉に打ちのめされるといいよ。


トウゴ

彼に関しては、ベアピちゃんとレーベ大佐が辛辣な評価をしていて
まったくもってその通りだと思います。いや嫌いなわけじゃないよ。
カルト信者の脳の再生をやっておきながらその後の監視もしていない様子の
ザットテハルのお茶目さはさておき。
救いのあるトゥルーエンドがあってよかったです。
私はトウゴとココロちゃんは敢えてくっつかなくても、
姉弟のような仲になってほしいかな。
気の毒というほかない境遇で、トウゴにとってココロちゃんが唯一の光だったのは
ひしひしと感じられますが、もっと世の中の広さを見てほしい気持ちもあります。
彼の視野が狭いのはトウゴのせいではないけれど。
トゥルーエンドでフォクスさんが啖呵切ってて格好良かった。

黒エンド
彼が今まで受けてきたあらゆるおぞましいものを、
鏡のように映し出してしまうエンディングでした。

トウゴはこれまで温かなものや優しいものをほとんど受けることができず、
ありとあらゆる汚濁の中で死にものぐるいで生きてきて、
そのようにしか生きられない、なにもかもを壊して
自分と同じところに引きずり落とすことでしか
自分を成り立たせられない苦しみを感じます。

だからといって「じゃあしょうがないよね」とはいえないけど、
蜘蛛の糸を掴もうとして、救いを求める気持ちが強いからこそ
地獄へ真っ逆さまに落ちていく、そんな印象を受けました。

特殊エンド
トウゴはそもそもなにを望んでいたのかが見えて印象的なエンディングでした。
憑物が落ちた、というベアピちゃんの評価そのままで、
このエンディングからトウゴがココロちゃんへの執着が薄らいで、
自分の人生を取り戻すのもいいと思います。

トゥルーエンド
ハッチでのココロちゃんへの言葉に胸を打たれました。
ココロちゃんがトウゴの中で大切で、かけがえのない、綺麗なものであるからこそ
みずからの薄汚さに絶望し、「そのような(おぞましいと彼が感じている)もの」に
敢えて成り下がってしまう様は、彼の自分への絶望を感じて胸が痛い。
だからこそココロちゃんとフォクスさんが啖呵を切る様がとても好きです。

トウゴの下品な言動は、ある種の自傷行為に近い。

彼は狡猾だからこそ善人として、好青年として振舞うこともできます。
ほとんど完璧にできる。できるのに、下品な言動を敢えて取るわけです。

それは余裕を失っているからともいえますが、トウゴにとって
あの言動は、みずからの心を護る鎧のようにも見えました。
みずからの薄汚さに絶望し、対するココロちゃんの真っ白さとトウゴへの無関心さに
傷つくぐらいなら、自分で自分を汚してしまったほうが傷つかない、というような。
そしてトウゴはああした下品な言動が他人に不快感を与えることを理解しています。

トウゴにとって自分の価値を感じるよすがは、もうココロちゃんのトウゴへの認識と
はかない約束しかなくて、それが失われてしまったと感じて無防備に傷つくことを
受容できるほど、トウゴは強くない。
もはや傷ついてすり切れ切って今にも心が壊れる寸前です。
傘を渡したいのに動けずに泥まみれになって一人佇む、
あの場面はトウゴの心情を表していて秀逸でした。

自分で自分を汚し、敢えて嫌われるような言動を取れば、
ココロちゃんからの無関心な視線は、少なくとも憎悪や絶望のそれになります。
そんなことでしかココロちゃんの心に自分を刻めない、と
トウゴが感じているのが伺えて印象に残りました。
彼にとっては、忘れられることが、なかったことにされることが最も応えるのだろうな。


とても楽しかったです。
心に残るゲームでした。
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